共産党がただしいということ

みじかいニュースではあるが、共産党の志位委員長が14日、茂木外務大臣の参議院外交防衛委員会での答弁にかんして、ツイッターでのするどい批判をしたという。
外務大臣への質問と答弁は以下のとおり。

香港情勢に関する外務省としての情報発信の在り方について、佐藤正久参院議員(自民党)から質問を受けた。
茂木氏は「昨今の香港情勢につきまして、デモ隊と警察の衝突が長期化し、エスカレーションしています。多数の負傷者が出ていることを大変憂慮しております。時勢と平和的な話し合いを通じた解決を関係者に求めるとともに、事態が早期収拾され、香港の安定が保たれることを強く期待しております」

さらに、
「おそらく日本のハイレベルが、この問題に対して、たとえば香港であったり、デモ隊であったり、香港政府、中国、どちらかに偏った発言をすると、平和的な解決に向けて本当にプラスになるのだろうか。こういったことを考えながら対応する必要があると思っていますが、その上で我が国として、一国二制度のもと自由で開かれた香港が繁栄していくことが重要だと考えています。この旨は今月4日に実施された李克強国務院総理と安倍総理の日中首脳会談、さらにご指摘いただいたような6月のG20大阪サミット、さまざまな機会、レベルをとらえて中国側に伝達してきております」

というコンニャクのような答弁をした。
「冴え」も「切れ」もない「他人事」である。
「おそらく日本のハイレベルが」とは誰なのか?
経団連か?

これに、あの「共産党の志位委員長」が、
「今日の参院外交防衛委員会の質疑で、茂木外相は、香港問題への対応を問われ、『抗議デモ、香港政府、中国政府のいずれかに偏った発信はプラスにならない』と答弁した。人権侵害に対して抗議しないという表明にほかならない。こんなだらしのない態度でいいのか。言うべきことをきちんと言うべきです」

じつに歯切れがよい。
とうとう共産党が、安倍内閣の「左翼性」を暴露したのである。
さらに、めったにいかない共産党のHPではあるが、14日付けで「香港での弾圧の即時中止を求める」という声明を発表している。

以前にも、共産党がまともにみえると書いた。

アンチテーゼのベンチマークとしての存在が重要だったむかし、勉強ができすぎて頭の回転がズレてしまったひとたちの集団、の典型が共産党だったから、かれらの主張にまっこう反対の与党の「正しさ」がわかったものだ。

すると、共産党の主張が大ヒントになって、とにかくその正反対が正しいのだとおしえてくれる、社会のアンチ「灯台」のようだった。
こういう組織に、給料のおおくをささげるひとたちがたくさんいて、機関紙をひとりで何部も購入し、豊富な活動資金としていた。

ところが、とうとう機関紙の購入者が減ってきたのは、活きのよかった団塊世代が引退して、年金生活になってみたら、新聞も購読する生活費に困窮したのだろうか?
くわしくはしるところではないが、財界資金に依存する政権与党より豊富な資金力がかつてあったことが、いまはむかしになったことはまちがいない。

不思議なもので、ここに一般的経済原則(マルクスのそれではない)「需要と供給」がはたらいて、これまでとはちがうマーケット分野の開拓をしないと、倒産してしまうことに気がつくものである。

もちろん、気がつかないで従来どおりをつづけるからほんとうに倒産するのである。
あるいは、気がついても別の方法がわからないので、資金切れと時間切れが同時にやってきて倒産する。

この意味で、この「党」の本来の優秀性が発揮されたのか?
まさに、これまでとはちがう、という選択をしたのだろう。
それが、上述したように、選択せざるをえない、ということであったとしても、支持者と資金の確保という経済学(マルクスのそれではない)にしたがわざるをえないところが、新鮮なのである。

はたして、共産党が資本主義の洗礼をうけて、「資本主義政党」になれるのか?
ふつうはなれるはずもないのだが、もはや「ふつうではない」から、「もしや?」と期待したくなる。

わが国で唯一の「資本主義政党」が、とうとううまれるかもしれない。

委員長の指摘がするどいのは、カネより重要な価値がある、と直言したことである。
まさに、資本主義をささえる基盤の「自由の価値」のことである。

あちらにある同じ名前の党を、どうやら「社会帝国主義」と定義して、党名はおなじでも、中身がちがうということをいいたいにちがいない。
なるほど、そういえばこちらの書記長が「どんな党名がいいでしょう?」という発言をしたらしいから、共産党から「共産」が抜けてもいいというほどの大胆さだ。

経営再建にあたっての「ブランド戦略」的には、非の打ち所がない。
これも経済原則(マルクスのそれではない)にしたがっている。

一方の、財界からお金をもらっている政党は、財界が社会主義化してしまっているから、どうにもこうにもならないことになっている。
何度も書くが、わが国の「自由民主党」という政党は、とっくに社会主義政党になっていて、確固たる社会主義政策に邁進しているのだ。

アメリカの民主党も、中国の政権政党も、自民党モデルをベンチマークしているはずだ。アメリカ大統領選挙における民主党候補者の社会主義性は、自民党の主張と比較すれば、まだまだ「甘い」のである。
日本における左翼陣営の衰退は、自民党が左翼だから論点がボケて、モリカケをはじめに観桜会まで、批判の矛先がないための現象だ。

わが国には、アメリカ共和党、あるいは英国保守党にあたる政党がない。
これが、わが国衰退の原因、官僚社会主義の成立理由になっている。

昨年自裁した西部邁氏は、全共闘の指導者から「保守」に転向したものの、わが国「保守業界」の腰抜けに絶望していた。
その西部氏がいきていたら、資本主義をしりつくした共産党こそ、ただしき純粋資本主義を貫くのだという希望に目を輝かせたかもしれない。

長生きはしてみるものだ。

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