9000人の人事を要する政権交代

一口に「政権交代」といっても、お国によって意味がちがう。

アメリカ連邦政府の場合、約9000人の人事異動(大量解雇含む)がある。
ようは、9000もの役職ポストが、新旧交代するということである。
そのリストが、『 The United States Policy and Supporting Positions』だ。

表紙の色から「プラムブック」とよばれている。

あと一週間になったアメリカ大統領選挙は、すでに「トランプ2.0」が確実視されているので、興味は「政権交代の実務」になってきた。
就任式までの数ヶ月で、大規模な人事配置を成功させなければならないからである。

この意味で、「トランプ1.0」で世界に衝撃を与えた、「わがままな大統領(暴君)」ということの実体が、「政権交代人事の失敗」に由来したことがわかってきた。
あのころの彼は、当選を意識していなかったために、「政権移行チーム」を、当選後に発足させるという、痛恨のミスをおかしていたからである。

しかも、実業家だった彼には、「ワシントンの沼」の実体を知る由もなかった。

だが、「トランプ2.0」では、しっかり学習して、昨年から政権移行チームを発足させているし、そもそも大統領退任直後からフロリダの別荘にて、人事研究をはじめていた。

「人事は万事」なのは、企業経営の鉄則だが、国家運営でも同様なのである。

おおきく分けて、アメリカの官僚ポストには、3種類ある。
・連邦上院の承認が必要なポスト(日本でいう「閣僚級」と「特別職国家公務員」級)
終身官僚(SES)の資格者がつくポスト(日本でいう「国家総合職」級)
・「猟官制」によってつくポスト

第7代大統領だった、アンドリュー・ジャクソンが定着させた「猟官制」は、そもそも法の執行機関たる行政官僚に政策立案力などは余計で不要であるという理由があった。

このために、アメリカでは「バカが公務員になる」という常識があった。

優秀な学生は、超優良企業に就職するか、あるいはもっと優秀な学生は起業するのが常識で、公務員試験を受けるのは行き先のない成績劣等のおバカだといわれていたのである。

しかし、敗戦国の日本の官僚制が、日本経済をけん引しているという驚くべき勘違い(わざとか?)を理由に、猟官制でやってくる無能な管理職を制御するための屋上屋たるSESを民主党政権(カーター時代)が創設したのである。

これを悪用急増させたのが、オバマで、彼の8年間で数千人を新規採用している。
これを、「オバマ・チルドレン」というように、左派に偏向したエリートを大量採用した。

こうして、ハーバードやら何やらの世界的有名校が、SES供給源として、みじめな「東大化」をしたのである。
それもこれも、グローバル全体主義をアメリカで実現するための準備なのである。

なので、ディープステート(陰の政府)とは、このSESを中核組織としてアメリカ政府を牛耳っているといって過言ではなく、彼らの排除を「トランプ1.0」から発言しているのは、それが現実の存在だからである。

すると、上記9000人の中の半数近くが、SESだとかんがえられる。
くわしくは、「プラムブック」を確認する必要がある。

ところが、SESの採用条件が、「終身」なので、解雇しようにも面倒なことになる。

日本の官僚制よりもより強力な官僚制にするのがこの制度をはじめる目的だったから、日本にない「終身制」にした経緯があるし、超有名校の生徒を引きつけるために、新任からの年収も大企業の部長・役員級としたのだった。

それでも、「トランプ2.0」では、しっかり「SESも解雇する」と明言しているので、激しい攻防(身分確認のための集団訴訟?)となることがいまからでも想像できるのである。

それで、偏向エリートの供給源である、有名大学に補助金を出す「連邦教育省の廃止」も、公約になっているのは筋が通っている。
逆に、バイデン政権が学生ローンの援助をやろうとしたのは、SESと供給源の大学に対する手厚い保護のことだった。

しかして、第二次大戦の原因にも、アメリカ投資銀行の陰があって、彼らが大量資金投入した軍需産業の利益向上のためだったことが、ウクライナ支援による利益享受の構造とかわらない古典的なやり方だとわかってきたのである。

それも、いまよりずっと大胆で、アメリカばかりかドイツと日本の軍需産業にも大規模投資していたので、これら三国の若い兵士は、自国で生産された武器の餌食となった悲惨がある。
これを背後で操ったのが、ウインストン・チャーチルである。

こうしたパターンが繰り返されるなか、小泉純一郎がいったように、「古い自民党をぶっ壊す」という名目での、たとえ見せかけにしても国益優先の古い発想をかなぐり捨てて、外資のいいなりこそが支配層だけを儲けさせるとして、大胆な売国政党に衣替えした。

こうして急速に国民が貧乏になったわが国で、『共産党宣言』にある、「教育無償化」が礼賛されるようになったのである。

そんなわが国のことは横におき、アメリカでは大統領の政府内人事をフォローするのが連邦上院なので、この議席数をいかに確保するかだけでなく、RINO(名ばかり共和党員)の代表で、上院院内総務をもって君臨していた、ミッチ・マコーネルの後任人事も重大な意味をもっている。

つまり、政権交代とは、政党や構成員の政治家が入れ替わるだけなんてものではなくて、政府そのものが入れ替わるものだと、トランプ氏は見せつけてくれるだろう。

「小さな政府」を想像できない

日本語では、あたかも低予算政府やらを想像させるような言葉であるけれど、英語でいう「Limited Government」の方が適切なイメージになる。
これは、オリジナルが「Limited Government」で、それを日本語にした順番からの伝言ゲーム的な勘違いを誘発するからだろう。

もちろん英語でも、「Small Government」ということがあるので、「小さな政府」という訳は、こちらからの直訳だろう。

英語を、「英国(さらに連合王国のなかのイングランド)の言葉」と定義すれば、それはそのままこの国の歴史を背負っている言葉であるといえるから、そこからあらためて「Limited Government」とはなにか?を検討すると、王権を制限してきた歴史があらわれてくる。

日本には幸いにも、このような歴史がない。

あるのは、政権交代であって、中国にあった姓氏革命のごとき転覆は、源平合戦が似ているが、だからといって朝廷が滅亡したものではない。

そうやってかんがえると、英国の王朝と中国の歴史は、日本よりもよほど似ている。
ただし、ピューリタン革命と名誉革命があったイングランドは、決定的に中国ともことなる。

王権をどうやって制限するのか?は、その後の自由経済にとっても重要な原点になっていて、それが「オーストリア学派=ウィーン学派」によって精錬される。
ところが、この学派は現代の「主流派(アメリカ経済学会を中心とする)」からは、異端扱いされている。

経済学に数学を持ち込んだ、ポール・サミュエルソンの『新古典派総合』なる、ケインズ経済学の発展形をもって、アメリカに社会主義経済が定着したのである。
もちろん、ウィーン学派には、ケインズと論戦したハイエクがいる。

わが国は敗戦によって、アメリカによる征服が固定化されていることは、この間の衆議院議員総選挙でよくわかったのだが、よくわかったひとが少ないために、ああした結果になった。

それが、あと一週間にせまった大統領選挙でアメリカ民主党の地滑り的大敗北が予想されているのに、相変わらず共和党トランプ陣営の主張が日本人に理解されていない。
それもこれも、日本が『無思考国家』になったからである。

これを、「イネプトクラシー:Ineptocracy:無能者の支配する国家体制)」という。

わが国は、バブル崩壊以来、イネプトクラシー国家になった。
この国家体制の特徴は、文字どおり無能者による政治のことであるが、それは民主主義の原則にてらせば、主権者である国民の無能をさすことに注意がいる。

ゆえに、無能集団の国民の中にあって、そこから選ばれる者も無能者ばかりになって、とうとう国富を食い尽くす「蝗害」のようなことがおきるのである。
かんたんにいえば、「バラマキ」のことだが、これがケインズ理論と結合すると、有効需要が高まるはずという詭弁によって、一部の利権者が潤う体制となるのである。

しかし、それがどんな「乗数効果」をうみだしたのか?むかしの「経済企画庁」なら計算して発表したろうに、いまはなにをやっているのか?
おそらく、バラマキの対象範囲が狭すぎて、効果なしと出るのでだんまりを決めているにちがいないのは、与党から睨まれるのがうっとうしいからなのだろう。

対して、トランプの共和党は、自由主義を起点に置くから、政府による国民からの収奪(増税)を、私有財産権への侵害(攻撃)だとみなす。
だから、第一に「減税」を主張するのである。
そうやって、第二に「バラマキ」のための蛇口も閉めて、個人や企業活動を活発化させる。

これが、「小さな政府」の姿である。

「トランプ政権1.0」によって、オバマ時代の不況から空前の好景気なったのは、この政策が効いたからだし、レーガン時代もこれで乗り切ったのである。
しかし、わが国自民党政権の中曽根康弘内閣は、「土光臨調」の看板を利用して、中途半端な民営化だけでやった気になり、肝心要の「減税:税体系のシンプル化」に着手することはなかった。

つまり、明治以来、日本人は「小さな政府」をしらないから、想像もできないのである。

こんな制度上の前提条件があるのに、GHQが設計したひどい教育制度で国民が「無能者」にもさせられたので、絶望的なイネプトクラシーになったといえる。

過半数を切った自公政権がどう「野合」するのか?の組合せ論になったけれども、とにかくアメリカの大統領選挙によってわが国はおおきく影響される。
トランプ派共和党にもっとも近しい日本の政党は、参政党しかないので、衆議院でたった3議席でも「キャステキングボート」を自称するのは彼らとの窓口になるからである。

それをぶち壊したい勢力(アメリカ民主党のポチたち)が、表面的現象だけをなぞってイネプトクラシーを増長させる努力をしているのである。

懲りないのではなくて、たんなる家畜の管理者になりたいだけの愚か者たちである。

Madison Square Garden での熱狂

日本の総選挙開票状況なんてぜんぜん気にしないで、同時刻の地球では驚くべき熱狂があった。

そもそも共和党の大統領候補が、東海岸の民主党の牙城、ニューヨーク州どころではないその本丸、ニューヨーク市マンハッタンのド真ん中にある「Madison Square Garden」で選挙キャンペーン集会をやっても、だれが集まるものか?という常識をひっくり返して、開場の前日から徹夜で順番待ちするニューヨーカーが多数いただけでも歴史的ニュースなのである。

じっさい会場にはキャパ満杯の2万人がおり、会場外には7万人以上があつまった。
それで全参加者の47%がトランプラリー未経験者だと、同エリアにWi-Fi接続した各自の端末に保存されている行動記録情報から分析された。

この技術は日本企業が開発したものであるから、まっ先に日本国内のコンビニや有名デパートに採用されて、入店した顧客個人がもっているスマホの行動記録にアクセスしてビッグデータとしてマーケティング分析の対象となっている。

スマホが自動収集する位置情報記録は、所有者がしらないうちにほとんどの個人生活を特定し、分析できるまでの正確さを持っているが、個人情報そのものにアクセスしてはない。
わたしが、「LINE」「Payなんとか」を利用しない理由は、この方法とはちがってもっとあからさまな個人情報(購買記録とか)を勝手に盗まれるからだと書いてきた。

さてこの熱狂に、民主党(言いだしっぺはヒラリー・クリントンらしい)は傘下のテレビ局やらに、戦前のむかしにこの会場であった「ナチスの大会」記録を引きあいにして、トランプはヒトラーだというキャンペーンを打ちだし、これをまた日本のマスコミがなんの注意も加えずにコピーして垂れ流している。

そうした歴史をいいだしたら、フランクリン・ルーズベルトも、ビル・クリントンも大統領選挙の際に、ここで選挙集会をやっているのをどう説明するのか?

ここは、世界都市ニューヨークを代表してきた巨大アリーナ、「Madison Square Garden」なのだから、政治家だけでなくエンタメも「時のひと」が集客に利用する当然がある。

さてそれで、登場した応援弁士たちの顔ぶれも豪華であった。

なかでも注目は、民主党を追い出された共通の経歴をもつふたり、ロバート・ケネディ・Jrと先週、共和党に入党宣言した、ハワイ州選出の民主党連邦下院議員(4期)で、さらに前回の2020年の大統領選挙では民主党予備選で最後までバイデンと並んでいた、トゥルシー・ギャバードが登場し、ほぼ民主党支持者ばかりのはずの会場を熱狂させたのである。

追い出された、というキーワードでは、タッカー・カールソンも熱い演説をやった。

将来の「初の女性大統領候補」にもっとも近いと評判の、トゥルシー・ギャバードの出身地であるハワイには、残念ながら、トランプ氏は選挙人票が少ないためにでかけていない。
ここは、オバマの出身地(じつは出自は不明)であり、また彼の豪華な別荘もあるが、あの大火災では被害を免れているラッキーがある。

いまや、世界中で「社会調査」の信用度がおちて、単なる世論誘導の手段になってきているために、しかける側も実態がわからないという状況になっている。
だから、トランプ陣営がいまさら敵陣のド真ん中であるニューヨークに乗り込んで、たかだか数万人を熱狂させても「なんぼ?」の結果になるかはだれにもわからなくなっている。

しかし、そこは先進国のアメリカなので、奴隷化・家畜化が進行している日本とちがって、ネットの発信力もちがうし、受けとめる側の感受性もまだ高いようだ。
とくに、民主党支持者がおおい、都市部における影響力=伝染力があるために、ニューヨークでの熱狂が他の州や都市に飛び火する可能性は十分にある。

これに、勝ち馬に乗るのと、視聴者の数が稼げることからの、ちゃんとした商業主義が首を出して、民主党応援団だったマスコミが急速に「トランプへの鞍替え」も開始しているし、大統領選挙と同時に行われる議員選挙では、民主党候補が自身を「親トランプ」だとするキャンペーンをもって、ちゃっかり人気便乗をはかっているのである。

このあたり、儒教的道徳感が残る日本では逆効果となろうが、アメリカ人の「肉食の思想」では、気にしない。
なにがなんでも「勝てば官軍」なのであって、露骨だろうがなんだろうが負けてすべてを失う行動選択は、「肉食の思想」の有権者からもバカ扱いされるのである。

それは、選挙資金集めの制度が、わが国よりもずっと緩いこともあるからで、こないだはビル・ゲイツが個人のポケットからこっそりと、5000万ドル(約75億円)を「領収書を必要としない」選挙資金として合法的に民主党へ寄付していたことが発覚したことでもわかる。

総額で50億円ほどだった、わが国の自民党「裏金問題」のなんとちんけなことか!

そういえば、前回2030年の大統領選挙では、フェイスブックのザッカーバーグが、やっぱり個人で500億円を民主党に寄付していたのは、本人も認めている。
これが、不正行為の源泉の一部になったともいわれている。

だが、「一部」なのだ。
アメリカの選挙は徹底的な金権選挙だ。
ゆえに、選挙そのものがビジネスになって、集金から宣伝製作・家庭訪問まで専門の職業が存在するにまでなっている。

日本の公職選挙法が逆手の「柔術」的なのに対して、アメリカは順手の「合気道」的だ。

今回は、イーロン・マスクが共和党の応援で、残り2週間ほどの期間に、合法的な新規の有権者登録者に抽選で毎日、100万ドル(約1億4千万円)を差し出すとしたのは、日本では御法度だが、それでも上記のひとたちと対比したらあんがいと小さな金額なのである。

これが合法なのは、当選者がじっさいに選挙投票をするかしないかも本人の個人的な判断で、どこにも強制がない自由だからという理由である。

まったくもって、「肉食の思想」のひとたちは、大胆かつ豪放なのである。

このことで日本人をうんぬん言いたくはないが、「草食」の弱々しさが目立つので、これがまた精神的にも彼らとの競争で負ける経済衰退の理由になっているのだろう。

そんなわけで、トランプ陣営はこないだ書いた「地滑り(landslide)的勝利」を狙い始めていて、31日だかにやはり歴代共和党候補者が選挙集会を開催したことがない、「ニューメキシコ州」でやると発表された。

怒濤のようなスケジュールをこなす、78歳のパワーは、すこしあやかりたいという気もする。

いい意味で発想に柔軟性もあるトランプ氏は、「TikTok」のアカウントも持っているが、いまアメリカではトランプ氏が登場するときと退場するときの音楽にあわせて踊るあのダンスが、大ブレークしている。

投票を終えた老若男女のひとたちが、投票済みの半券をカメラに見せてこのダンスをはじめるのである。

こういうのが大流行するというのは、「隠れトランプ支持」でないと攻撃された前回とは雲泥の変化で、もう結果も見えているといえるのである。

それゆえに、日本の(強制的=矯正)変化も来年は必定、ということが具体的にスケジュール化されるということなのである。

祝3議席! 参政党

27日に投開票の第50回衆議院議員総選挙は、28日未明に全議席が確定した。

大筋で与党の大敗が大々的に報じられるなか、わたしが注目したいのは、「参政党」の獲得議席数がどうなるのか?であった。

結果は、比例ブロックでの3議席獲得!である。

どこかといえば、九州、近畿、南関東で、期待された東海、東京、北関東、東北ではほとんど及ばなかった。
たとえば、東京だとザッと5万票も足りなかった。

とはいえ、事前の予想・作戦通り、西高東低の傾向がそのままの結果となったので、戦略的に間違いはなかったともいえる。
このあたりは、各州選挙人票総取り方式のアメリカ大統領選挙とはまたちがう、戦略のたてかたが重要なのである。

ただ、先にルールがあるとはいえ、わが国の国会議員選挙は、衆議院と参議院でそれぞれ微妙な設計がなされており、とくに衆議院の「小選挙区制」の弊害に、大政党と現職に有利があることは否めない。

なにを選ぶのか?はいうまでもなく、「国政」なのだから、地元利権に密着しやすい方式ではなく、むしろ現行の地域ブロックを基準に、全国比例を加えるのがよいのではないか?とおもう。

参議院は、「貴族院」にもどして、たとえば500年以上続く伝統ある各界の代表を100人ぐらい選ぶことで、「良識の府」とし、衆議院の浮かれた議論に水をさす機能に特化させるのがいい。

さて、わが国の公職選挙法上の「政党要件」は、ふたつの条件があって、どちらかが満たされればよいとされている。
・衆参両院あわせての所属国会議員が5人以上
・直近の国政選挙における有効投票数が2%以上

前回(2022年)の参議院議員普通選挙で、参政党は1議席だったが、投票数で要件をみたし「国政政党」に認定され、政党助成金の対象となった。
今回も議席数では及ばなかったが、投票数ではずいぶん伸びたので政党助成金も増額が見込める。

今回の3議席で、あと1議席を加えれば、議員数における要件も満たす。

すると、来年の参議院議員普通選挙が注目され、おそらく確実に当選者を出すだろうとおもわれる。

ただし、これにはアメリカの情勢も加わって、トランプ氏の大統領就任と、連邦上・下両院での共和党の状態、すなわち過半数超えがあと10日ほどにせまったなかで実現するのか?による。

すると、来年1月からのアメリカの新体制は、国内ばかりか同盟各国にもかなり大胆な路線変更を要求するにちがいなく、当然ながら「左派的」な石破政権やらはもたない。

つまり、来年の参議院議員通常選挙は、衆議院議員総選挙とのダブル選挙になる可能性が高いとみる。

テレビを観ないから、わが家には影響しないが、どうやら日本放送協会の『日曜討論』の選挙特番に参政党も参加できて、ブーストがかかったというからまだまだテレビに影響されるひとがたくさんいる。

対して、民放各局は、「政党要件」を無視して、参政党も存在がないがごとき扱いを受けていた。
放送法違反の嫌疑がかかるが、わたしは、これを超越できる唯一の勢力たるアメリカ大使館(CIA=アメリカ民主党政権)からの要請があったとかんがえている。

だから、トランプ政権になると逆転するのだとおもわれる。

なにせ、民放テレビ各局の「親会社」たる、新聞各社は、ちゃんと参政党の動向も報道していたからで、ひとつの「裏」がとれる事態となったのである。
しかして、アメリカ共和党トランプ派に近い参政党に嫌がらせを行うことは、アメリカ民主党としては当然になるのもわかりやすい「答合わせ」なのである。

だから、それでもとった3議席の意味は自民大敗よりもずっとおおきいニュースなのである。

選挙不正をかんがえる

「選挙 不正 日本」というキーワードで検索すると、それなりの事例や論文がヒットする。

もちろん、「事例」はマスコミが報道した事件性のあるもの、すなわち逮捕者がいるのであって、「論文」もマスコミ報道に基づいての分析であるから、原点にマスコミがあるという共通がある。

日本の風習は、「逮捕=有罪」との見方をするのであるが、どれほどが「起訴」を経て、「有罪確定」したのか?を調べると、あんがいと逮捕後の報道がない放置がふつうだから、最終的な確認ができない。

ようは、氷山の一角だといえるのである。

わたしが興味のある不正とは、候補者やその後援会の内部者といったお決まりの構造ではなくて、住民による地域ぐるみによるものの実体と方法なのである。

これは、前に書いた田原総一郎の生涯唯一の傑作、『原子力戦争』における、あの福島第一原子力発電所周辺地域における、恐るべき告発をイメージするからである。
なお、この作品は、同名の映画(1978年、黒木和雄 監督、 原田芳雄 主演)にもなっている。

この作品で、田原が告発したのは、行政(「町」や「警察」、「消防」など)にマスコミの支局、漁協などだけでなく、そこに原発の生活保障たる補助金で怠惰に暮らす人々という、まったく別世界的な「町ぐるみ」の実体である。

だから、ほんの少しの「事故」を、地元のマスコミ支局が針小棒大に報道することで、町民にはさらなる補助金収入が増える構造が、なんと住民全員をパブロフのイヌ化させて、事故を待ち望むにまでなるというのである。

さすれば、ここから想像できる場面は、選挙にも及ぶ。

こうした構造を維持させる「保守」と、原発反対の「革新」とのお決まりの対決構造も、「保守」が圧勝するのは、どんな方法であれ、それが利益になるからである。

当然ながら、選挙管理委員会の職員も町民だから、どんな方法でも実行できる、というブラックボックスができるのである。

勝手ながら、マンガのような実体があったのではないか?と想像している。

しかし、それがいかほどに与党に都合がいいかを拡大解釈すれば、悪貨が良貨を駆逐するがごとく、全国に伝染するのは道理である。
そうやって、補助金漬けという「麻薬中毒」にさせられたら、もう二度と正気にはもどれないのも道理なのだ。

これがまた、国家予算が膨張する原動力になっていて、国家予算の使途不明金も膨大な金額になっていることの道理なのである。
しかも、もう会計検査院は限界を突破したので、「薬中国家」としてだれにもわからないのがわが国の実体になってしまった。

だから、国会で追及しても、平然と答弁拒否がまかり通ることになっている。

大正期の政党の腐敗が歴史として習うことになっているが、無邪気なレベルでの不正選挙があっても、いまほど整然としたシステム化までには至っていない。
しかも、多数の国民は、選挙で不正があることすら想像もしないように訓練されているのである。

まったくもって、『家畜人ヤプー』が現実になっている。

アメリカとはちがって、スマートに不正をやる。
これぞ、官僚国家のエリートたち(総務省・旧内務省)が仕切る選挙であって、堕落した民主主義はこれに住民を実行者としてやらせる仕組みを完成させていないか?

わたしの妄想的な疑いは、晴れないのである。

明日の投票行動で

衆議院総選挙2024で、ほとんどなんの情報提供がなされないのは、あいかわらず「最高裁判所裁判官国民審査」だ。

アメリカ民主党バイデン政権がやった、司法の武器化は、そのまま自公政権のわが国にも輸入されていないか?

さらに、バイデンは大統領選挙終盤のここにきて、アメリカ軍の治安出動(アメリカ人にアメリカ軍が発砲できる)に関する大統領令に署名した。
民主党としてあくまでも、「1月6日事件」の首謀者をトランプに特定したことの、「防止措置」らしい。

さて、選挙公報がわが家に届いたのは、24日のことだった。

期日前投票は、16日~投票日前日の26日までだから、選挙公報がなくてなにを基準に「国民審査」をするのか?がわからない。
なにせ、どの媒体でもあたかも避けるように報じないからである。

つまり、情報が選挙公報以外で提供されないこと自体で、司法を武器化しているのである。

「袴田事件」で、とうとう無罪判決がでて、どうしたことか管轄の静岡県警本部長が直接謝罪することがニュースになったが、裁判長も判決において謝罪している。
ならば検察は?といえば、トップの検事総長は妙な談話を発表し、到底不服だけれども控訴しない、という日本語での論理不明をいいのけたのである。

検事をどうするのか?

これが、わが国の官僚制では、全面的な無謬性として確保されていて、国民は法務官僚の仕組みすらしらずに生きている。
法務省は、司法試験に合格し検事任官者たちが仕切る省庁なので、公務員試験の他の省庁とはぜんぜんちがうのだ。

さてそれで、最高裁判所裁判官は長官を含め6人いる。

学歴がどこまで有効なのか?は、社会人だとあまり関係ないことに気づいたりするものだが、官僚世界ではそうはいかない。
東大法学卒が5人、京大法学部卒が1人という構成になっている。

この多様性のなさは、「多様性」を押しつけているマスコミからしたら異常に映るだろうけど、なにもいわないのは、権力への忖度ではないか?

結局、司法の問題は、立法(国会)と、行政(官庁)と似たような、あるいは隠されているという点では、立法と行政よりも深刻なのではないかと疑うしかないこと自体が、すでに深刻さをあらわしている。

その意味で、『大岡越前』とか『遠山の金さん』とかといった、娯楽時代劇のなかの「お裁きもの」が果たした日本人への洗脳は罪深い

「お上」の正義が決めることへの反発は、人間的にゆるされないこと、という刷りこみではないか?と疑うのは、わたしが異常なのか?

東京フォーラムと有楽町駅近くにあった、北町・南町奉行所跡は、ビル群の下になってしまったが、それぞれを「月番」として権力の分散をはかった制度設計の妙は、明らかに同時代のヨーロッパ諸国よりも進んでいた。

江戸幕府の官僚機構には、大名をあてたのであったし、相互の監視・牽制の制度もあって、テレビドラマのような不正が発覚しようものなら、「お家取りつぶし・断絶」という恐怖が控えていた。

この点で、近代はずっと無責任がはびこる制度になっている。

以上から、あらためて選挙公報にある、最高裁判所裁判官国民審査の記事を読むと、この内容がわが国最高知性なのか?と驚くしかないお粗末で、中学校の生徒会の方がよほど緊張感があるのではないか。

なぜなら、子供は忖度なしであるのはもちろん、そもそも生徒会役員をだれも「偉い」と思ってなんかいないからである。

とうとう日本のテレビも、カマラ・ハリスの失速を報じだした。

まったくもって残念ながら、アメリカの体制がどうなるかでわが国の体制もかわる。

これはこれで、議員投票もお気軽ができるのであるが、トランプ氏がプーチン氏のロシアと同盟するといった公約が実行されたら、どうやってこれに乗るのか?が観ものなのである。
それに、選挙のやり方も、連邦法をもって改善するだろうから、日本でも「選挙法」が政治日程にあがる可能性がある。

もちろん、トランプ氏は司法省=検察に手入れをするはずで、これもまたわが国に波及する。

しかしながら、アメリカ軍がでてくる事態とは、いったいなにを民主党は企んでいるのかが、不気味なのである。

ウクライナからモルドバにシフトするのか?

グローバル全体主義による家族の破壊政策は、「LGBTQ」に代表されるジェンダー思想の発明が武器化して、とうとう、女性から母性を奪う価値観が上書きをはじめた。

進歩思想という名の共産主義が、民主主義国のおおくを席巻しているのは、経済的余力による「致命的な思い上がり」が原因だろう。
しかし、ぜんぜん経済成長をしなくなったわが国では、ひと世代を超えてもまだ「優秀な経済官僚」への依存という、驚くべき思考力の劣化が先になったのである。

進路・路線変更もできない理由である。

アメリカではカマラ・ハリス、ヨーロッパは先行して、ウルズラ・ゲルトルート・フォン・デア・ライエンがいる。
さらに、EUは、6月にバルト三国のエストニア初の女性首相だった、カヤ・カラスを外交安全保障上級代表(外相に相当)に据えた。

このひとは、徹底した「反ロシア」で有名で、「エストニアの鉄の女」との異名がある。
一方、ロシアは彼女を、敵対行為と歴史的記憶の冒涜の疑いで指名手配している。
これは、例によって「ソ連とロシアの区別」ができない典型例でもあるし、グローバル全体主義に堕ちたひとの思考としてフォン・デア・ライエンと合致する。

ソ連憎しの思想が逆転して、自身を全体主義に転化させてしまったのであろう。

さてそれで、そんな女性政治家のシリーズから、カヤ・カラスと似たもの同士に、モルドバの大統領、マリア・サンドゥがいる。
21日の、大統領選挙は得票で50%越がいないための決選投票になるほどであったが、同時に実施された「EU加盟のための憲法改正国民投票」では、あのバイデンジャンプのごとく突如賛成が伸びて、結果的に僅差で改正賛成と決まった。

決め手は、最後に開票された外国居住モルドバ人の投票だった模様だが、西側各国居住者とロシア居住者の「投票券割当」が、政府によって操作されたことが判明している。
なんと、ロシアの割当はたったの10000票で、その数倍がその他なのだ。

モスクワのモルドバ大使館を取り囲んで、順番待ちしたひとたちが「投票券なし」となって、追い返されていた。

サンドゥが「ヤバイ」のは、かつてのエリツィンのように、西側自由世界への盲信があると指摘されていることだ。
ようは、無条件に自由なら豊になれる、という無邪気な信仰である。

どうやらこれに、EUとアメリカ民主党が乗っかったか、あるいはその逆で、役に立つ白痴としてサンドゥをたぶらかしたのか?

それでまずモルドバをEUに加盟させて、ロシアと対決させるためにNATO軍を駐留させるかもしれない。
なんだか、隣国ウクライナの失敗を、モルドバで挽回しようという策略がみえてくるのである。

しかして、モルドバは経済状態としてEU加盟の資格があるのか?が疑問だが、なんでもありになっているなら、通貨ユーロが採用されたとたんに、歴史的に苦しい経済のドイツやフランスの域内大国から収奪されるのではないか?と老婆心ながら心配だ。

さらに、東側には、未承認国家の「沿ドニエストル・モルドバ共和国」があって、サンドゥのモルドバとの関係は悪い。
なにせ、沿ドニエストル・モルドバ共和国は、「親ロ」だからである。

つまり、この未承認国をエサにして、ロシアをが介入に誘い込めば、まったくウクライナと同様の戦争ができる!というわけだ。

けれども、モルドバはEU加盟国だぞ!という、ウクライナとはちがった条件が付いているので、いよいよ第三次世界大戦の危機がたかまる。

まったくもって、100年以上前になぜに第一次世界大戦が勃発したのか?よくわからないバルカン半島の状態が、こんどはおそろしく小さい、モルドバを発火点にする可能性があるのだ。

もちろんプーチン政権は、うかつにこの罠にはまらないだろうけれども、とにかく戦争は儲かるからやりたいひとたちは、麻薬中毒のごとく安易に儲かる戦争を求めている。

そんなきな臭い情勢をみてか?トランプが自身の当選のあかつきには、「アメリカはロシアと同盟する」という、戦争屋には衝撃的な発言をした根拠になったのだろう。

絶対に戦争が嫌い。

これがトランプがエスタブリッシュメントから嫌われる、最大の理由なのである。

「やらせ」マックのアルバイト

トランプ氏が、カマラ・ハリスが演説やらで自称している、「中間層の出身だからマクドナルドでバイトしたことがある」というウソを見抜いて自らマクドナルドで15分も働けば、カマラ・ハリスより多く働いた経験を先に作れる、として21日、ほんとうに店を訪問した。

店のオーナーに働く許可を得て、すぐさまエプロンに着替えると、フライポテトの担当として、ベテランさんからの指導を受けた。

そうやって作ったポテトを袋に詰めて、ドライブ・スルー担当の女性からの指導で、専用の窓から次々とやってくるお客に袋を渡すのだった。

お客の支払いはなし。
すべてトランプ氏の「おごり」だという。

数台の自動車が途絶えると、今度は周辺にいた取材陣からの質問をこの窓から受けてこたえた。
そのときの写真が、暗殺未遂事件の写真とともに大反響で拡散している。

それからカメラマン氏が店の外の沿道に出たら、見渡す限りのトランプ支持者がプラカードをもって、トランプ氏が現れるのを待っているのである。

マクドナルド社は正式にコメントを発表した。
・カマラ・ハリス氏は当社で働いた記録がどこにもない。
・だが、本日のトランプ氏のように、カマラ・ハリス氏が当社で働きたいというなら、大歓迎する。

これで、カマラ・ハリスのウソが全米どころか全世界に拡散したので、彼女の選挙チームは、経歴からマクドナルドでの勤務実績を削除した。

ネット文化として常識の「削除したら魚拓が拡散される」ように、大恥さらしとなったのだった。

これに、民主党は、トランプの「やらせ」だと大批判を展開した。

もちろん、誰が見ても「やらせ」である。
しかし、あろうことか反トランプの左派マスコミが一斉に、「二度も暗殺未遂を受けた人物が、無防備で現れるはずがない」と反論し、なんだか「トランプ旋風」が吹いているのである。

さらに、どうしたことかCNNの女性キャスターたちが集まって緊急討論番組を開き、全員が「トランプのどこが差別主義者なのかわからない」と語り合っているのである。

それもそのはずで、トランプ氏が最初の大統領選挙に出馬するはるか前、つまり、すでにニューヨークの不動産王にしてホテル王、そして、テレビのコメンテーターとして有名人だった頃に、彼自身の所有するホテルで、べルマンやルームサービスのウェイター、さらに客室清掃係となって、ベテラン従業員からの仕事の指導を受けているビデオをつくっていた。

そこで彼は、どの仕事に対しても、易しいものはないといって、職業に貴賎がないことを体で表現していたのである。
ときに、社長であるトランプ氏が現れて、おなじ制服をまとい、仕事の指導を受けている場面では、教える側の従業員がリスペクトの態度をもって接しているのがよくわかる。

社長だから、偉い人だから、ではなく、ちゃんと教わろうとしているひとへの自然な態度なのだ。

撮影は「やらせ」でも、中身は「マジ」だということだ。

これとおなじような解説をCNNがしたことが、事件、なのである。
つまり「やらせ」だったのは、「反トランプ」一色でいた自分たちの方であったと告白したも同然なのである。

人類の運命を決める投票日まであと二週間。

ハリケーンのようなトランプ旋風が吹きつつある。

政策選択に「減税」がない日本

27日投開票の衆議院総選挙の「争点」がわからない。

たまたま22日に訪問した平塚市で、河野太郎氏の街宣車に遭遇したら、なんとまだ「地球環境対策」とかを「推進します!」といっていたので、有権者が本当に共感するものか?をジモティーに質問したら、自社の太陽光発電を売りたいだけだ、とアッサリこたえてくれた。

それに、むかしからの地元企業の経営者やら農協が、河野氏を激推ししているとのことだった。

ふたをあけてみないとわからないけど、商売の邪魔をされる恐怖があるのかもしれない。

わたしの選挙区では、立憲民主党の候補が、「環境ファシズム」をとなえている。
河野氏とおなじなので、もう政党のちがいがわからないのではなく、ただの「派閥のちがい」になっただけなのだ。

しかし、わが家に「選挙公報」がまだ届いていない。
期日前投票をしたひとは、なにをもって判断の基準にしたのか?
それは、政治家を選ぶだけでなく、最高裁判事の国民審査のことでもある。

この意味だけでも、国民は判断できない!と怒っていいのに。

どうやって投票のための情報収集をしているのか?が、テキトーなのは、日本人の悪い習慣である。
選挙権は、キッチリと行使しないといけないのだ。

政権与党の自民党と公明党は、増税をいっているし、かつて公約にないのに消費税を増税した野田首相が、またもや党首になったので、立憲民主党も増税路線にある。

しかして増税は、世界の左派政権の共通だ。

アメリカ民主党も、英国労働党も、はたまたマクロンのフランスもEUも、どこもかしも「増税」が基本政策なのである。

これにはちゃんと理由があって、「国富=国民の余剰資産」を政府が集めて分配する、つまり社会主義・共産主義・全体主義の思想的な結論のひとつだからである。
別途、これを「福祉国家」ともいう。

なので、たとえばアメリカでは、「オバマケア」がトランプ政権で否定的な扱いをうけたのは、共和党の基本政策に「反福祉国家=自由主義」があるからだ。
もちろん、トランプ氏がいう前に、共和党支持者たちが、民主党政府の推進する公的社会保険充実の撤廃を要求しているから、トランプ氏は要求どおり実行したという順番である。

ゆえに、「福祉国家」を死守したい日本のマスコミは、この順番を日本人に伝えない。

伝統のアメリカ的自由主義では、政府が国民から強制的に資金を集めて、これを他人に分配することを、「私有財産の所有権に対する政府の干渉=財産の自由処分への侵害=掠奪」とみなしている。

この感覚が、昭和36年のとっくに国民皆保険制度が完成された日本人には理解できないだろうし、「困ったときはお互い様」と反論されるとひるむのが日本人のよき特質でもあった。

それで、長く日本の生命保険会社は「相互会社」だったけど、いまや「株式会社」に再編成された。
「相互会社」の仕組みこそが、「お互い様」の理念だったのに、儲け主義で株式会社化されたのに、おおくの契約者たる日本人は気づきもしなかった。

もう「五公五民」だと、ずいぶん前に書いた。

税と社会保障費をあわせた「国民負担率」が、収入の半分の水準になっている。
それでいて、日本経済は内需の「消費」でまかなわれている。
残念ながら、インバウンドの外需による「消費」は、日本全体のたったの1%でしかない。

つまり、内需を活性化させる経済政策が、もっとも「効く」ことぐらい、経済学部の1年生どころか、一般教養課程の学生や、まともな公民の授業があれば中学生だって気づくことだろう。

しかし、政権与党や野党は意識してこれをやらないのだ。

その理由は、国民の貧困化による革命の成就であるとおもえてならない。
しかし、その「革命」とは、過去のプロレタリア革命ではなくて、富裕層による貧困層の奴隷化あるいはもっとひどい家畜化革命なのだ。

いかにして貧困の固定化からの身分化を完成させるのか?

これを、富豪集団がつくる世界経済フォーラムは、「グレートリセット」と呼んで、世界にその推進者をおき、日本人なら河野太郎氏やら、小泉進次郎氏らを「次代のリーダー」として名指ししているのである。

彼らの特異な上から目線の態度は、ここに原因がある。

そしてなんと、こうした集団が「自民党」とか「公明党」、「立憲民主党」という派閥になっていて、どこもみな同じ穴のムジナであり、これらからの候補者を応援するとは、自らを奴隷の身に落してもらいたいという倒錯したひとなのである。

商売上で役に立つから支持するということが、どれほど愚かでバカバカしいのかは、世界経済フォーラムに招待されている人物たちと自分がおなじテーブルについていると、ありえない勘違いをしている。
彼らの資産規模は、日本人の企業経営者・富裕層の何倍あるかを想像もできないのか?

つまり、「役に立つ白痴」扱いをされているにすぎない。

それは、残念ながら河野氏や小泉氏もおなじなのである。

残念ながら、以上は陰謀論ではない。
なぜなら、世界経済フォーラムのHPをみれば、堂々と記述している事実だからである。

カナダの政変

親子二代でカナダの首相になった、トルドー政権が崩壊の危機にめんしている。

それが、与党「自由党」の破滅的な支持率低下と、野党「保守党」の圧倒的な復活になっていきている。

詳しくは、「カナダ人ニュース」さんが伝えてくれているから、是非チェックして欲しい。
今回は、州議会選挙における「異変」のことで、当然ながら中央政界にも波及する。

国会は、一院制か?二院制か?のどちらがいいのかがよく議論になっている。

歴史ある伝統国であれば、二院制が望ましいのは、ストックとフローの関係から、歴史的ストックの代表たる「上院」と、その時代・時代のフローを反映する「下院」とが用意されていて、相互に牽制してバランスをとることが望ましいからである。

明治憲法下のわが国は、こうしたことを意識して、「貴族院」と「衆議院」があった。
しかしながら、もっと上の概念に、「政府」と「軍」の分立があって、これを天皇によってジョイントさせる設計だったから、股裂きの結果の滅亡となったのである。

GHQによる「戦後の民主主義」で、擬似的な二院制(「貴族院」を「参議院」と言い換えた)を維持したけれど、参議院の存在価値の意味不明をそのまま延長させて「参議院不要論」となるのは、何のための二院制かをわすれた「ビバ!一院制」の極論なのである。

では一院制の問題点は何か?を問えば、選挙による圧倒的勝利が議会の暴走を阻止できない絶望を呼び込むリスクがあるからだ。
なので、政権交代が当然となり、両極に揺れる政治の不安定さは国民生活を直撃するので、より激烈な選挙が繰り返されてしまい、結論的に国民が分断されることにある。

参議院は無力だが、衆・参の「ねじれ国会(野党が参議院を多数支配する)」が政権与党による政権運営に慎重さを促した事実は、もっと評価されていいのである。

この点で、アメリカ合衆国の二院制は、建国の父たちの叡智(別に穿った目でいえば、「人間不信」や徹底的な「性悪説」)による設計が生きている。
それでも、もっと邪悪な民主党によって、三権分立の根底が揺らぐまでになってしまった。

ヨーロッパの保守回帰(マスコミは「極右」という)や、南米アルゼンチンやエルサルバドルでの成果をうけて、北米ではこのトレンドがアメリカを越えてカナダで起きている。
もちろん、アメリカでトランプと連邦上・下両院における共和党の躍進がどうなるのか?は世界が注目するところであるし、属国の日本人には直接的な影響が出るはずだ。

その前哨戦が、隣国カナダで起きそうなのである。

カナダの総選挙は来年に予定されているなかでの、与党内におけるトルドー退陣要求だ。
理由は、国会補欠選挙における負け方の悲惨なのである。

トルドー率いる自由党が盤石な選挙区で、歴史的な敗退を繰り返していて、この段階で来年の選挙不出馬を宣言する閣僚が絶えないありさまとなっている。
ぜったいに再選されない、という自身の選挙区における分析での結論なのだ。

すると、地球儀をみわたせば世界のトレンドはもうハッキリしていて、かんたんにいえば「右傾化:ナショナリズム回帰」にほかならない。

この定義における日本での「右派」で、法で政党要件をみたすのは、「参政党」だけしかない。
議員がいない「諸派」では、「日本第一党」、「日本改革党」、「新党くにもり」、「日本保守党」といったところがこれにあたる。

なお、「日本保守党」はふたつあって、先にできたのが自衛隊のパイロットだった石濱哲信氏を代表とするそれで、今回の総選挙でも二名の公認候補者をだしている。
もうひとつが、百田尚樹氏と河村たかし氏を共同代表におく組織で、典型的な「第二自民党」の似非保守である。

4月の東京15区衆議院補選で、ここから初出馬した飯山陽氏と内部で揉めているのは、「似非保守」にはなから気づかなかった飯山氏にも責がある。
「極左」の高市早苗氏を「保守」と呼ぶ、定義のおかしなひとがたくさんいるのと似ている。

吉田茂と岸信介の流れをくむ、自民党は、結党時から「似非保守」だという大問題があることがまだわからないのかまったく不思議なのだ。
この意味で、安倍晋三氏もまったく「保守」ではない。
その証拠が、富の分配を政府がやる社会主義計画経済を目指した「アベノミクス」なのに。

さて、「ナショナリズム」というと、さまざまな「訳語」があって、あんがいと定義にこまる主義主張である。
たとえば、民族主義・国家主義・国民主義・国粋主義などと訳されているが、それぞれにニュアンスがことなっている。

40年程前のむかし、エジプトに暮らしていたころ、生まれて初めて「祖国・日本」という感覚を意識したのを覚えている。
その原因は、あまりにもちがうエジプト人=アラブ人の国民性から発する生活習慣とおもわれる。

それで、郷に入れば郷に従うのとおり、エジプトを基準にかんがえたり、やっぱり日本を基準にしたりの「揺れ」が、事あるごとに交互にでてくる自分に気がつくのである。
たいがいの海外駐在経験者は、日本への国粋主義(郷愁的な憧れ)になるものだといわれていたのをおもいだす。

任期があるならまだしも、無期限に彼の国やらどこかの外国に暮らすとなると、これがもっと強烈になるのは、日系南米移民の心情からも容易に理解できる。
日本人であることを意識のなかに自分から強く据えておかないと、自分が何者だか分からなくなって、それが外国生活において致命的な心の傷となる恐怖が無意識の「不安」となってあらわれるからだ。

だが、「日本人である」ことを教えない、昨今の教育改革の成果で、健全なナショナリズム=自己のアイデンティティが、成立しないようにされていないか?

それが象徴が、「国軍の有無」にある。

世界で国軍のない稀有な大国が、日本であり、隣国の中国だ。
日本には軍そのものがなく、中国には党の軍だけがある。

20日の日曜日、カナダのブリティッシュ・コロンビア州における選挙が、来年のカナダ総選挙を占うと注目されているが、その翌週のわが国総選挙へどれほどのインパクトがあるのか?にあまり期待できないのは、日本人の劣化による。

カナダで保守党が勝った?だからなんなんだ?と、もしもこの情報をしったとしても、なにもその影響を想像できない日本人の残念なふつうが観察されるのだろう。

これを、「国際化」という噴飯があるけれど、だからといって「島国根性」でもない。
ただの無関心・感覚麻痺なのである。