へんてこのミクス

「アベノミクス」といわれる経済政策が、いつからいわれたのかを問えば、すでに諸説あるから、現代における「歴史」にもなってきている。

もっとも古いのは、2006年の第一次安倍内閣だった。
けれども、いわゆる「流行語」としては、2012年暮れに発足した第二次安倍内閣における「インフレターゲット」、いわゆる「デフレからの脱却」としての「三本の矢」をもってつかわれて、2013年の流行語大賞にトップテン入りした。

明治以来の伝統だった政府と一体の中央銀行を、バブル後、政府からの独立をきめた改正日銀法があるのに、なんだかんだといいながら、日銀を脅かして政権のいうことをきかない白川総裁を事実上更迭し、ポチ的な元財務官を配置した強引さは、安倍政権の「力業」だった。

それで、就任時には、「3年もすれば2%のインフレを達成する」として、白川氏をのぞくそれまでの歴代総裁が実施した「金融緩和」を「異次元」という表現でやったみせたのが、日本企業の株式を日銀が買って、とうとう大株主になってしまったことだった。

アベノミクス初期のころ、大規模な金融緩和したからと、すぐに円がドルに対しておおきく安くなったようにみえた。
これをもって「すばらしい成果」とはやし立てたマスコミは、月次統計資料をみずに書いてしまった。

第二次安倍内閣の発足前に円安になっていたものを、どんな御用学者がいったのか、大誤報だった。
ギリシャ発のユーロ危機で円にやってきていた世界のマネーが、ユーロに回帰して円を売ったための円安で、アベノミクスとは関係ない。

そんなわけで、株高になったのもマネーの動きによるから、政府の経済政策はぜんぜん関係ないのだが、「効いた、効いた」とよろこんだのは、「株式」を持っている個人投資家たちへのサービスだった。

しかし、かんじんのデフレはいっこうにおさまらず、とうとう6年以上が経過して、黒田氏の目の下のクマは濃くなるばかりである。

そんななか、「年金のために」という理由で消費税が増税された。

このブログでも書いたが、まだ年金をもらっていない世代で、公的年金だけで老後が心配なくすごせて死ねると本気でかんがえているひとは本当にいるのだろうか?

もしいたら「重大な誤解」だから、ご親切に千万円単位で「足りない」と政府がいったら、こんどはちょっと前に政権にいた、いまは野党のひとたちが「詐欺だ」といいだした。

主語が政府だからややこしいが、自分たちも政府だったことを忘れてしまったようだ。
ところが、こんどはいまの政権のえらいひとが、そのレポートを「なかったことにした」から、えらく国民は絶句した。

こんな政権党ではダメだ、といって政権交代したけれど、もっとひどかったから、もとの政権にもどったが、やっぱりダメは変わっていない。

外国は電子決済で、あたりまえのように買い物ができるのに、日本は現金主義で「不便だ」と、一見先行されてしまったようにみえるから、なにがなんでも「先進国のふりをしたい」という、見栄っ張りの役人が、消費増税にかこつけて電子決済すれば割引になるという、信じられない「経済政策」をうちだした。

この原資が消費税なのだから、いまこの国でなにが起きているか?といえば、おどろくほどの「モラル・ハザード」である。

レジを通過した食品をどこで食べようが飲もうが、マナーをまもれば個人の自由なのは、購入者に所有権が移転しているからである。
しかし、購入前に「申告」したとおりにしないと、なんと善良な市民が「軽減税の詐欺師」よばわりされる国になったのだ。

絶対的な所有権にたいして、こんな不道徳なことがあるものか。
まったく、日本国政府は「不道徳」である。
消費の現場では、たいそうな「混乱」がおきているというのは、政府が作った混乱であって、市民のせいではない。

そんなわけで、日本経済の6割から7割をしめる「消費の場」で、電子決済の「割引」による「デフレ誘導」が、政府によっておこなわれている。

もはや意味不明の「へんてこのミクス」という、おそるべき場当たり主義になって、与党にも野党にも「筋」をとおす政治家が皆無になった。

世界の趨勢は、増税ではなく「減税」だ。
これによって「消費を刺激」すると、景気がよくなるからである。

日本政府は、政府の数字が最優先で、国民経済はどうでもいいと決め込んだにちがいない。

さいきん発表の大減税をはかるのは「インド」だ。
トランプ政権は、発足時に大減税を実施した。

あゝ、アメリカがうらやましい。

われわれは、世界最低の与野党の国に生きている。

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