「第一次大戦2.0」がはじまった

ひとがニュースに興味があって、おカネを出してでもしりたいという需要がうまれたのは、回り回って自分に返ってくるのが、世の中、というものだからである。

かくいうわたしも、リーマン・ショックをきっかけにして、勤めていた外資系投資銀行が日本から撤退するに至り、職を失ったのである。
残念ながら、マスコミが大きく取り上げたのは、リーマン・ショックという「事象そのもの」であって、それより1年4カ月前からの「サブプライムへの不信感」は、業界内の噂にすぎなかった。

さざ波のような話が、1年4カ月の時間をかけて、大津波に成長したようなものだった。

世界の金融エリートは、金融工学やらMBAやらを、似たような学校(教授陣がおなじ学歴の同根)で勉強させられて、業界人になったら、世界でおなじ業界紙の読者になって、毎日同業者に電話をかけておなじ銘柄を売り買いしている。

こうした機関投資家達は、合法的に、個人投資家の資産を巻き上げているのである。

その仲間内で疑心暗鬼がうまれたのが「こっくりさん」のようになって、リーマン・ショックになったのである。

サブプライム・ローン債権をさらに切り刻んで、別物の「トリプルA」債権にした現代の錬金術とか、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)とかを、「製造」していたエリートは、いまも懲りずにまだおなじことをやっている。

これがまた、中央銀行の神通力を喪失させた元凶で、「銀行だけ」が信用創造するというのも伝説化して、証券会社(投資銀行も)が跋扈することになったのである。

しかし、リーマン・ショックの事象だけしか報道されないから、ふつうのひとは、そこだけを観させられて、なんだか他人事にして生きているのである。

このことも、愚民化のひとつで、エリートたちが汗をかいて金融危機を収束させることをしているような話にしているのだが、「カネは天下の回りもの」と認識していたむかしのひとは、「な、わけないだろ?」と疑う常識がまだあったものだ。

BIGMOTOR社に加担した損保会社の保険不正が、その他多数の一般契約者の掛金負担増になっているように、薄く広く国民負担になっている当然が隠されているのである。

ウクライナの戦争に加担している「西側先進国」と自称しているグループは、機構になったBRICsとの人口差では、もうかなわない。
もしも、世界のひとたちが格差のない「一票」を投じたら、圧倒的なのはあちら側になっている。

これに、経済力も伴ってきたので、たとえば、アメリカ対ロシア・中国連合だけでも、1.3倍もの差がうまれていて、長期化する戦争に耐えられるのもあちら側なのである。

そして、なによりも「おかしい?」とおもわないといけないのは、最低でもロシア情報の詳細がふつうにマスコミ報道に「ない」ことである。

リーマン・ショックの例のように、表面の事象だけを報じているともいえず、完全なる「情報鎖国」の状態にこぞって西側先進国がおかれているのである。

あたかも、「ソ連体制」が継続しているように錯覚させる演出がされているが、SNS動画が上手の手から水が漏るごとく、みごとな「実態」を報じている。
駐在員としてロシア滞在通算で18年という、日本人ビジネスマン氏は、ソ連時代もしっているけどいまのロシアはかなり自由な報道をしている、と『越境3.0チャンネル』で証言している。

政府批判もかなり痛烈だと。

現地に住みながら視聴すれば、西側の報道の方がかなり統制されているので、ロシア人は冷静に観察しているという。
それこそ、ソ連時代の命に関わる厳しい情報統制を経験しているから、かえって冷徹な目を国民がもっているのだとの解説には納得する。

さらに、先月26日のアフリカ・ニジェールのクーデターは、日本では無視されている感がある。

プーチン氏に反乱を試みたという、あの「ワグネル」がアフリカで活動していたのは、マリとかブルキナファソであったから、その隣の今回のニジェールの政変もワグネルの影が見え隠れする。

このあたりは、ぜんぶ旧フランスの植民地だが、いまも「CFAフラン」が流通(14カ国)し、フランス中央銀行(Banque de France)がその通貨発行利益(年間60兆円という)を得ている。

シラク大統領(任期:1995年〜2007年)が、かつて、フランスがアフリカ支配を失うと第三世界並みの経済力になると話したことがあるのは、このCFAフランの利益も含んだことだ。

ここにロシア(ワグネル)が楔を打ち込んだ。

つまり、EUが大騒ぎになるのだろうけど、それはニジェールが原子力発電大国のフランスを支える、ウラン資源の供給国だからである。
もちろん、採掘には奴隷的労働が貢献している。

EUのエネルギー分断策でもあるし、あるいは、世界経済フォーラムの秘蔵っ子、マクロン氏への鉄拳か?

あれれ?でもワグネルは、プーチン氏に楯突いたのでは?

上の駐在員氏によれば、未確認だがモスクワでのもっぱらの「噂」は、ウクライナやアメリカを油断させる、「狂言芝居」だった、といわれているそうな。

22日の南アフリカでのBRICs首脳会議で、新通貨の話があるのは何度か書いたが、あのヌーランド国務副長官代行も、アフリカ歴訪をして悪だくみを仕込んでいる。

ヨーロッパの闘いが、とうとうアフリカに拡大したけど、なんだかやっぱり、「第一次大戦2.0」(アフリカ戦線)の様相なのだ。

だが主導権は、ロシアにある。

これは、客観的な見方なのだ。

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