資源エネルギー庁によると、20日以降のガソリン補助金の支給単価は、「26.0円/L」となっていて、17日時点での同庁の調べによる全国平均価格は「169.8円」だから、ほんとうのガソリン価格は、本稿タイトルの金額となる。
そこで、いつまで補助金の原資たる「予算=基金」がまかなえるのか?となるのだが、当初1兆2000億円あったものが、いまはザッと2000億円しかないのである。
つまり、9月以降はどうなるのか?は不明のままなのである。
そんななか、25日、高市首相は補助金政策の延長で、全国平均単価「170円/L」維持を表明した。
一応に、ガソリン価格高騰の原因は、トランプ政権2.0によるイラン=ホルムズ海峡封鎖問題だと信じるように仕向けられているが、ほんとうか?
物価にはさまざまな要因が関与するので、一概に特定の原因だけで説明をするのは乱暴だけれど、中間選挙を控えたアメリカの政治日程からしたら、原油価格の高騰はアメリカでも「痛い」はずなのである。
当事者のイランでは、通貨リアルが暴落している、と書いた。
さてそれで、国からの補助金があるために、ガソリン価格は一般人には「表示価格」をみて、過去との比較をするしかない。
これはこれで、「価格=価値情報」とすれば、政府が補助金をもって価格介入することは、経済学的には「歪む」典型例となっている。
そおの原資たる「基金」への注入とは、税収か国債それに業界からの「みかじめ料収入」によっているとかんがえると、まったく蛸が自分の足を食べて飢えを凌ぐようなものなのである。
なんだかんだと、最終的には国民が全額負担しているからである。
むろん、自家用車を持っていない個人も、さまざまな商品の流通過程におけるエネルギー負担を強いられていることも含む。
では、ガソリンなどの補助金がなくなればどうなるのか?
とうぜんに、あらゆる物価上昇となって国民の生活は苦しくなるはずである。
しかし、少しだけメリットもある。
政府や企業活動への国民の関心が、いまよりもずっと高く、厳しくなることが予想されるからである。
つまり、そんな状態になってほしくない政府が、補助金をつかって(元はぜんぶ国民負担である)、あたかもマイルドな状態にしている、ともいえる。
これは、広義の詐欺である。
江戸幕府は、独り勝ちした徳川本家が、ザッと400万石の領地(直轄地)と秀吉に重要都市や金山などの「蔵入地」をもつ、絶対的な圧倒で諸侯を支配したが、早くも8代吉宗の時代には破たんの危機を迎えて、以来、ずっと綱渡りの財政運営をしなければならなくなった。
幕府の金蔵から、カネが市中に流出したとは、徳川家が自腹を切っていた、ということだ。
しかして、明治政府から現代まで、為政者が自腹を切ることはしない、と決めた貧乏人の国家体制なのである。
よって、自腹を切っても痛くないほどの富豪たるトランプ氏の登場は、まったく価値逆転の『富豪刑事』が現実にあらわれたごとくあのである。
この意味で、トランプ政権2.0が「連邦所得税廃止」をいいだしたのは、たとえ公約であれ、世界の貧乏人指導者を震撼させていることだろう。
この本当の目的は、カネのない政府を実現することで、政府が経済活動に介入する原資を断つことにある。
さすれば、一般国民はより一層、政府活動の監視に興味を示すからで、補助金漬け脳にさせられた社会主義を排除しようという魂胆なのだろう。
個人的にガソリン200円は「痛い」が、大勢で政府を監視できるできるなら、あんがいと安いことかもしれないのである。

