あたらしい「通貨バスケット」の話

何度か書いてきた、「BRICs共通通貨」についての予感の話である。

22日に発表されるというから、「お盆休み明け」の最大の話題になると思われる。
あるいは、ずっこけてしまうのか?はわからない。

巷間いわれているのは、「金本位制の復活」である。
わたしは前に、「石油本位制」ではないか?と予測した。

なにせできるのは「新通貨」であり、国際基軸通貨としてアメリカ・ドルに対峙すると意気込んでいるシロモノだ。

そのバック・グランド、すなわち価値の裏付けはなにか?をかんがえることは、地球規模(グローバル)での経済をかんがえることと同義となる。
もちろん、そのまた前提にあるのは、通貨とはなにか?になるのだ。

印刷物としての1万円札は、いったいいくらの価値なのか?
紙とインクと印刷技術でできている、一枚の価値をかんがえてもせんないから、誰もなにもかんがえないでつかっている。

「一万円」と書いてあるから、1万円なのだ、と。

たしかに、世の中のひとが全員、1万円だとして疑わなければ、1万円の価値があることになる。
木の葉でも1万円なのだ、と全員が同意すれば、1万円になる。
けれども、その辺に落ちている木の葉を拾っただけで1万円になるのは変だから、木の葉はゴミ扱いされている。

道路でも掃き掃除をすればわかるけど、入手するのが簡単で、無限にたくさんあるから価値がない。

それで、日本政府は、日本銀行が発行している1万円札しか、通貨として認めない、と決めた(「法定通貨」という)ので、やっぱり木の葉を通貨として欲しがるひとはいないのである。

ならば、日本銀行券の1万円札の価値の裏付けはなんだ?
日銀は、HPで説明を試みている。
ちょっと、「都市伝説」っぽいのである。

「円」だけをみたら、不換紙幣である。
とはいえ、円は各国通貨と自由に交換ができる。
なかでも、アメリカ・ドルは、1974年に「ペトロ・ダラー」として、「石油本位制」((ワシントン・リヤド密約))となった。

この密約の影響は多大で、100歳をこえてもなお世界に影響力を保持している、キッシンジャー(当時はフォード政権の国務長官)の最高傑作なのである。

中東の石油を買うなら、アメリカ・ドルだけで支払うことになったのである。
逆に、産油国は、アメリカ・ドルしか受け付けてくれない。

なので、わが国も、日本円をアメリカ・ドルに交換して石油を買っているから、円の裏付けはアメリカ・ドルとの交換レートで決まることになった。

そして、こうした交換レートは、一国経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)で決まるのである。
ここが肝要なところで、EUの統一通貨「ユーロ」の価値を保持するために、ECB(ヨーロッパ中央銀行)は、絶大な権力をふるって、加盟各国の経済政策をも支配している。

単にBRICsといっても、とっくに「機構」になっていることを忘れてはならない。
ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国だけではないのだ。
すでに22カ国が機構への加盟申請をしていて、さらに同数の国々が参加への興味を示していると発表されている。

つまり、「第二国連」化しているといえるし、従来の西側先進国が少数派になりつつあるのである。

さいきんの最も重要なことは、中東産油国が、ペトロ・ダラー制を破棄したことである。

簡単にいえば、邪悪なバイデン政権のアメリカが忌避されているのである。
別のいい方をすれば、アメリカを破壊したい民主党の思惑通り、アメリカが中東へのプレゼンスを落とすように自爆(嫌われる努力)しているともいえる。

民主党の理想は、世界を貧困化させて、世界経済フォーラムがいう、共産化の達成なのである。

ややこしいのが、共産中国がこれに対抗していることだ。
毛沢東を尊敬してやまない、習近平は、あろうことかナショナリスト(中国第一主義)なのだ。

現代の冷戦は、かつてのそれと価値観がひっくり返って、共産化したい西側と、ナショナリズムのBRICsという構図になっている。
ただし、不正選挙で政権を奪回したルラのブラジルはバイデン民主党との親和性があるから、BRICs側も「鉄の結束」をしているわけではない。

ロシア嫌いのマスコミが中国を持ち上げるから、話が見えなくなるけれど、圧倒的な資源を保有しているのは、ロシアである。
もはや、石油も天然ガスも、ロシアが世界シェアを占めている。
「脱炭素」なるプロパガンダも、ロシア弱体化のための方便にすぎない。

それに、現代文明は、プラスチック(樹脂)からできている。

燃やすだけが石油資源の利用価値ではなく、むしろ、あらゆる資材のもとになるプラスチック(当然に炭素からなる)がないと文明生活が成立しないのだ。
ゆえに、「脱炭素」を他人に強制しようとするひとは、まず自分が文明生活を放棄してから主張すべきだ。

加えて、BRICsに加盟申請しているような、さらなる新興国は、たいがいが人口増加国なのである。

前に書いた、「α世代」の25億人を多数抱えるのは、わが国を含めた西側先進国よりもこちらの勢力になる。
そこでポイントになってくる、新通貨を裏付ける価値あるものとは、「仮想通貨」があげられる。
これらは、ブロックチェーン技術をつかうものだから匿名性が確保されるので、デジタル・人民元とも異なる。

戦略に長けた、プーチン氏とそのスタッフは、愚かな民主党バイデンの敵ではない。

あっと驚く、「通貨の裏打ちバスケット」を提示したら、世界の巨大な歯車が大逆転の方向へゆっくりとだが確実に動き出すだろう。

来週に迫った、22日は、歴史の転換点を目撃することになるのか?注目なのだ。

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