ひとの先行指標は学校

景気判断には「先行指標」と「遅行指標」がつかわれる.ずいぶんまえから有名な「先行指標」は,「エチレンの生産高」だ.石油からつくられるエチレンは,すべてのプラスチック類の原料である.現代生活にプラスチックは欠かせない.その原料の生産高がふえるのは,なにも勝手に工場がつくっているからではなく,「発注」があるからだ.最終製品の工場に部品在庫がなくなれば,当然に部品メーカーに発注する.その部品メーカーの在庫がなくなれば,さらにその先のメーカーに発注する,という連鎖で,最終的な発注はエチレン工場になる.「売れる」という「予測」があるから「発注」するのだから,エチレンの増産は,その後すべてのプラスチック類が増産になることを示し,それらが「売れる」を前提としているから景気の「先行指標」となる.「売れない」が前提になれば,エチレンの発注が減るから生産も減る.

「遅行指標」というのは,景気の上昇や下降がおきているときの念押しをする指標である.これには,「ホテルの宴会需要」がつかわれる.景気がよくなって自社の利益がかなりいい感じになると,ホテルで宴会をしたくなる.逆に,景気の潮目が変わると,先に予約したホテルの宴会をキャンセルしたくなる.だから,いつでもホテルの「実績」は景気の反応として遅れてやってくる,それで景気の状態の念押しができるのだ.もっといえば,ホテルの宴会ビジネスの本質は,経済の「フロー」によってきまるということだ.

20歳を基準にかんがえる

高校卒業生と大学卒業生の中間にあたる20歳を目安にすれば,人材に関してだいたいの傾向がつかめる.

ひとの先行指標として,もっとも早いのは,「出生数」である.わが国の出生数は,昨年「初めて」100万人を下回った98万1千人だった.だから,いまから19年後,今年1歳になった子たちは全員が20歳になる.つまり,19年後ぐらいの就職者の上限が決まるという意味での先行指標である.

これを,小学校,中学校,高校,大学と順にすればよい.小学校5年生が10歳なので,10年後に20歳になる.中学3年生なら5年後に20歳.高校2年生で3年後.大学1年なら,ほとんどジャストである.

人数だけではないが

すでに「少子化」しているから,「化」をとってもさしつかえないのではないかとおもう.まずは,地元就労圏内の学校における,上述の人数がどうなっているのか?を調べることからはじめたい.おそらく,全国どのエリアでも,おどろくほど数がいないことがわかるだろう.そう,まずは「おどろく」ことが重要なのだ.正しい現状認識が,すべての「企画」や「計画」の出発点になるからだ.

この「数字」は,子どもの数である.将来の労働力の「供給量」がわかる.すると,事業者側の「需要」はどうなのか?どのくらい「足らない」のかという問題になる.

誰にもコントロールできない「経済原則」がある.それは,「『需要』と『供給』によって価格が決まる」という原則だ.旺盛な需要に対して供給が極端にすくなければ,その「商品価格」は確実に「上昇」する.

労働者の「労働」も「商品」である.ふつう,労働の「質」によって「価格」がかわる.高学歴=高収入に見えたのも,労働の「質」が評価されていたからだ.しかし,圧倒的に供給量がなくなれば,まずは「数の確保」が優先される.そのうえで,「質」が問われるようになるだろうから,どちらにしても「賃金」は上昇することになる.

大学が倒産するという「先行指標」の陰で

このところ「大学」の話題が豊富だ.文科省の許認可権限の大きさが問題にならず,政治家との関係の方が重視されている.それでも,倒産する大学はこんご増加するのは確実である.

まだおおくの「親」が気づいていないが,高学歴=高収入という単純式の時代はおわった.「職人」という高収入の道があるのだ.これには,プログラマーも含まれるだろう.

2012年から,中学校の技術家庭科で,「プログラムによる計測・制御」が必修になっているし,数学において「統計」が全面実施されているのをご存じだろうか?その1年前,2011年から,小学校の算数で「統計」が教育されている.また,高校では2013年から「統計」教育がはじまった.わが国で,「統計」を教えるのは,なんと30年ぶりなのだ.

だから,先生もしらない.これで生徒たちは大丈夫なのか?とおもうが,この子たちはそろそろ20歳の「お年頃」になる.

プログラミングと統計をかじった人材が,あなたの会社にも入社してくる.

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