役に立たない「国連安保理」

そもそもが、第二次世界大戦における「戦勝国組合」が「国際連合」という看板をかけているだけのことだから、その「中核」である、安全保障理事会の「常任理事国5ヵ国」こそが、永遠なる勝者としての立ち位置を確保する、という目的で成っている。

この「体制」が、ずっと続いているのは、もう一方の「敗者」の側の都合も合致する皮肉があるからだ。
すなわちそれが、「敗戦利得者」という、ローカルな国内事情で発生した、戦後支配層に都合がいいからである。

敗者とは、ドイツと日本の2ヵ国のことをいう。
三国同盟のひとつだったイタリアは、戦争終結直前の政変で、ドイツに宣戦布告したから、これが功を奏して「戦勝国組合」に参加した。

ちなみに、ドイツとの同盟が残っていたわが国は、「味方の敵」にあたる国々が「自動的に全部敵」になるので、サンフランシスコ講和会議での「敵国」は、ほぼ「当時の」世界中であったのだ。

なお、このときのアジアで「独立国」といえたのは、タイとサウジアラビアだけだったし、ドイツは「滅亡認定」されているから、今のドイツとナチスドイツは「別の国」だ。

これとおなじ仕組みが、「NATO」にある。
加盟国の1ヵ国でも、どこかと戦争をはじめたら、相手国はNATO加盟国全部を敵に回すのである。

プーチンとメドベージェフの両氏は、合計3回、NATO加盟を申請したけど、絶対に加盟させない、という決定を3度も受けた。
しかしながら、一度も「合理的理由説明」は、なかったのである。

それでもって、欧州安全保障協力機構(Organization for Security and Co-operation in Europe:OSCE)が1972年に発足していて、「ソ連」も1973年に「加盟」して今に至っている。
なお、わが国も「協力国」として加盟しているのだ。

現状で、世界最大57ヵ国が加盟する「地域安全保障機構」だから、国際連合総会オブザーバー資格もある。
ちなみに本部はウィーンにある。

ウクライナについて、スイス軍人でOSCE幹部だった元大佐が、ウクライナによる自国民抑圧がロシアの介入を招いた、と「自著」で解説しているので、この情報はOSCE加盟国ならしらないはずはない。

さてそれで、国連の安保理には、常任理事国だけが持つ「特権」の「拒否権」がある。
この「濫用」をさせないため、という「国連の根幹」に触れる「拒否権発動の理由説明」を4月の総会で「決めた」のだった。

「決めた」けれども、「決議」でないのは、各国が一票を投じる方式ではなくて、議場の総意による「採決」だった。

したがって、これに「法的拘束力」はない。

とはいえ、8日に「はじめて」拒否権を発動した常任理事国に対しての説明を求める会合が開かれた。
それが、「北朝鮮のミサイル発射に関する制裁決議」についての、ロシアと中国の拒否権発動についてだった。

つまるところ、わが国にとっての「軍事的やばさ」について、国連は「役に立たない」ことが証明されたのである。

しかも、「ウクライナ」への「軍事的肩入れ」をした、わが国は、ロシアから「敵国認定される」という、戦後初の事態になっているので、この「拒否権発動」のロシア側の意図に、わが国への「攻撃的当てつけ」があるのは明らかである。

対するわが国は、「あくまでも北朝鮮のミサイル発射」に話題を絞っているのは、国家安全保障ではなくて、「外務省の省益優先」が見え見えなのである。

わが国の「ツートップ」である、首相と与党幹事長が、それぞれ直近の「外務大臣」だったことを思えば、ほとんど犯罪的ともいえる「売国行為」なのである。

わが国には最も重い刑罰として、「外患誘致罪」(刑法第81条)があるけれど、これは外国が実際に武力行使したときに適用される。
だから、いまのところ問題ない、といえるのか?

司法の腐敗が、裁判所だけでなく行政としての検察にも及んでいないか?

むかし、自民党の幹事長として権勢を誇った小沢一郎氏は、「国連第一主義」を唱えて、自国の安全を全面的に国連へ委任するかの論を張っていたことがあった。

まったくもって、売国そのものであったのに、岩手県の有権者はいまだにこのひとを国会に送り込んでいる。
似たような主張をしていた、元外務官僚だった故加藤紘一氏も、山形県で圧倒的な安定支持を得ていたものだ。

結局のところ、他人依存ではどうにもならないことが、だんだんわかってきた。

「非武装中立」なる世迷い言が、教師の労働組合を中心に真顔で語られたことの滑稽は、米ソ冷戦の「安定」が、思考停止を誘発してもこれを多数のひとが支持できたのは、それなりに「幸せな時代」だったからでもある。

それゆえに、加藤周一の『フィンランド化』も、強いものには巻かれるのが一番「利口」なのだという、おどろくほどの無責任と無邪気さが、よくも外患誘致罪に問われなかったものだと、感心するのである。
フィンランド人が聞いたら、「侮辱」だと言い張るだろうに。

拒否権の説明義務は、5大国が世界を治めることの「無理」がさせたものだということだから、世界秩序は「不安定化」しているのは明らかで、「従来からのやり方」が通用しないということだ。

もちろん、わが国にとって役に立たないなら、「脱退」をかんがえてもそれが「国益に適う」ことになる状況だ。

否が応でも思考のスイッチを入れ替えないと、「生存」がままならない時代になっている。

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