ピエロの除名で一件落着

札幌市議会の臨時議長をつとめた長老議員のはなしである。
このたび、議会を除名されることになったという。

香港人の意識の高さをおもうと、なんともわが国の意識の低さが気になる。
札幌市民は、ほんとうにこれでよいのか?

すくなくても、このひとが「除名」されるのは、「議会」であるから、なんのための「選挙」だったのかが直接問われる。
いったいどんな「罪」を犯したのか?

議長席に9時間ほど居座っただけである。しかも、法律の定めによって「臨時議長」に指名されてのことだった。
居座ったのが、選挙後の議長をきめるにあたっての方法で、裏できまっているひとを無記名投票できめるという慣例にしたがわず、立候補せよといったことだけが紛糾の原因だったのだ。

つまり、刑事罰で有罪をくらった、ということでもなく、「議会の慣例を破った」の一点で、除名処分はありなのか?ということなのだ。
除名処分は当然だ、というなら、議会の慣例が優先順位トップにあって、議員資格より重いということを支持するのと同じ意味になる。

そんなに大事な「慣例」なのか?

かつて、ヨーロッパの大国だったポーランドは、議会の慣例(重要案件は全会一致)によって、まさに「小田原評定」できまらない。
あーでもないこーでもないと、議員たちが勝手な主張をしているうちに、周辺の軍事列強国によって、なんと国家が「分割」されてしまった。

つまり、地図からポーランドという「国が消滅」したのである。

第一次世界大戦後、ふたたび国として復活するが、その後はドイツに蹂躙され、ソ連の衛星国になって、自主独立したのは1989年のことである。

もちろん、ポーランドの例は札幌市の参考にならないかもしれない。
しかし、議会が死ぬとどうなるか?という点では、あまりかわらない。
つまり、住人にとっていいことはなくなるからだ。

自由に対して敏感なひとたちなら、こうした議会のなかでの談合による「横暴」はゆるさない。
けれども、国会がその体たらくだから、札幌市民の感覚からしたら、どーでもいいことになっているのだろう。

つまり、この国は「やばい」のだ。

そのやばさが、札幌市議会という場所で露呈しただけである。

対象となった議員が、その後「土下座」して謝罪したから、はなしが卑しくなった。
なぜ「議長」選出にあたって、「立候補」せよとしたのかの思想がすっ飛んでしまったからだ。

驚くべきは、神奈川県の鎌倉市である。
こちらは、市議会の議長を「くじ引き」で確定している。
しかし、経緯としては、立候補した議員が複数いて、まったくの同数票だったために「くじ引き」になったのだという。

だったら、市議会議員もくじ引きで選べばよいのではないか?
住民台帳をつかってくじ引きにすれば、いやがおうにも市政に参加せざるをえないから、当たったらたいへんである。
市民ならだれでも当たる可能性があれば、すこしは、自分に関係あるとおもえるから、くじ引きだって地方自治には効果がある。

そうすれば、神奈川県の海老名市のように、今年九月から家庭ゴミも有料化するという暴挙の防止もできただろう。
これで、どのくらいのひとが海老名市から転出するのかしらないが、定年後、地方へ「移住」したいなら、こうした自治体に転入するのはリスクがある。

見えない制度と見える制度があって、移住してからの住民間のトラブルは、そうじて見えない制度(しきたりや風習)が原因にあげられるけれど、海老名の事例は見える制度として移住先にふさわしくないと教えてくれるから、その意味だけわかりやすい。

ただし、議会の慣例は、完全に見えない制度にあたるから、きわめて悪質なのである。
そんなわけで、札幌市にも移住してはならないということが全国にしれたのは、ピエロになった議員の唯一の功績ではある。

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