二院制を確保せよ

国会を「一院制」にすべきと主張する「保守」がいる。
その理由が、なぜかおカネのはなしだ。
議員ばかりか事務局にもおカネがかかって、それがムダだというのだ。
もったいない、というのである。

バカげている。
本末転倒どころか、なぜ「二院制」でなければならないか?なぜ一院制では「ダメ」なのか?という根本をわすれているから、ほんとうは「暴論」なのである。

これが暴論とおもえないくらいに、国民が劣化している。
まず、第一にそんな劣化した国民の立法府が「一院」だけだったら危ないではないか。
なにをされるかわからない。

人工的な社会主義国が、みな「一院制」だったのは、特定政党による独裁体制だったから、実質的にも名目的にも議会は必要なかった。シャンシャン大会で、手が腫れて痛くてもたくさん拍手しないと逮捕されたから、みな必死で拍手した。痛いのをガマンするから笑顔になったのだ。
けれども、そういう国にかぎって国名に「民主主義」とか「人民共和国」を入れていて、なんだか優しそうであった。

一方で、自由主義陣営と呼ばれる国のおおくが「二院制」なのは、民主主義の悪い面、つまり、国民に迎合するポピュリズムや、そのときの気分で大勝した与党の独裁をゆるさない、厳重さが重要だからである。
なぜなら、国会で決まってしまえば、国民全員がそれに従わなければならないからである。

だから難しいのは、国会がきめない、という選択も重要なのである。
しかし、一院制だと、多数があつまれば、決めないでほしいものも決まってしまう。
これを阻止するのは、もう一つの議会があってこそなのだ。

その典型が、わが国では地方議会で、どちらさまも一院制になっている。
そんなわけで、札幌でピエロが除名されてしまうのだ。
いまになって、おかしい、とか、厳しすぎるという意見があることを地元新聞が書いているけど、もう決まってからだからアリバイ記事にしかならない。

それに、市役所の元職員のはなしとして、ずいぶん職員がこの議員に怒鳴られたから、評判がわるかったとまで書いている。
市議会議員は市役所職員のために仕事をするひとではない。
その証拠に、地元から何度も当選しているのである。

こういうむちゃくちゃな新聞を、おカネを出して読まされる方が迷惑である。
札幌市民は、地元新聞の購読をやめた方がいい。
思い切ってやめたら、意外なほど困らないことに気がついて、お得感すらあるだろう。

そうしてムダな新聞社が潰れれば、有能な人材が世の中に供給されるから、北海道経済に有益である。
これが、資本主義のすぐれた効率性なのである。

しかし、わが国の二院制は、かつての自民党独裁時代に「参議院改革」と称した革命があって、「参議」であるはずの議員が、ただの政党人に入れ替わってしまった。
「良心の府」といわれた参議院が、たんなる衆議院のサブ・システムにおとしめられた。

元首相の長男が、国会改革に熱心だが、「参議院」を「参議」の「院」に戻すことがプライオリティのはじめになければならない。
「参議」とは、その道のプロのことだった。
その前は、貴族だったが、貴族には代々の「家」の専門があったから、いまよりも立派な人物がいたことだろう。

和歌の家、料理の家、楽器の家、花の家、お茶の家、学者の家、、、。
こうしたひとたちが「貴族院」の議員になって、衆議院の勝手を見張っていた。
これに、内閣を見張る枢密院まであったから、どうして決めごとはすべからく面倒なことになった。

そんなに「決めるのが」大変なのに、戦争をやるのは決まった。ところが、どうやるのかを即座に「決める方法」を用意しなかった。
それで、開戦してからあわてた東条英機が、内閣総理大臣兼陸軍大臣兼参謀総長兼と、どんどん兼務しないと、決まらない。
戦争だから、即決がひつようなのだ。

これをもって「独裁者」といわれるのは、さぞかし本人には不満だろう。

明治憲法は、内閣総理大臣の権限を記述していないから、内閣総理大臣と国務大臣は「同格」だった。いまのように総理に「任命権」もなければ「罷免権」もない。だから、やたらに総辞職するしかない。

衆議院と貴族院も同格だった。いまのように衆議院優先というルールもない。両院で可決されなければ即座に廃案になる。議案を提出した内閣は、廃案の責任を枢密院から叱られて、天皇側近の内大臣のひとことで、おしまいだった。

貴族がいなくなったから、選挙がない貴族院を復活できない。
ならば、上院と下院のごとく、参議院の参議をどう選ぶのか?智恵のしぼりどころである。
年収高額者トップ100人でもいいくらいだが、貧乏人のやっかみを利用して反対する輩もいるだろう。

下院は「私」が主張される府で、上院は「公」が主張される府としたい。
こういう二院制をもちたいものだが、そうもいかないのが、この国の民主制がおかしいからだ。

もうすぐ参議院議員選挙。
つなげるとわからなくなるから、上院の「参議」を選ぶのだと、こころにしまっておきたいものだ。

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