『宇宙戦艦ヤマト』とトリチウム水

先日の15日に、「世界史に残る4月13日」というテーマで書いたことの続きである。
17日、『ビデオニュース・ドットコム』の番組紹介として、「トリチウムの人体への影響を軽くみてはならない」と題した内容がアップされている。

「番組紹介」ではあるけれど、46分にわたる内容はわかりやすい説明になっていて、問題の本質に迫っている。
この『ビデオニュース・ドットコム』は、「3.11」の直後からよく観ていたネットニュース解説である。

既存メディアの「偏向報道」には、さまざまな理由がかんがえられることは、やはり先般の、「コロナの次は気候である」で書いた。
わが国のばあいは、つけ加えると、「大手企業からのCM出稿」もある。
常連の広告主の事業を批判することは、「しない」からだ。

この間隙を突いたのが、会員制有料システムをとるネット上のニュース解説だ。
おなじく会員制有料システムのNHKが、まったく「公平」でも「公正」でもなくなったのは、国民の不幸としかいえない。

ゆえに、わたしの個人的意見としては、NHK改革ではなくて、雲散霧消させる解体が望ましいとかんがえている。
これには、教育テレビもふくむのは、その内容の偏りが、やっぱり視聴者たる子どもたちにも有害だからである。

さらに、解体することで、はじめて子会社企業群の実態もみえてくるはずだから、かつての「財閥解体」に酷似したことにもなるだろう。
NHKはBS放送のチャンネルを縮小すると計画しているけれど、ならばついでに民放をふくめた地上波の縮小も検討すべきだ。

もちろん、これは、総務省(旧郵政省)の縮小もともなうことはいうまでもない。
渋谷の放送センターの解体工事のスケジュールにあわせて機構の解体も実施することが、もっとも合理的である。

さて、「トリチウム水」とはいうけれど、原発由来のこの水には「他の核種」も多数ふくまれているから、単体の「トリチウム水」ということも正しくなく、誤解をまねく。
それに、これまで10年間、タンクに溜めこんだあげく、1200個もタンクをつくったのは、「そのままでは流せない」とかんがえたからである。

だから、「汚染水」とはいわずに「処理水」といえ、という主張は、おそろしく不毛で意味がないばかりか「悪質」である。
そのままでは海に流せないものを、海水で薄めたら流せるというなら、なんでも流せる。

元の量がぜんぶ放出されれば、結果的におなじだ。
しかも、政府の希釈計画では、今まで溜めこんだ量をぜんぶ流すのに、40年かかる。
トリチウムの半減期は、およそ12年だから、最後のタンクは、現在の8分の1レベルになっている。

「他の核種」が問題だから、と容易に推測できるのだ。

ところが、こうした水がどんどん出てくるのは、メルトダウンでむき出しになった核燃料を冷却するためにかける水が1日120トン必要だからということもある。
すると、これだけでも「ほぼ永遠」に水をかけ続けないといけない。

ほぼ永遠というのは、わが国の建国の歴史が、批判ある神代を含めても2600年あまりしかなく、これでは、壊れた「炉」にある、プルトニウムの半減期24000年の1割にしかならないからである。
基準値の8倍で基準値以下をめざすなら、10万年かかるはなしなのだ。

わたしたちは、10万年単位という人類誕生の歴史(3万年)の3倍以上の未来まで、水をかけ続けないといけないことをしでかしたのである。

ふり返れば、「怪しい専門家」というのはむかしからいたけれど、国民の多数が「怪しい」とおもえるだけの教養があったから、なかなか騙せなかったし、国民も騙されなかった。

しかし、いまでは、トンデモ本になっているレイチェル・カーソン『沈黙の春』(1962年)につづいて、70年代に、ローマ・クラブのドネラ・H・メドウズが書いた『成長の限界—ローマ・クラブ人類の危機レポート』(ダイヤモンド社、1972年)は、知識の分化と深化にみせかけて、人びとを「信じ込ませ」、人びとも「信じた」ことから、以来、おかしなことになった。

科学とエセ科学の区別がつきにくくなったのだ。
その意味でも、いまの中学生・高校生への正しい科学(理科)教育は、これまで以上に本人たちの一生に影響をあたえることになっている。

水素の原子量は、約1で、酸素の原子量は、約16。
だから、ふつう水の原子量は、H(水素):2、O(酸素):1だから、(1+1)+16で約18になる。
トリチウム水とは、「トリ」が3を意味するので、(3+3)+16で、この水の原子量は、約22となる。

かんたんにいえば、ふつうの水より「重い」のだ。
なので、分離できる。「沸点」も「融点」もことなるからだ。
「水から水は分離できない」という説は、うそである。
こうした説を垂れ流す害悪は、詐欺同然だから、学位があるなら学会は剥奪し、追放すべきだ。

『宇宙戦艦ヤマト』は、そもそも放射能汚染されて地上に住めなくなった人類が、「イスカンダル」という星にある、「放射能除去装置」をとりにいくために、人類の夢と希望を集結した物語だった。

1200個のタンクに貯蔵した水の、トリチウム総量は、なんとたったの「20g」なのだ。

わが国が、イスカンダルになるチャンスを放棄する決定が、「薄めて流す」ことなのである。
他国がやっているからいい、という理由は、万年単位で向き合わないといけない日本人には関係ない。

ちなみに、イスカンダルとは、アラビア語で「アレキサンダー大王」のことをいう。
各地で大王ゆかりの地名となった、「アレキサンドリア」は、「イスカンダリーア」というのである。

「ニッポン=イスカンダル計画」の実行が、未来をすくうのだ。

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