「民間の知恵」なるウソ

キャリア役人が、「民間の知恵」というときは、たいがいがウソであるけど、なんでそんな見え透いたウソをいうのか?といえば、そういった方が「予算がつく」からである。

すべての役人は、いわゆる「政府部門」という経済分野に棲息している生き物なので、じぶんたちで新しい価値は絶対につくれないのをしっている。
「つくらない」のではなくて、つくれない、のである。

ここでいう「政府部門」というのは、経済主体の議論をするときの用語で、経済主体にはほかに、「企業部門」、「家計部門」、「海外部門」とでできている。

企業部門は、価値(財やサービス)の生産者のことで、行動原理は「利潤の最大化」だ。
家計部門は、価値(財やサービス)の消費者のことで、行動原理は「効用の最大化」だ。
海外部門は、貿易や投資のことで、行動原理は「国際分業による利益を得る」だ。

そこで、政府部門とは、経済の調整役といわれているものの、できるのは「公的需要の充足」でしかない。
ただし、ケインズがいう「有効需要創出」のため、政府はムダを承知であろが財政出動すれば、不景気を好況にさせることができるというので、「ケインズ革命」といったのである。

つまり、企業やら家計やら海外やらの他部門から、どんなに「ムダ」といわれようが、それが有効需要拡大のためという大義を得れば、たちまち「公的需要」という位置づけになるのである。

この意味で、国富を政府が分配する社会主義を完成させたのが、ケインズであった。

しかし、念のためケインズの言い訳を書けば、彼は、この悪魔的方法は、「不況のときだけに用いる」と念押ししている。

しかし、旧約聖書のモーゼ五書を読めばわかるように、民の不平は恒常的にあるものなので、これらぜんぶに対応しようという、「優しい政府」は、常に有効需要を拡大するという言い分で、とにかく国富を分配したがるのは、ほんとうはぜんぜん民に優しいのではなくて、自分たちの利権を貪るのがその動機に変容したのである。

なんといっても、わが国でもっとも難関な就職テスト、「国家総合職」に合格したのだから、少しは「司法試験」や「医師国家試験」にリスペクトする態度は示すが、予算を配分する最高位の立場となれば、司法試験であろうが、医師国家試験であろうが、「くれてやる」ということでの君臨をする精神状態になるのも当然なのである。

つまり、「飼い主」の立場で、しっかり飼い犬をコントロールしているのが、政府部門ということになっている。

なので、そんなやからが、「民間の知恵」を本気であるとかんがえているとかんがえるのがどうかしている。

ありっこない「民間の知恵」をいって、飼い犬たちがシッポをフリフリして喜ぶほどに、「ういやつよのう」といって、さらにナデナデしてくれるのを喜ぶのは、もう自虐を超えて、「奴隷の歓び」というのである。

そうやって、飼い主の役人は、奴隷から集めた資金を、ちょっとだけ奴隷に還元して、残りの多くをピンハネしても、そのちょっとに喜ぶ奴隷たちは、飼い主がピンハネしていることすら気にもとめない。

目の前にある、エサだけが、自分の取り分だとして、まったくもってフードアグレッシブなダメ状態であっても、飼い主はただ黙ってみているだけなのだ。

すると、人間が、犬以下に調教されているとわかる。

これが、どちらの業界(犬種)にも使えることに気づいた飼い主は、さらにカネを得ようとしたのが、観光業界なのである。

なんでも、訪日外国人たちが、たいそうなおカネを落としていくではないか。
これをどうやって横取りするか?

勉強エリートたちは、法改正とかなんとかをやって、懐を暖めるのである。

しかし、観光業が束になっても対抗できない、もっとうまい餌をみつけた。

それが、NTTなのだ。

国民は、NTTが民営化されたと信じているが、とうとう、「NTT法の廃止」を画策している。

兆円単位のカネがうごめきながら、電電公社から引き継いだ国民資産が、外国に売却されようとしているのである。

はたしてこれは、海外部門も、政府部門の軍門に降ったことを意味する。

のこるは、「家計部門」だけになったけど、電子決済を普及させて、征服しようとしているのは目に見えている。

完全なる共産主義社会が、もう目前にあるのである。

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