東海道新幹線のリアル英語放送

車掌さんによる案内放送だけでも、世界的にはめずらしい。
さいきんではヨーロッパでも、新型車両の特急だと車内放送があるが、旧型の客車だと特急でも「無言」がふつうだから、日本からの団体ツアーで新型に乗るだけだと、日本とのちがいをあまり感じないかもしれない。

いや、むしろポーランド国鉄の新型車両の特急は、各席に電源があるし、車内販売での飲み物が一乗車につき一杯だけソフトドリンクが無料で提供されるので、電源が窓側にしかない日本の新幹線よりも便利で、かつサービスだってわるくない。

もちろん、運賃の安さは、日本とくらべれば比較にならないほど安いので、うれしいかぎりだ。
片道2,000円も出せば、3時間程度の鉄道旅行ができる。
そうかんがえると、日本の新幹線の料金は、暴力的に高価である。

東京-京都の片道正規料金は、「のぞみ」指定席で14,000円ほどだ。なので、一家4人で往復すると、112,000もする。
LCCの国際線なら、一家でソウル往復がおなじ料金で可能だ。
もちろん、割引チケットもあるし、外国人なら特別パスもあるけれど。

そんな新幹線で、ちょうど昨年12月から、車掌さんの肉声による英語放送がはじまっている。

こんなことが「ニュース」になるのが「日本」だ。
従来からの、録音も併用して放送している。
車両端通路ドアの上には電光掲示板があって、こちらもバイリンガルだから、外国人がこまることはすくないだろう。

いま、駅は多言語対応になっていて、日本語、英語(アルファベット)、中国語、ハングルの4カ国語を目にするようになった。
動かない「看板」ならいいが、電光式だと中国語とハングルの時間分が、なにを示しているか表記がわからなくなる。

それに、構内の音声放送でも、中国語とハングルの時間分、なにをいっているのか見当がつかないのは電光式とおなじである。
「国際的」だということなのだろうが、はたしてここまでする必要があるのか?と、あえて苦言を呈したいのは、なにも中国語とハングルをディスるわけではなく、英語だけではダメなのかといいたいのだ。

もし、日本がほんとうに「国際的」になったのなら、ぜんぶ日本語で通す、というほどの「根性」があってもよさそうだが、フランスのシャルル・ド・ゴール空港でも英語放送をするくらいだから、「英語だけ」でなにがいけないのか?

これは、逆に、日本人の自信のなさ、を表現していないか?

その意味で、世界に冠たる「東海道新幹線」が、基本的に日本語と英語だけに絞っているのは「なかなかの根性」なのだと好感評価できるのだ。

けれども、やっぱり鉄道会社の「幹部」が鉄道の旅をしていない、とおもうのは、「ここぞ」というタイミングでの案内がないからだ。

たとえば、通過駅の表示、長いトンネルや鉄橋の表示がないのである。
通過駅の表示が、日本語だけなのはなぜか?

しらない国で、いまどこを走行しているのかをしるためのランドマーク的設備ぐらい、英語で電光掲示してもバチはあたらない。
それに、新聞各社が提供している「ニュース」だって、どうして英語版がないのか?話題がローカルすぎるからだろうか?

車内販売の案内放送も、日本語だけの不思議がある。
外国人観光客向けの「車内限定品」があったら、買いたくなるし、その体験が「観光」を形成するのである。

前に山陽新幹線の観光放送を書いた。
新大阪から西は、運行がJR西日本に交替する。
グリーン車だと、まずお手拭きが配付されて、ゴミの回収にも巡回してくれる。

だから、山陽新幹線から東海道新幹線になると、サービスのちがい、が歴然とする。
「会社」による「標準サービス」が、おなじ車両に乗っているだけで体験できるのは、あたかもヨーロッパ的だ。

IC(インター・シティ)特急は、国境をこえて主要都市を結ぶけれど、大陸内なら、いまはパスポートをみせるだけでほぼすむ。
ブレグジットのイギリスと大陸をむすぶ「ユーロスター」は、乗車時にパスポート・コントロールがあるから、これには時間の余裕が必要だ。

この意味で、東海道新幹線と山陽新幹線、それに九州新幹線は、全区間を乗車しようとすれば、「国境」ならぬ「会社がちがう」ということになって、国内なのに会社ごとのサービスがことなるという、世にも珍しい体験ができるようになっている。

東海道新幹線のリアル英語放送は、その中のひとつなのである。

それにしても、北海道会社と四国会社とをつくったのは、いまさらながらにどうするのか?が気になる。

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