ジム・ロジャーズの日本衰退論

投資家として有名人のジム・ロジャーズ氏が、30年後の日本が犯罪大国になるなどの貧困ぶりを予測したことが話題になっている。
きっかけは、東京オリンピック後の不況とのことである。

もちろん、彼は投資家だから、オリンピック景気については慎重で、むしろ否定的である。
たとえば、不動産投資については、対象の土地や建物の「収益性」がすべてであって、オリンピックというイベントは投資判断に影響をあたえないものだと論じているし、オリンピック開催国だからといって経済成長が約束される理由もない、と。
むしろ、ムダな公共投資負担による財政難が、経済成長の足かせになる、ともいっている。

わが国の大半が信じる、オリンピック神話について、真っ向から否定する発言なので、「反発」の反応が目立つのは、お隣と同様に自国を「ホルホルしたい」ということだろう。

もちろん、この前提に「日本は先進国である」という、すでに「幻想」となった感覚の残影がある。
あるいは、「最悪をかんがえない」「かんがえたくない」という、幼稚な発想しかできないことの証左だ。

すると、じつは「最善」もかんがえていないことがわかる。
つまり、現実にただ漂流しているのがわが国になってしまった。
すなわち「ひょっこり島々」になったのだ。

かつて放送された「ひょっこりひょうたん島」は、1964年4月から1969年4月までの5年間にわたった15分間の人形劇だ。
幼稚園前から小学校に入学しても続いていて、ある日学校でこの番組のことをはなしたら「まだそんな子供番組を観ているのか」と同級生たちから笑われたことを思いだす。

それはある意味正解で、物語としての「ストーリー」がまったく思いだせないほど、なんだかダラダラとしていた。
それが、同級生たちを飽きさせたのだろう。
まさに物語も「漂流」していたから、最終回がなんだったのか興味すらなくなっていた。

よくいわれる「鳥の目」と「虫の目」のはなしは、広く俯瞰するマクロ目線と細かく観察するミクロ目線の両方が必要だということにつかわれるものだが、「投資」もまったくおなじ目線がなければ、成功をくり返すことはできない。

日本だと「相場師」といわれてしまうのは、「鳥の目」の欠如が原因だろう。
株価の推移における、独特の感性が成功の原因だというなら、やはり「相場」という「虫の目」における視点だけが頼りだ。

「鳥の目」からよくいわれることに「カントリー・リスク」がある。
投資(予定・検討)先の国家についての考察である。
もっと広くなると、「世界経済」という視点から、各国のうごきを総合して考察しないと、「カントリー・リスク」も読めない。

幸か不幸か、すでに世界は「グローバル・ネットワーク」で結ばれてしまったから、一国だけの影響力は冷戦期とは比較にならないほどちいさくなってきている。
必然的に「連携」しているからである。

しかし、一方で、数百年ぶりの「地殻変動」ともいえる大きな変化が起きた。
それは、東アジア情勢である。
「眠れる大国」が眠りから覚めて、欲望をむき出しにしたのである。

このことは、戦後体制をつくったアメリカのシナリオにも、つくられた日本のシナリオにもない、あたらしい現象なのである。
そのあたらしい現象が、「新冷戦」といわれているのは、アメリカがあたらしいシナリオを書き始めたからだ。

対して、わが国は、いまだにこの激変のなかを「漂流」しているから、なんだか周辺が騒がしくなった程度にしか認識できていない。

よくいわれる「経営資源」とは、「ヒト」「もの」「カネ」だったものに、情報化で「情報」がくわわった。
しかし、絶対的な「時間」が、あんがい無視される不思議が日本の経営学の教科書にある。

百兆円規模の国家予算のうち、数千万程度の「無駄遣い」を延々と議論するのは、「ABC分析」の概念をもってしてもナンセンスだが、国会という場での「時間」が浪費されることを、だれも非難しない。

どうにも取り返しがつかないのは、世界中のひとびとに平等にあたえられた「時間」を、ムダな議論で浪費することだ。
これが、投資家ジム・ロジャーズ氏が、もっとも憂慮する、わが国へのメッセージではないのか?

覚醒した大国の急速な軍事力拡大に、半島の核、さらに友邦と信じた国による裏切りは、すでに「東京空襲のため」と明言して爆撃機と空中給油機を保持している。アメリカ製ではなく、ヨーロッパ製なのは、日本外交のみえない敗北だ。

みえるところでは、日本海の漁場(わが国EEZ)にこれら「敵対国」の漁船がやってきても、わが方は「放水」しかできない。
国内法整備が「ない」からである。

拿捕も撃沈もできないのは、「主権国家」の「主権」の「放棄」がそうさせる。
じつは、この「放棄」こそが「国際法違反」なのだ。
相手にわざと舐められるように仕向けることが、戦争を招くからである。

法の整備は国会の仕事だ。
わが国は、とっくに「自滅」していないか?

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