訴えられない『高市早苗という病』

前にすこし触れた、いま話題の適菜収著『高市早苗という病』についてである。

これだけ現職の首相・衆議院議員をディスっても、名誉毀損で訴えられないのは、周到に著者が「原典」を収集し、これをネタにしていることによるからだろう。
出版社も、原稿内容をよく法的チェックしたとおもわれる。

子供には、嘘つきは泥棒の始まり、と教えたものだが、人生を嘘からスタートすると、後にとうとう辻褄があわなくなって、破たんするか本当に泥棒になってしまうものである。

この本を読み始めると、すぐに顔が浮かんだのは、石井妙子著『女帝 小池百合子』の表紙であった。
まさに、似たもの同士、である。
そして、石井妙子氏も訴えられてはいない。

アメリカでは、イルハン・オマル連邦下院議員の捜査がすすんでいるが、法律の専門家は、なぜにオマルは最初に捜査を開始したバイデン時代の司法当局と取り引きをせず、また、なぜに名誉毀損で訴訟を起こさなかったのか?と問うている。

ようは、有罪を本人がいちばんしっているからだろう、と推測できるはなしなのである。

それでも、高市早苗の選挙区民(奈良県2区:大和郡山市、天理市、香芝市、奈良市の一部、生駒郡、安堵町、川西町、三宅町、田原本町、北葛城郡)たちは、この人物を落選させないのだろう。

これは、民主主義というシステムの欠陥であるのだけれども、その本質は「多数による少数の支配」だからである。
では、その多数とは何者か?を問えば、利益誘導を受け入れるひとたち、と言い換えることができる。

たとえば、横浜市長選にあたって、自民党など4党が推す候補の決起集会が、市内某宴会場でおこなわれたが、その様子はネットにあり、会場に入りきれないひとたちであふれている。
彼らこそ、私的利益誘導(公金チューチュー)に群がった者共なのであって、介入主義の恩恵をまっさきに得ることができる、と信じて疑わない「餓鬼」である。

このように、自民党は、政党ではなく自ら「圧力団体」となって、政府(中央であろうが地方であろうが)からの公共財産掠奪のための司令塔になっている。
まったくもって、100年前にミーゼス博士が書いたとおりの無様が、現代のタブレットでリアルに確認できるのである。

しかして、こうした無様が「常識」として定着したのは、マルクスやらの共産主義と、ケインズの介入主義によるものだ。
アダムスミスから生じた経済学(古典派)は、新古典派に進化してもケインズを呑み込むばかり(「新古典派総合」という)で、古典派の自由(放任)主義をバカにしてきた。

そこに、突如、オーストリア(ウィーン大学)から、メンガーが登場し、系統を引き継ぐミーゼスの「人間行動学」がうまれたが、信じられぬことに、わが国では100年経ってもミーゼスをしらない経済学者がほとんどなのである。

現代でも主流派(「あたらしい新古典派総合」=「近代経済学」)は、「ミクロ経済」と「マクロ経済」の統合ができないが、ミーゼスはとっくにそれらの統合に成功していることもしらない。

このおそるべき無知が、自民党や維新、あるいは参政党を含む既存政党、そして歴代内閣と高市、小池やらの嘘を破たんさせない理由なのである。

なぜなら、国民が、政府に依存して得になることはない、というミーゼスの結論を常識として認知したら、こうした嘘つきたちの存立する基盤そのものがなくなるからである。

彼らは、他人から奪ったカネ(税や国債代金というインフレを伴う新規発行通貨)でもって、つまり、けっして自分のカネではないものを、群がる亡者たちに分け与えることで権力で維持しているだけの存在なのだ。

だから、国家財政がどうなろうがほんとうはしったことではないが、国家財政が分配の原資だからこれが傷むと彼らの権力も傷む。
よって、吸血鬼のごとく国民へ増税(「インフレ」も同様に増税である)をおしつけるのだが、やっぱり自分のカネはビタ一文出すことはないのである。

残念だが、こうした仕組みに気がつかない愚民こそ、彼らの繁栄を助けるので、とにかく調子のいいことを口からでまかせにして、その場をつくろうのである。

ところで、本書の「調査内容」は、どこまでトランプ政権2.0のしるところなのか?も気になるのである。
当然に、若い頃に世話になった民主党パトリシア・シュローダー連邦下院議員(2023年死去)の「研修生」(給料は松下政経塾から)だっとことは承知しているはずである。

むろん、本書が出版されたことで、「一般情報」としてそっくりそのままアメリカ政府(おそらく国務省かCIA)に送付され翻訳されているはずだ。
なにせ、同盟国現役首相の評伝だからで、これまである「身上調査ファイル」とつきあわせをしているはずである。

アメリカ政府はしっかり把握していることだろうし、トランプ大統領にもブリーフィングされる可能性は高い。
アメリカ、とは、そういう国である。

というか、それが普通の国における外交上の基礎情報なのである。

では、ロシアは?も、おなじで、東京からモスクワへ本書は送付されている可能性が高いとみるばかりか、しっかり分析されることだろう。
これが、老獪なロシア外務省の地道な仕事なのだ。

ならばあの国は?と連鎖するのは、あたりまえのことである。

本書で指摘された、高市本人の「無能」は、外国勢力(とくにアメリカなど)にとって、レーニンの名言、「役に立つ白痴」としての価値を持つ。
ために、これら外国からのカネで動くビジネス保守は、高市あげ、により熱が入るだろうし、政権維持のお先棒を担ぐこととなる。

しかし、高市がその無能ゆえに依存するのがトランプ政権2.0という、これまた戦後レジームを変えるかつてない政権であるために、「日本独立」の大事業をあたかも高市政権のもとで実行する、という歴史的偶然もあるのだ。

ようは、高市の一貫性のないメチャクチャな発言は、そのどれもが無能からのものではあるが、諸外国の力関係だけで揺れ動いていると解釈すれば、「やばい」ことがわかる。

適菜収といえば、『日本をダメにした新B層の研究』が、これら愚民たちに読ませたい一冊なのである。

だが、愚民は地上波テレビを信じ、まともな読書すらしない、のである。

そして、難関大を経た国家総合職を代表する「エリート」(民間もおなじ)には、勉強疲れ、という病を発症する傾向が高いので、中堅以降の「高齢」ともなると、これまた勉強したくない欲求=現状満足、となって一切の向上心をなくすのである。

若い頃さんざん勉強したからもういい病、である。

しかし、その若い頃さんざんやった勉強とはなんだったのか?の価値判断もできないのが、偏差値エリートの偏差値エリートたるゆえんなのである。

そんな状態で、大幹部、の役職者になっているから怖ろしい。

わが国の衰退は、政権の失策もあるが、人材育成に失敗していることの方が、よほど深刻なのである。

高度成長期(昭和30年代から40年代)の現役職業人は、全員が戦前の教育体系のおかげだったことさえ忘却している。
このとき20歳の新人は昭和10年生まれからギリギリ戦後すぐの昭和20年生まれだし、管理職でも定年は50歳だったので、全員が大正生まれ世代にあたる。

その上の大臣クラスや経営者は、明治期の生まれだ。

いま、それが、全員、戦後教育体系で社会人になったのである。

この意味で、わが国の衰退は、戦後教育体系の失敗の結果なのであって、それを代表するのが最長老の麻生太郎以下の自民党大幹部たちである。

あぁあ。

オマル議員捜査の本丸

12日、ソマリア系移民で、民主党内極左グループの代表的存在としても有名なアメリカ連邦下院議員のイルハン・オマル(ミネソタ州)のワシントンにある自宅が国土安全保障捜査局(HSI)によって家宅捜索(強制捜査)を受けたことが全米で話題沸騰している。

ワシントンD.C.といえば、民主党の牙城で、裁判官もそっち寄りで有名な地域なのに、強制捜査には「裁判所令状」がひつようだから、いかに「そっち」よりであっても、出さないわけにはいかない証拠が提出されて「そっち」の裁判官ですら拒否できなかった、といえる。

このショックに、民主党議員たちは、「中間選挙前の司法の武器化」だと一斉反発してみせた。
しかし、CNNは、バイデン政権の司法省がすでに「捜査」をはじめていた、と報じ、ぜんぜん司法の武器化とはいえないのである。

こうした民主党内の混乱が、トランプ政権2.0の「狙い=罠」であったとおもわれる。

それで、これからわずか二日の間に、オマル氏の「マズイはなし=事実」が詳しく報道されて、一斉反発した民主党議員たちが、じつは「網にかかった」と全米にしれたのである。
これを報じたのが、これまた反トランプで有名な「ワシントンポスト紙」であるから、いよいよ民主党に分が悪いのである。

詳細は、「長谷川幸洋チャンネル」を観ればわかる。

とにかく、「疑惑のデパート」状態なのが、オマル一家の闇である。
はたして、彼女の父親は、かつての軍事政権のソマリアで「大佐」だった人物だというし、その人物がどうしてアメリカ市民になれたのか?の経緯からの疑惑なのである。

ゆえに、今回の捜査の最大目的は、オマル議員がアメリカ人になった経緯の証拠書類を押収することにある、とみられている。
もしも、不正な方法で市民権を得たというなら、連邦下院議員になること自体が有権者に対する「詐欺」となる。

さてそれで、こうした移民と国籍取得の問題は、「あのひと」に対する疑惑とそっくりなのである。
このことが、トランプ政権2.0が攻める「本丸」なのであろう。

バラク・オバマだ。

イルハン・オマルは、連邦下院議員にまでなったが、オバマは合衆国大統領を二期もやった人物だ。

トランプ政権2.0は、中間選挙への爆弾投下だけでなく、「その後」の2028年大統領選挙における超弩級の一発をかます予定にあるとみる。

これは、一発で民主党を吹き飛ばすだろう。

政党として、ではなく、詐欺集団として、という壊滅である。

すると、アメリカは二大政党の一方を失うので、共和党トランプ派の独裁となるのか?に焦点がうつる。

結論は、そうはならない。

むしろ、ライバルを失った一方も、存続の危機を迎えるのが道理だからである。

「権力は腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する」とは、ジョン・アクトン卿の名言である。

トランプ時代はあと2年あまりで終わる。
むしろ、その後の共和党が危ないのである。

しかし、トランプ時代のうちに、オバマ逮捕、を実行すれば、その爆風は全世界を覆いつくすこと確実なのである。
なかでも、敗戦国のわが国とドイツは、戦後にGHQがつくった既存政党が一緒に吹き飛ぶことになろう。

なお、国家が滅亡したドイツは、西は連合軍(米英仏)、東はソ連の「直接統治」がされたので、政府が残ってGHQによる「間接統治」がされたわが国とは事情がちがう。

この点で、安泰なのは、「自由主義」のアルゼンチンとエルサルバドルぐらいだろう。

ようは、トランプ後の次世代とは、自由主義が歴史上はじめて世界を席巻する可能性があるのだ。

この意味で、「自由民主党」は、解体の予定調和にある。

「三井住友建設」名の消滅

1日、三井住友建設が社名変更し、「アルソニア建設株式会社」となった。

親会社、インフロニア・ホールディングス株式会社による完全子会社化(昨年12月)の結果である。

これを、「空き家起業家 椙田拓也のビジネス大学」さんが詳しく解説している。

ようは、きっかけは森ビルが開発した「麻布台ヒルズ」のなかの超高層マンション受注が主たる要因であったという。

そこに、社内ガバナンスの問題=ワンマン経営があったというから、書いておく。

ちなみに、現役学生のための情報源なので外部者はザックリとした記事しか読めないけれど、「就活会議」にアクセスすると、雰囲気だけは伝わってくるから、気になる会社も検索してみると興味深い。

とくに、わたしが確認するのは、六角形で示される総合スコアのうちの「社員・管理職」と「成長・将来性」を、社員・元社員がどう評価しているのか?である。

むろん、こうした評価に参加しているひとたちのスキルをわたしが承知しているわけではないから、あくまでも参考値ではある。

さてそれで、三井住友建設の物語は、なんだか「シャープ」の身売り話と似ているようにおもえたのである。
シャープの場合は、テレビ事業への依存と液晶への過剰投資が主な原因であった。

生き残っている「パナソニック」でさえも、テレビ事業では莫大な損失(2011年から13年にかけて、累計1.5兆円)を出したが、本体が巨大なために今がある、ともいえる。

なので、当時の電器業界は軒並みテレビ事業で失敗したが、これはひとつの「横並び」の結果であったといえる。

三井住友建設の悲劇的な話は、社内のガバナンスにある。

生え抜き会長が、資金上の支援問題から迎えざるをえなかった銀行からの社長を排除しようとしたことが、テレビドラマのようなのである。
しかも、赤字受注した事業からの撤退ができずに、そのまま破たんへの道を突き進んだようにみえるのは、リスク管理ができなかった典型例となる。

ここで、銀行側の落ち度、をあえて指摘すれば、おそらく「社長ひとり」の派遣で済ませてしまったことにあるのではないか?と疑う。
事業の再構築を要する「プロジェクト」は、複数人のチームでの派遣が決め手なのである。
すると、チーム派遣も生え抜き会長から拒否されたのか?となるが、これは不明だ。

一般的に、銀行からの社長派遣が、旧来の人事であるから、それにならったとして銀行の擁護はできるが、状況把握としての「甘さ」は否めない。
「赤字原因の内部調査報告」に、経営責任の所在が漏れていることも、銀行は把握していたはずだからである。

「良くも悪くも旧財閥のおっとり」と、「就活会議」の書き込みにあるのは、なにも三井住友建設だけのことではなくて、三井住友銀行にもいえるようである。

なお、三井住友建設が伊藤忠の分譲で建てた兵庫県西宮の高層マンションでは、947箇所の不具合が確認されている。
貧すれば鈍する、のごとくか。

マネジメントが狂うと、大変なことになるとはこのことなのである。


盛り上がらない横浜市長選

18日投開票の横浜市長選が、ぜんぜん盛り上がっていない。

二期途中でパワハラ辞任した前市長も、懲りずに立候補して市民を呆れさせているけれど、その市長を推薦した政党が、これまた懲りずに東京都内在住の弁護士を擁立したので、さらに呆れる事態となっている。

立ち会い演説で、市民からの「住所はどこ?」との質問に返答できなかったが、いまでは開き直って、東京の自宅から横浜まで通勤するといっている。
なるほど、370万人以上が暮らすわが国最大の自治体といっても、東京のベッドタウンなのだから、逆にひとりでも東京から通勤されれば御の字なのかもしれない。

市内に住んでいないひとが市長になる可能性がある。

しかして、わたしがシラケているのは、候補者全員が「介入主義(者)」だからである。

なので、介入主義の緩さの度合いという基準をもって、選択するしかない、のだ。

つまり、消去法である。

すると、参政党と再生の道から推薦をうけた、福山あつし氏が最後に残る。

残念ながら、この人物もしっかりとした介入主義者なのだが、他候補よりまし、というレベルである。
もっとも、参政党も再生の道も、どちらもやっぱりバリバリの介入主義政党だが、既存政党よりはマシに見えるのが特徴である。

なので、わたしが、たとえば参政党を推しているのは、どこで見棄てるか?という選択肢を残すことが重要なオプションだが、支持者が増えたらそんなことにはならないだろうから、悩ましいのである。

本来ならば、参政党が介入主義から自由主義にシフトしてほしいものなのだが。

福山候補の施策公約の中で、おおきく他候補からちがうのは、財源をつくる、という「お題」をあげていることがいよいよその介入主義の本領なのであるけれど、他候補の無策よりはまだ評価できるのは、これまで通りの「成り行き」が他候補の無策の意味だからである。

いってみれば、福山あつし候補の提案が、もっとも介入主義の積極策なのであるけれども、それが逆に「候補の中でもっとも緩い」と思われるのは、できっこないのではなくて、失敗することを市民にみせてくれると予想するからである。

経済が伸びて、企業が発展するのは、「市政」でできることではないのだが、これまでの市政が邪魔をしていたことの排除、ならばまだ可能性がある。

自由主義からみて理想的なのは、財政力に応じた市政に特化する、であるから、財源がないのを理由に、いわゆる市民サービスを徹底的にやめることである。
残すのは、上・下水道、ゴミ収集、道路土木、学校の維持、国家行政の代理(戸籍管理とか)ぐらいでいいのである。

不要なのは、とっくに国家管理となった港湾局だし、あるいは市内経済の発展に何の意味もない経済局などの補助金行政だ。
これらの業務をやめると、どのくらいの財政的な効果となるのか?は、本来、議会がやるべきことだが、福山氏がケンカを売るように、そもそも議会が死んでいる。

前市長二期目の選挙で、パワハラ実態を承知で支持した各党相乗りを、各現職議員にも責任があり、問題が顕在化したら一斉に市長ひとりへの責任転嫁をさせて逃げた議員たちを叱るという「正論」は、まったく市民目線である。

それゆえに、福山市長誕生のおりには、市長が市議会で孤立するのは目に見えている。

福山氏の作戦としては、市議会の一新にあることはまちがいないだろうから、来年の統一地方選挙が山なのである。
様相は、福岡県議会、のような「全取っ替えスローガン」となる構図がみえる。

つまり、既存勢力が福山当選を阻むし、そうした勢力が妨害に勤しむことを一般市民にみせるのも福山氏的には織り込み済みであると承知する。

ようは、介入主義対介入主義のコップの中の争いではあるが、福山氏の作戦の方がまだまし、という結論なのである。

そんなわけではあるが、得票率が25%に達しないと「再選挙」になるルールが、俄然注目を集めだしたのもこの横浜市長選のグダグダを象徴する。

だれも到達しない可能性があるからである。

すると、大政党が推す候補が東京から通勤できないばかりではなくて、大政党のブランドが著しく欠損することになるので、大政党には全国的損失となること確実である。
そこで、このタイミングで簗和生大臣を辞任させた人事をどうみるか?であって、それは高市自民党の焦りであろう。

だれが市長になるのか?よりも、大政党には痛い結果が期待できる、へんな選挙なのである。

そんなわけで、盛り上がらなかったのに、急に熱を帯びてきたのである。

農水大臣は失言してない

9月17日に発足した第二次高市内閣の農林水産大臣として初入閣した簗和生(栃木3区)衆議院議員の発言が批判を浴びている。

自由民主党筆頭副幹事長兼広報本部長代理兼報道局長を歴任した人物のことだから、本人としては「失言」のつもりはなく、むしろ自身の権力を誇ったのだろう。

本稿ではこの事象の背景を、ミーゼスやハイエクがいう「自由主義」の立場から探ってみたい。

まず、この秋の臨時国会にあたって、高市首相の所信表明演説について書いたように、自民党とは「介入主義=ケインズ主義」の政党であることを確認しないといけない。
そのケインズの経済学からの処方箋たる、公共投資を歴史上初めて大規模に実施したのがヒトラー政権だった。

なみいる経済学・財政学者たちが、国家破たん・財政破たんする、とこぞって警告した「非常識」の結果は、空前のドイツ経済の復活と好景気だったのである。

だが、それは、地獄への入口であった。

ドイツ人を経済で熱狂させて、世界征服の悪夢へと向かったこともしかり。
だが、その根本に、インフレ、があったのである。
物価上昇=インフレ、ではない。
通貨価値下落=インフレ、なのである。

問題は、公共事業だろうが、戦争(戦費)だろうが、政府はその予算をどこから得るのか?に尽きる。
介入主義(社会主義・共産主義=全体主義もおなじ)は、かならず税収では足りず、国債を発行し、中央銀行にこれを買わせる。

中央銀行は、もっている資産から支払うのではなくて、通貨を新規で発行するのである。

この「打ち出の小槌」を、介入主義の政府は特権だと信じているが、それがインフレ(あくまでも「通貨価値の下落」)になる根本原因なのである。
さらに、政府は、政府の帳簿上(基本的に「単式簿記」)だけを理由に、中央銀行への利払いを減価させるのに、インフレが役立つと信じている。

ところが、そのインフレ経済に耐えなければならないのは、国民だけ、なのである。

つまり、インフレ政策とは、国民にとって「増税」にひとしい。

これが、介入主義に堕ちた政府=政権(政党)のなれの果てとなるものなのだ。

そこで、首相(自民党総裁)の所信表明演説(じつは歴代おなじ)が示す、介入主義、を基盤に置く政策群こそ、わが国の「常識」になっていることに注視いないといけない。
この常識を国民に擦り込んでいるのが、介入主義政府の「文部省」であり、その知恵袋としての東大・京大がある。

ダブルスコアの東大総長候補が問題になっているが、トリプルスコア以上で文科大臣からあっさり任命された京大総長はどうするのか?もあるが、そんなもんたち、がわが国の最高学府の長として君臨するのも、全員が「介入主義」に堕ちているからである。

ことしの「東大5月祭」が、爆破予告なる言論封殺で中止となったことに、「羊の群れ」と化した東大は、危険回避を優先させる「だけ」の対策を容認した。
まったく、ボンヘッファーが命がけで批判したことを、東大は組織をあげて忘れようとしているのも介入主義が蔓延したからこそなのである。

さすれば、介入主義そのものの簗和生大臣発言だけを問題視するのは、木を見て森を見ず、の典型である。

森が腐って、「腐海」となっているのである。

ではどうやって正常化できるのか?
ミーゼスは、自由主義の正しい政権・政府なら数年間で回復できる、といっている。

それを、いま、アルゼンチンが実行中だし、極左ゲリラから転向したエルサルバドルのブケレ大統領の政府が先行事例となっているのである。

ときに、フランスやドイツの政権危機は、まさに介入主義の末期症状なのである。

おまけに、フランスのごとく放火するような暴力はないが「高市やめろデモ」が広がっていて、うねりとなりそうな気配なのは、仏・独・日と同根があるためだろう。

むろん、中央政界がコレならば、かならず地方にも波及するのは、介入主義の定めでもある。

6日、JNNが報じたのは、地方議員や首長などに関与する156もの政治団体が「2年続けて政治資金報告書」を提出していないことであったし、そのうちの31団体とかは解散(持ち逃げ?)している。

だが、これに驚いてはいけない。
世界的介入主義による「詐欺」が、「ウクライナ支援」という名の空前の使途不明金(兆円単位)なのである。

「小さな問題」としては、12日、ソマリア出身のイルハン・オマルアメリカ連邦下院議員(ミネソタ州)の自宅を、数十億ドル規模の詐欺の疑いで連邦国土安全保障捜査当局(HSI)が令状をもって家宅捜索したことが報じられている。

これらも、みな、介入主義、の末路なのである。

とくに、いま、ベストセラーになっている適菜収著『高市早苗という病』は、みておいていい。

政府とはおカネを使いたい組織だ

いまも販売されている「子供保険」についての批判は、むかしからある。
なにせ、子供は「完全消費者(一切稼ぎがない)」なので、子供に保険を掛ける予算があるなら、家計を支える両親がまっ先に保険に加入して病気や怪我などで収入が減るリスクを回避すべきだ、というものである。

じつは国民経済における政府の役割とは、「完全消費者」であることだ。

両親たる国民から得たカネを使うしかないのが、政府なのである。
したがって、政府は「付加価値生産」もせず、とにかくカネを使うマシンなのである。

このかんがえに「まった!」をかけたのが、英国大蔵省の高級幹部だったケインズである。
政府がカネを使うことで、「有効需要」を創出すれば、失業が減る、といいだして、当時ヘンテコ理論と評価されたこの政策を世界ではじめて導入したのが、ヒトラー政権であった。

それで、ほとんどの国民がマイカーを所有していない時代に、アウトバーン(ムダな大規模公共事業)を建設し、おもむろに「国民自動車(フォルクスワーゲン)会社」を設立したのである。

ここで、ヒトラーのナチスが台頭した歴史的背景を確認すれば、敗戦に終わった第一次大戦による戦費の負担と総力戦による産業(工場)破壊、それに戦勝国への莫大な賠償金支払いやらで、通貨マルクが無価値になる経験をドイツ人が強いられたことである。

この当時の生き証人として、ナチス・ドイツに併合されたオーストリア人のミーゼスは、ケインズ経済学の罪について、1959年のアルゼンチン講演で語っている。
マドンナ主演の『エビータ』で有名なペロン独裁政権が終わったあとのことだから、しっかりペロン政権批判をして、いまのミレイ政権への基礎をつくった名講演であった。

「家計」ならば、使いたくとも使えるおカネには自ずと限界がある。
ローンを組んで借金して資産を得ても、返済不能になればあとは破産しか道はない。

ところが、「国家」には資金調達の方法がありすぎるのである。

まず、税収だし、足りなければ中央銀行におカネを印刷させればよい。
それには、国債を発行して、これを強制的に中央銀行に買わせればいいのである。
もっとも現実には印刷も不要なのは、「帳簿上」で、中央銀行にある政府口座の残高(数字データ)が増えればいいだけのことである。

こうして、政府はおカネを使う。

つまり、中央銀行にある政府の口座から、使った先の企業なりの口座へ代金が振り込まれ、それがまた、別の取引先企業の口座へとおカネがまわる。
このとき、順番が早くまわってくる企業は、仕入れ値が変わらない時間的有利があるから、「儲かる」ようにみえるのである。

しかし、同時に、市中に出回る通貨が増えるので、通貨は確実に「減価」している。

そうやって、全国におカネがまわりきると、インフレとなるのである。

ミーゼスは、政府の無駄遣いを批判していない。
無駄遣いができる、資金調達の方法から生じる「通貨の減価」を問題にして批判するのである。

そして、政府は中央銀行への利子払いを軽くするのに、インフレが役に立つことをしっているから、わざとインフレを誘導する。
しかし、国民経済にとってインフレはなんの役にも立たないばかりか生活を困窮化させる元凶である。

じつは、インフレこそが、みえない税金(増税)なのである。

そこで、政府の恣意的な「錬金術」をとめるために、「金本位制」の有利を説く。

これが、トランプ政権2.0が目指す、中央銀行(ヨーロッパ金融貴族)の支配からの脱却をいう基本政策の根本理論になっている。
だから、ほんとうに「フォートノックス」の地下大金庫に「金(Gold)」があるのか?を確かめに行くことまでやった。

天文学的な政府債務残高をかかえるアメリカ政府が、自らおカネの錬金術をやめて使うのに限界がある「金本位制」に帰ることができるのか?

世界史が変わる、重要事項なのである。

2028年は希土元年

むかし、日立が自社のカラーテレビを宣伝するのに、「キドカラー」(1968(昭和43)年から1970年代)をキャッチフレーズとしていたものだ。

まだ子供で「周期表」をしらなかったわたしは、「キド」の意味がわからず、だれかの苗字だとおもっていた。
さいきんなら、「レアアース」というようになったものの、「レアカラー」では商品名としてやっぱりピンとこない。

日立は、テレビのブラウン管の内部にユウロピウム(63番)やテルビウム(65番)などの「希土類元素」を蛍光体材料として採用したことをいいたかったわけである。
これで、「赤」の発色がよくなったので、青白くない自然な「ひとの顔」を表現できたのだった。

「レアアース」とはなにか?について、「信越レアアース」のHPが参考になる。

地球上の元素としては、あんがい「希」ではなく大量にあるのだが、その分離が大変(環境汚染問題も含む)なので「希土」になっている。
このため、環境規制を恣意的に操作可能な「全体主義国家」が原料供給源として世界で9割のシェアをもつようになっている。

これが、国際政治問題になる。

「THE CORE」がこの問題を取り上げて解説している。

とくに産業界がほしいのは、高性能磁石(レアアース・マグネット)としての、「ネオジム磁石」である。
この磁石が、強力な「磁気回路」を可能とするので、いわゆる「ハイテク機器」のほとんどに採用されている。

ために、「国家安全保障問題」に直結する。

原材料が特定国の「独占」下にあるので、困ったときの人類がおもいつくのは「代替法」という原理が発動する。
それで、地上にある採掘可能なエリアを探査し、安全な分離法を開発する、という二段階が同時に起きるのである。

2028年が、どうやら独占を崩す元年となる。

よって、あと1年から2年間の「つなぎ期間」をどうするのか?となるが、それがまた、国際的な国家安全保障と直結しているのである。

たとえば、今年6月に上にあげた「信越レアアース」が福井県に新精錬施設を建設することがニュースになった。
国(経産省)からの助成金を全体予算の半分ほど得ながら、具体的な場所や稼働時期が「非公表」というのも、国家安全保障上の配慮、ということであろうか?

素人でも、独占国以外からの原材料の確保時期と稼働時期をあわせてのスケジュール管理がされている、とわかる。
民間企業が投資する、とは、利益があがる、ことを前提とする当然があるからである。

であればこそ、いま独占状態にある全体主義国家として、できることは限られる。

徹底的な嫌がらせをするか、現状よりも好条件をだして取り引きを継続させるか?の二択となる。
むろん、好条件によっては、新規投資が赤字になるので計画の中止もありえるから、一種、強力な阻止戦略ともなる。

だが、どうやら、前者、を選択しているようである。

これは、好条件をだして相手の赤字を誘導する、という損得勘定ができないことの結果とみることができるし、あるいは、赤字でも国家安全保障のかんがえから事業継続するにちがいない、とかんがえていることからの決定だとかんがえられる。

つまり、どちらも、自由経済を考慮していない、ことがわかるのである。

しかして、トランプ大統領の米中会談における「日本への輸出禁止を解く要請」とは、発明しながらもネオジム磁石の国内製造を放棄したアメリカにとっての大問題となっているからである。

なぜにアメリカが自国生産を放棄したのか?を問えば、リカードがいう外国生産の「比較優位」という損得勘定からのことで、このときのアメリカは国家安全保障上の問題を意識していなかった、か、それでも赤字を嫌った、という意味である。

ようは、国家統制経済ではない自由経済の結果、なのである。

だから、自由経済の本質を理解しない、国家統制経済の下での常識では、上に書いた「後者」を選択できないのである。

ここから、わが国の経済産業省が、多額の補助金をだすことの意味はなにか?を考察すると、基本的に補助金は、「渡しきり」だから、国庫への利益還元を条件とするものではない。
しかし、ただより高い物はない、という原則にしたがえば、「信越レアアース」は、経済産業省のOBを未来永劫受け入れないといけないのではないか?と疑う。

ようは、他人のカネ(国家予算)によって、肥えようという豚のような存在なのであるが、それがまた、あたかもわが国の国家(経済)安全保障だというから、全体主義国家から「再軍備」の批判をもって輸出禁止の理由付けに利用されているのである。

おそらく、自民党は、こうして利用されることをしっていてやっている。

そこで、あくまでもたとえば、であるが、信越レアアースには、補助金がゼロでも国内に新規投資をするのか?を問いたいし、投資戦略にアメリカでの新規工場設置の選択はなかったのか?が気になるのである。

鳴り物入りで「USスチール」を買収した「日本製鉄」の成功をどうみるのか?を横目にしたときの比較である。

ついでに、2028年は、アメリカ合衆国大統領選挙の年である。

カナダBC州最高裁の判決

9日の「カナダ人ニュース」さんが否定的に伝えているのは、9月29日にカナダBC(ブリティッシュ・コロンビア)州最高裁判所で「違法薬物を安全に使用する憲法上の権利を争う裁判」で、違法薬物を規制する法律の違憲判決が出たことについてである。

本稿では、「自由主義」の立場から、この判決を評価したいので、残念ながらいつも肯定的に引用している「カナダ人ニュース」とは一見して真逆の見解となるが、結論的には一致する。

まずは、そもそも自由主義の立場では、政府の役割を限定的にみるのが基本である。

とはいえ、「自由主義」そのものがあんがいと誤解されている。

「自由」を人間について用いる場合に、「社会の中での自由だけ」だということが重要なのである。
そして、この前提に、完全な自由は存在しない、とかんがえている。

高性能住宅もない原始時代なら、いまよりずっと過酷な自然環境が生存の危機となる日常があるのに、なぜか原始時代の生活がいまよりずっと自由だとかんがえるひとがおおい不思議がある。

歪んだ哲学者、ジャン・ジャック・ルソーのいう「人間は生まれながらにして自由」はない。
じっさいに、狂人ルソーは、自分の5人の子供を生後すぐに孤児院へ実質的に「遺棄」した。
この時代、孤児院へ生後すぐの乳児を預けることとは、その劣悪な環境からの死亡率の高さから、「遺棄」したというのは大袈裟ではない。

しかも、彼はこのことの確信として、ライオンが子供を千尋の谷に落して、生き残った強い者だけを育てる逸話を実践しているのだと書きのこすほどの狂人ぶりなのだ。

自由主義がいう「社会における自由」とは、自分が他人に依存しているのと同様に、他人も自分に依存している「お互い様」を意味する。
だから、自由主義経済では、経済体制のボス(主人)とは消費者のことをさすのである。
しかも、その消費者は、また、かならず財やサービスの生産者でもあるのが「社会」というものだ。

さらに、まるで仏教の厳格さのようなかんがえを自由主義はもっている。

仏教における「最後の審判」とは、閻魔大王によることになっているけれども、閻魔大王とは生前の修行によって磨いたはずの、「自分の精神の鏡」として登場するのである。
よって、仏教では極楽へ行くのか?地獄へ堕ちて餓鬼となるのかは、なんと自分が決める宗教なのである。

自由主義(経済)では、消費者には失敗する権利がある、としている。

だから、自由主義経済の政治形態においては、国民の消費を規制することによって国民を害する消費から守ることができるという考えは間違っている(ミーゼス『自由への決断』P.40)。
父権的権威としての政府や、万人の保護者としての政府という発想は、社会主義に賛成する者の発想であります(ミーゼス、同上)。

このことから、カナダBC州最高裁判事は、おどろくほどの自由主義者なのである。

しかし、「カナダ人ニュース」さんが指摘するように、薬物中毒者救済に多額の公金が使われている。

自由主義では、これも許さない。

むしろ、いったん薬物に堕ちたら誰からも補助がないことの社会的事実の共有が、抑止力になるのである。

とはいえ、中毒者が一般人を傷つけることを放置せよということでもない。

ために、「中間をとって」トランプ政権2.0が、麻薬(カルテル)撲滅をやっているし、原料供給国への制裁も実施しているのである。

すると、もっとも重要なのは、教育と正しく正確な情報提供である。

具体的には、薬品や食品などの含有成分についての理解ができる「化学教育」と、産業界や特定企業への忖度のない情報発信義務の徹底、つまり、表示、による情報提供である。

たとえば、「ゴマ油」についての動画がある。

ここでは、EUの措置がわが国の消費者庁と対照的に紹介されている。

自由主義の立場からすれば、「消費者庁」とは笑止な名称で、せいぜい国がやるなら、「成分分析庁」でいいのである。
むろん、EUのような規制もよほどの「毒」でないならいらない。
わかりやすい「目安」を提供して、あとは消費者が選べることが重要なのである。

これだけで、スーパーが自店の棚にいれる商品選択を変えるだろう(あるいはおとなの事情で変えない)けれど、それをまた消費者が評価すればいいのである。

商品毎の成分情報サイトとかがSNSでわかるようになって、事業化すれば、「成分分析庁」すらいらないし、複数で見解が分かれればそれはそれでいい。

インバウンドの外国人が、日本の「食」が、自国よりも安全評価しているのは、おそらく「誤解」である。
このことの事実が、そのうちサイトの翻訳で判明したら、引き潮のごとく外国人観光客は減るだろうし、大満足していたひとたちの怨嗟のもととなる。

それで困る観光関連業界なら、自業自得というものである。

そんなわけで、カナダBC州最高裁は、既存の救済予算も「違憲」とすれば、なおよかったのである。

嘘ばかりで選挙分析ができない

「世論調査に嘘をつく」話については、ずいぶん前に書いた。

このところ、わが家の固定電話にもしつこく「調査」やら「詐欺」やらの録音があるし、自動音声でかかってきた場合には、そのまま受話器を置いている。

選挙の投票所におけるマスコミの「出口調査」では、なるべく応じることにして、絶対に本当のことを話さない、と決めている。
質問する側が記事にする内容が、嘘ばかり、なのに対抗したくなるからである。

それでも、「調査」だから、有権者は本音で語る、という建て付けはかわらないので、そのまま素直に統計的な処理をするならまだしも、調査方法や有効回答率などの基本データを表記しない、「エセ統計」で記事にする悪辣に反省がない。

よって、この手の調査には、積極的に協力する嘘の姿勢をみせて、外れ値、をつくりたくなるのである。

そんなわけで、先進国のアメリカでは、左派マスコミの「調査」には、嘘の回答しか集まらない状況ができてひさしい。
だから、パラマウントに買収されて、「編集方針」が変わること確実な、全米ネットワークのニュースメディア2社(CBS、CNN)の「調査」にも変化がおきることだろう。

買収手続き完了の6日、CNNは、FOXニュースが来月から、前ホワイトハウス報道官のキャロライン・レヴィット女史を迎え入れる、と報じた。
もはや、「次の一手」がはじまっている。

そんなこんなで、アメリカのアンケート回答者は、CBSとCNNの調査には「嘘をつかない」で応じるとみられるので、これら以外の全米ネットワーク3社とは、ぜんぜんちがう調査結果となることが期待されている。

しかして、合併手続きが完了するのは、上にも書いた現地時間の6日なので、それから組織改編やらそれにともなう人員の入れ替え(解雇と採用)には時間がかかる。

よって、来月の中間選挙には間に合わない、とかんがえるのが妥当だろう。

けれども、レヴィット女史の「滑り込み」は、異例だしどこまで計画的はしらないが、全米が注目することの影響は大きいから、彼女はかなり過激な発言をして共和党に貢献するのであろう。

その意味で、彼女はトランプ政権2.0の「隠し球」である。

なお、彼女の後任たる、ホワイトハウス報道官はまだ決まっておらず、空席のままである。

つまり、2026年アメリカ合衆国中間選挙は、「嘘ばかりの世論調査」の情報嵐のなかで実施される最後の、歴史的な国政選挙、となることが確実なのである。

そこで、各種世論調査をみれば明らかなように、共和党の不利、が喧伝されていることの実態からおもうに、現実はかなり民主党の敗北、が濃厚なのではないか?とみることができる。

むろん、蓋を開けてみなければわからないのが選挙である。

しかし、世論調査の嘘がそこまで深刻なのが、アメリカ社会の実態だ。

そんなわけで、困ったひとたちとは、「予想」を業とする者であって、それはマスコミ関係者のなかに含まれる「有名教授たち」も同様であろう。
これら「研究者」の肩書きをもつひとのコメント発言と、論文とのギャップがどれほどの開きかしらないが、論文ならば査読に耐えられないので別のことを書いているにちがいない。

つまり、「嘘をいう」しかないのが、学者コメンテーターの悲哀、となっている。

公共の電波に乗せてなお、カネを受け取っての発言は、査読ならぬデジタル・タトゥーに晒される。
カネを受け取っていれば、しっかり「業」とみなされるからである。

そんなひとが、「本業」としての「論文」になにを書いているのか?はじつに興味深い。
少子の時代、学生(受験生)に選ばれないといけない大学経営として、大学名を背負った「(正)教授職」の言動が、学内評価基準に抵触するか?しないか?という問題も、今後顕在化するであろう。

苦しいいい訳として、「世論調査」の嘘を見抜けなかった、が共通になるのだろうけれど、それで「教授」がつとまるのなら、素人とどこがちがうのか?

つまるところ、選挙分析ができない、と認めることが、現代の「誠意」なのである。

世界は荒れている

「ターニングポイント」とか「分水嶺」とかという、分岐点にあたっているようだ。

まずは、「選挙」という選択で、ブラジル大統領、イスラエル国会の選挙が注目されているが、これに続いてアメリカでは中間選挙があるし、スペインも解散総選挙となった。
なお、フランスでは上院の一部改選があって、マリーヌ・ル・ペンの国民連合が躍進し、はじめて「会派」となる変化があった。

そのフランスでは、大規模デモが暴動化していまや全土で革命的な破壊行為となっている。

はじめは、労働者の「賃金上げろデモ」で、これとは関係なく高校生による「学校改善デモ」が重なり、どうやら極左政党が高校生たちを煽動しているようで大拡大した。

これに、マクロン政権が無能ぶりを発揮しているのである。

なぜならば、マリーヌ・ル・ペンの国民連合による組閣をつぶすための「左派連合」という烏合の衆に組閣させるしかなかったために、肝心の首相も教育相も、左派、だから、煽動をしている極左に親派性をもっているからである。

しかしながら、わたしが注目したいのは、おとなのデモ、すなわち労働者による「賃金上げろデモ」の方である。
これは、左・右の対立問題ではなく、なぜに経営陣が賃上げしない・できないのか?という問題を含むからである。

マクロンのモットーは、EUの主流、「中道」なのである。

それで、2017年の大統領選挙よりも前の初期に唱えていたのが、「アン・マルシュ!(En Marche ! :前進!)」であった。
大統領選挙一回目投票では、「フランスはすべての人にとってのチャンスでなければならない」となり、二回目の決選投票では、「共に、フランスを!(Ensemble, la France !)」だ。

「中道」は、かならず社会主義化することの典型例である。

こうした、「ふわっとした」文句は、2022年の大統領再選のときにも発揮されて「あなたと共に(Avec vous)」 だったが、その後 「私たち全員(Nous tous)」 へと変更されている。
それで、政権のイメージ・キャッチが「左でも右でもなく、左でもあり右でもある(Ni droite, ni gauche : en même temps)」なのである。

この頓知のような、あるいは「禅問答」のようなフレーズが、フランス人に刺さることが興味深い。
それでいて、ナポレオンの名言から「フランス人に不可能なことはない(Impossible n’est pas français)」ともいうのは、オバマを彷彿とさせるのである。

本来ならば、労働者は社会主義的な傾向を支持すると信じられてきた。

しかし、世界史は労働者の政党が政権を得ると、労働者を見棄てることを「原理」のごとく記録している。

それでも、労働者が社会主義的な傾向を好むのはなぜか?たんに学習能力がないからか?

おそらく、そこには絶望的な資本主義への怨嗟があるのだろうし、経営者は資本主義者だとの盲信が拭えないからであろう。

すると、資本主義とはなにか?とか、資本主義のあるべき姿はなにか?とかが、追及されないといけないのだが、まったくボンヤリとした概念的なものしか浮かばないのが実情なのである。

このブログでは、アインランドの「資本主義は未来のシステム」を支持している。

つまり、人類は本来的な資本主義を経験したことがない、という立場だ。

そこで、「株主資本主義」なる現代の状況をあらわす用語に注目すれば、絶対的な株式保有数と率の大株主(自国民とはかぎらない)が、自己の最大利益を追及するあまり、経営者を意に添った者だけに絞り込んで、とくに賃金(人件費)を上げないようにすることの合理性が認められることになっている。

しかし、企業活動の要諦は、付加価値の創出にあるから、付加価値に含まれる人件費を削減することの効果は、付加価値計算式内での増減となる。
かんたんにいえば、経常利益あるいは営業利益が増えるのだが、付加価値は変わらないようにみえる。

「みえる」というのは、人間だけが価値創造の原点なので、長期的に企業から人材が去れば、この計算式通りとはならず、企業活動そのものが停滞するのは道理である。
A.I.すら、人間がプログラムしたにすぎない。

すなわち、マクロン政権に叛旗を翻すこととなった労働者たちは、かつてのスローガンの無意味をかみ締めていることだろう。
それがまた、高校という教育現場にもあらわれ、子供たちが全土で暴れているのである。

しかして、そこに、大量移入した移民(現代の奴隷)の影響があることも事実であろう。

つまり、世界を席巻した「株主資本主義」なるエセ資本主義に対する、大反動、が世界を荒らす原動力なのである。