マスクでなく科学で感染をふせぐ

三回目の検討で、やっとこさWHOも緊急事態だと発表したニュースの意味は、「緊急事態」だということではなくて、「どうして決められなかったのか?」ということの「理由」のほうになっている。
圧力をかけたのは、発生源の国なのか?それともIOCなのか?いまは、だれにもわからないけど。
WHOとて、やたら「政治的」なのである。

戦勝国の「連合」である「国際連合」とか、その専門部会の「国際」や「世界」がつく、たくさんの組織を、敗戦国ゆえか、やたらとありがたがるのはやめたほうがいいというメッセージでもある。
人類の「保健衛生」のためにあるはずの「世界保健機関」にして、このざまである。

しかし、そんなことにお構いなしなのはウィルスのほうで、こちらは「宿主がいれば増殖する」という法則だけに支配されている。
生物である「細菌」とちがって、ウィルスは「生物とはいえない」から、化学反応という原理だけがよりどころなのである。

これに、安逸の誉れがたかいわがマスコミは、「専門家」というひとを連れ出してきて、感染予防のコメントを吐かせるが、はたして科学の知見に基づいているか?とか、予防実績はあるか?というはなしを無視して情報をたれ流すことがある。

やっぱり油断できないのは、この国には「ジャーナリズム」がないので「ジャーナリスト」がいないからである。
わが国でいうジャーナリストとは、「活動家」のことを指す。

そんなわけで、ジャーナリストが「いる」アメリカに目をむけると、世界最高峰の「賞」といわれる「ピューリッツァー賞」の受賞者でもある女性科学ジャーナリスト、ローリー・ギャレット氏の記事がある。

彼女は、カルフォルニア大学サンタクルーズ校で生物学を、バークレー校大学院で細菌免疫学を、そしてスタンフォード大学大学院に学ぶが、博士号の学位は取得していない。それは、在学中、ラジオでの科学ニュース番組のレポーターがおもしろくなって、ジャーナリズムへの道に向かわせたからだった。

1996年、「解説報道部門」においてピューリッツァー賞を受賞し、SARS、新型インフルエンザ、結核、マラリア、エイズなどに取り組み、いまは、アメリカ外交評議会で「グローバル・ヘルス・プログラム・シニア・フェロー」として活躍中である。

さて、このような経歴から、感染症における「現場取材」での、みずからの感染防止策を知らしめる記事を書いているのである。
かんたんにいえば、彼女のながい取材経験で、一度も感染したことがない「理由と方法」である。

それは、徹底した科学知見による予防策の実施なのだ。
今回の新型ウィルスにたいする予防策として、きわめて重要な方法でもあろう。

感染防御のための危険箇所の認識として、第一に「目」、第二は「口」だから、ひろく「顔」を汚染させないことだ。
その原因は、圧倒的に「手」によってなでることにある。
つまり、汚染されたじぶんの「手」で、目をこすったり口のまわりを触ることが、もっとも「危険」だと指摘している。

それで、手を汚染させないために、「手袋の使用」と「手の消毒」が、もっとも「効果的」だという。
手指消毒剤と石鹸による「手洗い」の徹底。
使用したハンカチやタオルのこまめな交換と洗濯。

日本人が大好きな「マスク」は、ほとんど役に立たないばかりか、長時間の着用はかえって「危険」だから、どうしてもマスクをしたいなら、短時間での廃棄と交換が肝要である。
マスクの効果は、「口」を触りにくくする程度でしかない。

ただし、他人との距離は50㎝以上をたもつことが重要であるから、満員電車などを利用して他人と近接するなら、そのとき「だけ」マスクをつかうのは推奨される。けれども、マスクをはずすときの「手」にウィルスが付着しているとかえって危険だから、手洗い後にマスクをはずすことで、その後もう一度手洗いが必要である。

公衆の場における危険は、不特定多数の手が「触った場所」になる。
・階段やエスカレーターの「てすり」
・エレベーターの「ボタン」
・電車やバスの「つり革」や「てすり」
・おカネやレシートの授受
・トイレのドアや水道のコック、あるいは個室

つまるところ、なにかに触ったら、消毒剤をつかう、あるいは石鹸で手を洗うことが、なによりも重要なのだ。
手洗いには、かならず石鹸をつかう。
特別な石鹸ではなく、ごく普通の石鹸でよいのは、石鹸の界面活性効果で蛋白質でできているウィルスの外殻を破壊するからである。
生物でないウィルスは、これで「死ぬ」のではなく、増殖のための方法を完全にうしなうのである。

すると、宿泊施設などでの取り組みは、
エコだからタオルを交換しない、のではなくて、どんどん交換して洗濯することをアピールしたり、ロビー階だけでなく、各階のエレベーター・ホールに手指消毒剤を設置して、ボタンに触れた手の消毒をさせるように仕向けることである。

従業員にも手洗いを「強制」させることが重要で、「励行」という通常モードではいけない。もちろん、マスク着用は意味がない。
たとえば、お客様のカバンを持ったら、かならず手洗いをするように強制しなければならない。

残念だが、洗面所にある「エアー・タオル」は、ウィルスを風でまき散らす効果があるから、ペーパー・タオルを使わせることが安全になる。

「エコ」では、ウィルス対策にならないことを、利用客に知らしめることも、じつは重要な啓蒙活動なのである。

巷間、ドラッグストアからマスクの欠品があいついでいるが、科学を信じない原始人があんがいおおいことを示している。
接客業でマスク着用を義務づける企業があるというのも、経営者が原始人だと表明するにひとしいから、外国人知識人がおおく利用する高級施設ほど注意したい。

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