ミレイ大統領の歴史的演説

昨年、12月10日に、アルゼンチン大統領に就任した、経済学者のミレイ氏が、なんと、17日、世界経済フォーラム(ダボス会議)で演説していた。

この演説に日本語字幕をつけてくれたひとがいるので、まずはそちらをご覧になるといい。

わたしの記憶するところでは、プーチン氏を嚆矢として、今回のミレイ演説は2例目で、世界経済フォーラムを大批判する演説を、世界経済フォーラムで披露したことになる。

演説内容は、「(日本も含む)西側」への耳の痛い警告であって、おなじことを、100年前に経験したアルゼンチンだからいえるのだ、という論法は、自虐というよりも事実なのは、大統領自身が示す「データ」でも明らかである。

これは、プーチン氏が挙げた、ロシア人は「ソ連」で経験済み、という論法とおなじだ。

もはや、こんな「経済演説」をする、経済担当大臣も絶えたわが国は、OECD中で最も深刻な経済状態になっているのに、もっと社会主義化をするというのは、ミレイ氏がアルゼンチンの例で示した失敗のシナリオそのものなのである。

これを、貧困へのスパイラルという。

世界トップ10にあって、資源国でもあったアルゼンチンは、社会主義政策へ転換するや、わずかの期間であっという間に転落し、それからずっと低迷したままの状態を強いられてきたのは、一度、社会主義が進むと、なかなか元に戻れない状態に国民がなるからである。

天から降ってくる補助金を、自分にだけは欲しい、という国民の乞食化で、選挙において社会主義政策をいわないと、もはや当選すらも危うくなる。
対立候補が、社会主義を礼賛するからだ。
これぞ、民主主義が社会主義を推進する、悪魔的原動力なのである。

マルクスは、資本主義が格差社会をつくって、やがて社会主義社会をもたらすのが必然だという、虚言を吐いた。

そうではなくて、成功した資本主義がもたらす「富」を、国家が分配するという、一見よいことに見えるが、その配分を誰が決めるのか?についての議論はない。

そうやって、恣意的な配分が、平等を欠く、という不満をつくりだし、なんだか万遍なくくれるようになると、こんどは貧困層に手厚くせよという正論じみたことをいいだすひとがでてくる。

こうやって、公金チューチューのNPOが雨後の筍のごとく現れて、真面目なNPOとの区別すらつかなくなったのである。

まったくもって、ミレイ氏がアルゼンチンの歴史で教えてくれる経験からの、悪夢のような社会を、どうして西側社会は自らつくりだしたいのか?

それは、支配欲なのではないかと、よくこの会場で言い切ったものである。

動画から会場の詳細な様子はわからないが、なんとなくイラついている感じがある。
ただ、席を立つひとはなく、最後までおとなしく聞いてはいるが、熱狂的拍手があるはずもない。

ここで拍手したのは誰か?

と、シュワブ氏が会場の監視カメラを分析させているのではないかと勘ぐるのは、世界経済フォーラムの全体主義がそれを正当化させるだろうからである。

そして、拍手した人物を特定したら、なんらかの制裁を課すにちがいなく、そのなかで、ミレイ氏の演説内容が理解できなかった、という「愚か者」としての評価が、もっとも軽いのではないかとおもうので、続々とわたしは愚か者ですと、自己批判させられるのだろう。

そうして、組織の末端に追いやられても、この組織にいられずにはおかないのは、もうヤクザとおなじだからである。

経済オンチが記事を書いて、日本国中に垂れ流している日本を代表する経済新聞は、さっそくに皮肉を込めて記事を出したようだが、ようは、世界経済フォーラムに日和っているお仲間だと自白しただけだ。

このミレイ氏の快挙を、アルゼンチンではどのように伝わったのか?をしりたいし、ミレイ氏が信奉しているトランプ氏の反応も、よくわからないでいる。

もちろん、正統な自由主義経済学の立場からのコメントも、日本語でみることはないのは、日本の経済学が、政治的に社会主義化を推進するための「学」に成り果てたからである。

それは、上述のリンクを張った「動画」の提供元が、「自由主義を学ぶ会(山本勝市読書会)のチャンネル」とあって、いまや、わが国でも自由主義経済学が抵抗勢力とされているからである。

ハイエクの『隷従への道』と、元自民党衆議院議員にして経済学者だった、山本勝市の『福祉国家亡国論』は、いまこそ日本人が読むべき指標であって、ミレイ氏がこれを後押してくれた。

『隷従への道』の出版元は日経で、この新聞社では、この名著を記者に必読とさせていないか、記者が読んでも理解できないのかのどちらかなのだろうし、大荒れの自民党も、かつて自党に山本勝市なる優れものが在籍していたことも、忘れたか、山本氏の言い分を理解できないかのどちらかなのである。

それでもって、理解できない愚か者です、と自認したほうが、どうやらこれらの組織では生きていけるのだろう。

これを、「隷従」というから、もう「道」の突き当たりにきているのだ。

しかして、懲りないグローバル全体主義たちは、英国政府をして第二次フォークランド戦争を引き起こして、アルゼンチンに報復するかもしれない。

ミレイ氏の覚悟は、この制裁を当然に予想していることだろう。

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