ドメインのおそろしさ

ネット世界に参加しようとしたら、取得しなければならないのが「ドメイン」である。
個人ならまだしも、企業の営業ツールとしてなら、もはや必須になっている。

ネットでのドメインはネットで取得する。
最初に取得するドメインなら、ふつうはオリジナルがほしい。
そこで、既存のドメインにかさならないものを「生成して」、自社のビジネスにつかう。

しかし、商標とおなじで、有名企業やらにまつわるドメインを、素早く生成して、これを売ろうという商売もある。
あんまり有名でないなら、これでちょうどいいドメインを購入することもあるが、ほんとうに有名企業なら、なかなか面倒なことに見舞われることもある。

今月は、「サークルKサンクス」の「本物」のドメインが「オークション」にでて、そのおどろきの落札価格が話題になった。

ことのはじまりは、サークルKサンクスがファミリーマートに経営統合したことによるのだろう。
それで、これまでつかっていた「サークルKサンクス」のドメインの使用期限がきても、使用料の更新がされなかった。

つまり、企業内における「経費削減」が、きっとネット担当者にも浸透していて、もうつかうことがない(とかんがんられる)古くなった「サークルKサンクス」が不要であるということと重なって、維持費がムダだと判断されて更新しなかったのだろう。

ところが、ネットの世界では、信用できるドメイン、という概念があって、それは、従来からの「実績」で評価されている。
評価するのは、検索エンジンと呼ばれるコンピューター・システムだ。
かんたんにいえば、「Google」のことである。

つまり、そのドメインが育ってきた(企業からすれば「育てた」)、リンク数や一般人からのアクセス数と、それにともなうネット上の販売実績とかが、「評価」されるのだ。
だから、たんにネット上の「住所」ということではない。

東京都千代田区千代田一番地は、皇居を指す。
それで、あんがいここを「本籍」にしているひとはおおいのだ。

これに似て、事業の発展とともにドメインも成長し、そのドメイン自体が信用をうみだす。

そんなわけで、ある日突然、リアル世界で経営統合されたとはいっても、そのドメインの評価が、検索エンジンというコンピューター・システムがつけた評価として無意味になることはない。むしろ、そのまま固定されて残るのだ。

このルールを、あろうことか、大企業たる組織人がしらなかった。

それで、使用者がいなくなったことをしった、ドメインの仲介・売買する会社が気がついて、これをすぐさま自社購入し、即座に自社が運営するインターネットでのドメイン・オークションに「出品」した。

容赦ない世界である。
このドメインの仲介・売買する会社とて、東証一部上場企業である。
「もしもし、お宅のドメインが、どういうわけか『使用権利者不在』になっていますよ」と、おしえてすぐさま買い戻すようにアドバイスしなかった。

しかし、こうした行為は、もはや「正義ではない」のだ。
どんな事情があったとしても、市場に「使用権利者不在」ででてくれば、それは善意の第三者からすれば、ただただ「使用権利者不在」という事実しか存在しない。

だから、本業として、このドメインの仲介会社が、オークションにかけて、なにがしかの利益をえることが、株主に対しての「正義」なのである。

けっきょく、オークション当初、気がつかなかっただろう当事者が、途中からこのオークションに参加したとおもわれるのは、そのやりとりを「オークション参加登録者ナンバー」から想像することができる。
途中から、特定の参加登録者が、不特定の参加者からの入札のたびに、かならず入札を繰り返しているのをみることができるからだ。

このだれもが「ファミリーマート」とおもう参加登録者のミッションは、やっぱりだれもが絶対に「買い戻す」とおもったはずである。
ただし、「ファミリーマート」の広報は、オークションに参加していない、と表明している。

なぜなら、「もうつかわないから」。

しかし、このドメインの価値は企業統合しようが、その企業のなかで保持することで発揮されるもので、第三者にわたることは、「悪意」を想定すれば、とんでもない企業価値の毀損原因になることまちがいない。

けっきょく、落札価格は、約6,000万300円だった。

ドメイン使用期限切れは、事前にあんがいしつこく警告される。
これを承知で手放した「担当者」が、当該企業内でどんなあつかいを受けているのかしらないが、組織としてかんがえれば、担当者「だけ」が責任を負うはなしではない。
ましてや、広報の否定とは?

ではいったい誰が落札したのか?
第三者なら、どんなつかいかたをかんがえているのか?

経済記者には、ちゃんとした続報を期待したい。

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