自己責任とは自己防衛の時代

子供のころ、綿棒を耳に入れてはいけません、とアメリカのパッケージに書いてあることを、皆で嗤っていたことがある。
綿棒は耳掃除以外に、何に使うのか?がわからなかったからである。

おとなが、ポツリと、耳に入れたひとが何らかの原因で事故ったんだよ、きっと、といって、へぇ、そんなものかとその場はそれで終わった。

アメリカには、懲罰的な意味で、超高額賠償命令がでるから、企業は自己防衛で、注意書きをすることにした。
「ここに書いてある」ということでの、責任回避を計画したのである。

いまは、もっと進んで、900ドル以下の万引きは、「軽犯罪」とする法律が通ったので、カリフォルニア州とか、あるいは同じ法律が通った英国で、兆円単位の被害となって、とうとう町から小売店が消滅しはじめた。

なんでもかんでも、通販で購入するしかなくなってきたので、こんどは配送が間に合わなくなっている。
ただし、消費者は、配送料も負担しないといけないので、生活費が高くつくことになった。

それで、小売店がある町(治安がいい町)に引っ越すとか、まるでマンガのような笑い話が、嗤えない現実となっている。

食料品小売店の娘だった、マーガレット・サッチャーが健在だったら、どんなに嘆いたか?ではなくて、絶対反対の強烈な行動をしたはずなのだ。

軽犯罪?とんでもない、社会の根幹である、所有権を冒涜する、許しがたい犯罪援助法です!

あゝそれなのに、保守党が議決するほどのこの体たらく。

EU離脱以来、DS:ディープステートからお仕置きを喰らっている英国では、もはやかつての覇権国の栄光は完全に過去のものとなって、一応先進国最悪の経済状況は、来年以降も当面改善する気配はないばかりか、どこまで落ちるのかがわからない。

今年5月に、イングランドで行われた統一地方選挙で、政権与党の保守党が大敗して、2025年1月までに実施される次期総選挙では、労働党に政権交代する確率がかなり高いと予想されている。

しかし、英国も日本の与野党と似ていて、保守党がとっくに共産化したので、労働党は極左的な主張でないと「ちがい」がわからないから、より全体主義的な政権になること請け合いなので、ほんとうに英国人がそんな選択をするのか?はわからない。

ようは、地獄へのコースなのだ。

すると、いまさらの「日英同盟」とは、子泣き爺に取り憑かれるようなもので、日本側が歓んでいる場合ではない。

本人には、まさかの更迭だったにちがいない、この度の岸田内閣改造(13日)で、唯一の話題が、外務大臣の交代だった。
改造4日前の9日、ウクライナを電撃訪問した林外相は、ゼレンスキー以下の要人と面談して、「復興支援」の大盤振る舞いを約束してきたばかりだったからである。

これが首相からお仕置きを喰らったはずもないのは、5月の広島サミットで岸田氏が押しつけられた「復興支援」の現地への伝達に過ぎなかったからだが、ゼレンスキー氏は広島にいたので、もしやムダな交通費をかけたことがお仕置きとなったのか?

ちなみに、バイデンもそうだが、ポーランドからウクライナに行くのに、わざわざ数時間もかかる鉄道を利用している。
あたかも、北の兄さんがロシアに行くのに鉄道を利用するのと似ているが、事情はことなる。

おそらく、ロシア側に列車ダイヤを通告しながらも、制空権がないために、念のため鉄道を利用するしかない(飛行機では危ない)と推察する。

すなわち、すでにどうにもならない戦況ゆえの、「復興支援」なのだと、5月にも書いた。
けれども、日本人がかんがえる「復興」と、アメリカやEUの戦争屋がかんがえる「復興」の意味がちがうと、馬淵睦夫元ウクライナ大使が指摘している。

戦争屋がかんがえる「復興」とは、これまでの支援の「見返り・回収」のことだ、との指摘は、そのとおりだ。
ウクライナの復興とは、あくまでも戦争屋による国家資産の分割がはじまる、ということだ。

日本政府がやるという復興支援とは意味がちがうが、ならば日本以外に「復興支援」するのは、どこか?と問えば、どこもない。
あろうことか、後始末をわれわれの資産をもってぜんぶ負担させられることが、5月に決まっていたのである。

とっくに世界の小数派になった、「G7」が、ニコニコと広島にやってきた理由は、日本の気前のよさゆえのことだけだった。

それでもって、9日、10日に開かれた、ニューデリーでの「G20」サミットは、プーチン氏と習氏が欠席するなか、史上最低水準の共同声明となって、とうとうウクライナ問題が除外された。

「G20」そのものが、世界の小数派になりつつあることを世界に示した、という皮肉な開催意義となったのである。

そんなわけで、日本国内でもふつうになった、自己責任とは、結局は、個人の自己防衛が必要だという時代の到来を告げているのである。

つまり、他人依存は悪である、という価値観のことだが、政府はダブルスタンダードの全体主義なので、自己防衛のために政府依存をせよ、といっている。

これが、自公政権の本質で、残念ながら英国人同様に、われわれも総選挙での投票先に困るのである。
まともな野党が欲しい。

この需要が、さいきんの保守系新党発足ラッシュになっているが、大同団結できないのは、「保守の定義」が定まらないからである。
全体主義に対抗するのは、唯一、自由主義なのに。

ハイエクが提唱した「新自由主義」が、全体主義者の攻撃で、まったくちがう概念の「悪」にさせられたのが、修正できない・しない、からこうなる。

どちらにしても、時系列的に間に合うのかどうだかわからないけれども、日本三分割の憂き目と、アメリカの復権たるトランプ再選・アメリカ(軍)再建、のタイミングが、日本人の運命を決定するのはまちがいない。

成り行きだけでいえば、とっくに「亡国」ルートに乗っている。

自公政権は、トランプ再選で命運が尽きるけど、日本人の命運はトランプ再選だけという他人依存が唯一の希望となってしまったのである。

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