エアコンがこわれた

「1998年製」だから、とっくに寿命だったろう。
21年目シーズンにしてうごかなくなった。
しかし、梅雨明け猛暑がはじまったばかりのタイミングなので、新規に注文しても設置工事までガマンを強いられる。

寝室のエアコンでなかったのは唯一の幸いである。
へたをすれば命にかかわるかもしれない。

それにしても、真夏にエアコンを購入する他人を、なんとなく冷たい目でみていたじぶんがいた。
わざわざピーク時に購入することもなかろうに、と。

けれども、暑くなってからしか運転しないから、動かない、と気づくのは「真夏のピーク時」になるのだ。
春先に試運転すればいいかもしれないとおもったが、あとの祭りである。

昨年までちゃんと動いていて、それから放置しているのだから、昨年のままのコンディションだという決めつけは、やっぱり無理がある。

そんなわけで、久しぶりに家電売り場にいった。
テレビ通販の大手がすごいのはなにか?にも気づかされたから、あながちムダにこわれたのではないと、ショックをやわらげるようにした。

エアコンを買い換える。
このとき、新しい機種選びはちょっとだけ楽しい気分になる。
しかし、表示されている価格は税抜きだし、「さらにお安く」とあるから、目星をつけたら店員をよぶしかない。

じっさいの価格を聞くが、送料および設置費用込みのばあいと別の機種では抜きのばあいがあるし、追加部品代込みの機種と別の機種があり、さらに既存の取外し費用込みの機種と別の機種がある。
共通なのは、廃棄にかかわるリサイクル費用だけだ。

ややこしい。

いわゆる家電リサイクル法は、正式には「特定家庭用機器再商品化法」といい、平成10年に施行された。
消費者目線だと、それまでは電気屋さん、じっさいは廃棄物業者が無料で引き取ってくれていたのに、おカネをはらわないといけなくなった。

自治体指定の特定業者の専任制度となったがゆえの、利権が生まれて、その負担を国民に強いる構造になっているから、地球環境うんぬんとは無関係だ。
「リサイクル」という余計なコストがかかることをほんとうにやっているのか?その結果報告が国民にない、やりっぱなし法である。

街をはしる「無料回収」をいうひとたちは、こわれた機器を輸出して、修理し、これを販売する、あるいは分解して今度の東京オリンピックのメダル製作のように貴金属類などを取り出して販売するという仕組みの最先端である。

「法」によれば「違法」だが、かれらの活動の方がよほど「リサイクル」の実績をあげているのは、「民間事業」だからである。
ただし、自治体指定業者であるはずがないから、貴金属類を得たあとのガラクタを国内で棄てるには不法投棄するしかない。

いわば、不法投棄を促進する法律になっている。
こういう法律をつくれる感性は、特定業者・業界優先の経産省と、環境問題に無関心の環境省というところの役人の特性になってひさしいが、これを制御するはずの政治家が皆無というのは、残念だが国民の責任である。

エアコンそのものの能力である容量(Kw)表示も、ぱっと見「畳数」なのは以前からだが、この表示も消費エネルギーと仕事効率という視点からすれば、素人にはわかりにくい。
単純に木造と鉄筋コンクリートという建物構造だけで「畳数」をみてはいけないからだ。

断熱構造かそうでないかが問題になる。
さいきんの住宅では、断熱性能の基準がさだめられたから、ちゃんとしたお店のひとにきけば、新築ならただしい容量をすぐにおしえてくれるはずである。

わたしは、1998年当時、ホテルの施設部の空調専門家にきいて、自室に適合する容量(Kw)の機種を購入した。
それが功を奏して、20年間ものあいだ一度も故障なく作動してくれたのだとおもう。
なので、今回もおなじ容量の機種にさだめた。

たまたま売り場にいたご夫婦は、ずいぶんと容量のおおきな機種のコーナーにいた。
ほんとうの「畳数」でみているにちがいない。
ならば、相当に「過大容量」になるはずだ。

店員がもっと少ない容量の機種がならぶコーナーに誘導していたから、この店は信用できる。
エアコン選びの最大ポイントは「Kw」という単位が重要なのである。

テレビ通販の大手に感心するのは、買い換えをちゃんと心得た「下取り」とか、運送費、取り外し費、設置料、部品代それと廃棄費用が流れるような説明になっていることである。

よくよく比較すると割高かもしれないけれど、よくよく比較する手間は面倒だし、それで万円単位でちがいがでるのか?といえばそうでもない。
こうした説明の構成をつくるには、そうとうの事前準備がいるだろう。
実店舗でのメーカーごと、機種ごとの付帯料金のちがいがつくる「ややこしさ」をテレビ通販はクリアにしている。

けっきょく、もろもろの付帯料金が込みという機種(お掃除機能つき)にしたのが売り手の術中にはまった感たっぷりだけど、まぁこんなものだろう。
どうかんがえてもこわれたものより性能がよく、なおかつむかしの記憶にのこる購入価格よりずっとやすい。

家電メーカーが儲からないということがよくわかるひさしぶりの買いものだった。

最後に店員から「消費税増税前でよかったですね」と声をかけられた。

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