100億ドルの賠償と「りす」の死

人類の運命を決めるアメリカ大統領選挙の投票がはじまった。
奴隷以下の家畜の身におとされた日本人には、主人がだれになるのかが決まるという意味なのに、それすらもわからない多数のおとなたちゆえに、まったくなにも意識すらしない未来のおとなたる子供たちが不憫でならない。

さ投票日まであと数日というタイミングで、ふたつの出来事が連携していると、『ハラノタイムズ』さんが報じてくれた。

まずCBSの「60Minutes」という定番のインタビュー番組で放送された、カマラ・ハリスの発言について、「別の番組での発言をあたかも番組内での返答に貼りつけた」ことが発覚して、トランプ陣営がCBSを相手取り、100億ドルの賠償請求裁判をテキサス州で起こした。

番組内の「編集」はよくあることだが、他の映像やらをあたかもここで発言したようにするのは、「捏造」であり、選挙期間中に視聴者の判断をねじ曲げる悪質行為だという主張である。

訴訟を起こしたテキサス州の裁判官は、比較的保守に勝たせる傾向があるものの、当然に選挙投票日までに判決がでるようなものではない。
むしろ、判決よりも、問題提起して有権者に偏向報道の実態を訴えることを意図しているかとおもわれる。

とはいえ、期日前投票を両陣営共に訴えてきたので、今の時点でどれほどの影響があるかは疑問がある。
逆に、トランプ陣営としては、当選後の政策における「マスコミ対策=正しい報道に矯正する」があげられるが、言論の自由との区別をどうするのか?という難問の関門もある。

「りす」の話は、道路でひかれた親リスの横にいた子リスを保護したひとに起きた、ニューヨーク州の理不尽な対応が、選挙とからむまでになった事例で、ふだんから動物愛護をいうマスコミや民主党との軋轢になっている。

子リスを保護しても、「法的」にも野生動物なので自然に帰さなければならない。

そこで、このひとは体力をつけたところで放ったのだが、なんと大けがをして再び自分から家に戻ってきたという。
また保護をしたが、もう野性に帰れないと判断して、合法の手続きをとって「ペット」とすることにし、動画撮影でその愛くるしいことでバズって超有名になったのである。

しかして、ニューヨーク州の担当官が「家宅捜索」をして、このリスを連れ去り、本人も犯罪者扱いの苦渋をなめたが、なんと伝染病の危険を理由に「殺処分」されてしまったのである。

これが、SNSフォロワーたちの怒りを買い、民主党が支配するニューヨーク州で、「反民主党」の大ブーイングとなった。
ところが、このことが、「デマ」と断定されたオハイオ州スプリングフィールドにおける、ハイチからの難民による「ペットを食べている」という話にくっついたのである。

日本も含めた大手メディアのデマ報道をよそに、SNSでは地元民からの多数の「訴え」が拡散しており、いまやだれもデマだという報道を信じていない。
しかしながら、難民だろうが移民だろうが受入に熱心な民主党は、こんな非道をなかったことにしたい。

そうした姑息が、ニューヨーク州のひとたちに激しい怒りを買っているのである。

週明けの4日月曜日(投票日前日)に、ニューヨーク州知事あるいは動物愛護管轄の責任者がどのようないい訳をするのか?が、「リベラル」なニューヨーカーたちの注目をあつめている。

共和党は基本的に「不干渉主義」であったけれども、世界にアメリカ型民主主義を広めたいという願望をもって「戦争」を仕掛けてきたのが民主党である。
これは、ソ連が世界共産革命をやりたいと願ったのと、じつはおなじ発想の土台にある。

そのために手段を選ばない。

こうして、いたるところからボロがでるのは、計画経済がかならず失敗するのとおなじで、人為がすべてに及ばないのが感情を持つ人の世だからである。

英・独の経済崩壊を追いかける日本

トップランナーというと聞こえがいいが、未知の体験も最初にするので、その対処方法をかんがえるのも実行するのも、「前例がない」という立場におかれるものである。

日本で「起業」が困難になったのは、社会が安定してからのはなしで、あんがいと混乱状態にあったときに起業はふえる。
それが戦後の場合にもいえて、個人商店があちこちに誕生し、「商店街」を形成した。

いま、元気が良かった商店街ですら衰退しているのは、このときの起業初代が引退して後継者がいないために廃業になっているからである。
じつは、後継者になるはずの二代目、三代目の学業での好成績や、附属中学からの進学で、どちらさまもサラリーマンになって「安定した」ことが、廃業の原因なのである。

もちろん、初代が稼いだカネで教育投資がふんだんにできたためでもある。

人類史上で、産業革命がはじまったという英国で、どうして産業革命が起きたのか?については、新技術の蒸気機関の応用とそれで大量生産できた物資(繊維製品)を、紅茶の輸入赤字帳消しとしてインドに持ち込み、またインドからアヘンを清国に持ち込んで清国から銀を得るという、大儲けのシステム化に成功したからだといわれている。

何度も書いてきたが、資本主義が生まれてから産業革命が成立するという順番だけど、以上から資本主義は生まれてすぐに死んでしまったのではないか?と疑っている。
それで、資本主義は「株式の所有者優先主義」となって、とうとう労働者も株を所有して株主になって、「資本家」となにがちがうのか?がわからなくなったのである。

そこで、株式の保有比率が高くて企業経営を支配できるまでになった「大株主」が出現し、これがまた個人なのか法人なのか?という問題を内包しながら、国境をまたいで活動するので、「国際金融資本=世界中の企業の大株主」なるひとたちが、都合よくする組織的行動にでて、その第一世代的代表が「国際連盟」で、第二世代が「国際連合」となった。

ここから派生したのが、「EU=ヨーロッパ連合」だ。

都合がいい政策が、あたかも普遍性をもっていると一般人に見せないといけないのは、本音たる儲け主義のむき出しでは都合が悪いからで、うまいこと「SDGs」とかの屁理屈を発明し、カネで釣ったマスコミをつかって大宣伝をやっている。

その気になった先進国の国民たる、英国人が、まさかの「保守党」に裏切られて、持続可能なエネルギーという持続不可能なものに大量投資したら、産業コストが大上昇して国際競争力を失ってしまった。

おなじことが、先進国のドイツで起きた。

化学者から政治家になったメルケルによって、英国とおなじ道をさらに過激に実行したら、とうとうヒトラーの置き土産たる「フォルクスワーゲン=国民自動車」の経営が立ちいかなくなって、15万人ほどが失業する危機になっている。

もちろん、自動車産業は「裾野が広い」産業なので、下請け・孫請けの中小・零細企業がどうなるかを含めると、こんな数ではすまないはずだ。
ドイツは来年に総選挙が予定されているので、おそらく政権交代になること確実なのである。

そんな世界潮流のなか、わが国の衆議院議員総選挙では、劇的な変化はなかったかに見える。

もちろん、これは「英国化」のためで、小選挙区制の英国では、おもに「労働党=極左グローバル全体主義」しか選択肢がないために、政権交代してもマイルドな「保守党=グローバル全体主義」よりもっと酷いことになっているのとよく似ているのである。

そんな中、マスコミが「極右」と規定している、英国では「リフォームUK」、ドイツでは「ドイツのための選択肢(AfD)」が存在感を強めているし、ほとんど支持率が末期的なフランスのマクロン政権に対抗して「国民連合」は着実に地歩を固めている。

英国は離脱したが、ドイツとフランスがEU離脱ともなれば、EUは崩壊する。

そんな状態のEUに何周遅れかしらないが、熱い加盟意欲でまんまんの現職大統領が再選されてモルドバをウクライナ並みの危機に追い込もうとしている。
これもまた、東アジアのきな臭さと似ているのである。

さて、アメリカの大統領選挙は、とうとうマイク収めにまでなった。

人類の将来を決める投票がはじまる。

壊れていく日本の統治システム

「日本を壊すな」という広告が話題になっている。

自民党の広告のことである。

なんだか自民党が日本を守っているという気にさせる文(短いフレーズ)ではあるけれど、破壊の張本人がトボけて厚顔無恥ぶりを発揮していることに、さっそくネットで炎上している。

プロパガンダの鉄則は、こうした短いフレーズを繰り返すことで、聴き手の脳に擦り込むことが行われる。
それが大成功したのは、小泉純一郎の「郵政選挙」での大勝利だったし、これを仕込んだのが、プロパガンダの専門家で学位がある世耕弘成だ。

さて、こないだの衆議院総選挙では、「最高裁判所判事の国民審査」も行われたのに、なんの反応もないのがマスコミだ。
初めて、平均で10%を超える「✖️」がついたのは、ひとつの歴史的な出来事だったし、標準偏差も離れてはいないから、かなりとんがった幅のない状態になっている。

立法府の国会と、行政府の政府は、内閣で一体となるために、いつも批判的な話題になるのはこのふたつの「府」が通常であったのが、とうとう司法府にも批判が集まりだした。

いよいよこれまでの統治システムが溶けだしている証拠なのである。

しかし、日本の司法は、さらに三つの立場に分散化させている建て付けになっている。
・裁判官(裁判所)
・検察官(法務省)
・弁護士(会)

ようは、司法試験に合格したひとたちが、それぞれの道を選ぶようになっていて、ここでも成績順にリクルートされることが横行している。
尊敬をあつめないと、判決に敬意(権威)を得られないという心理から、裁判官になるのは成績優秀者でないといけない、という業界標準がある。

また、定年前に裁判官を辞めたり、検察官を辞めたりしても、弁護士を開業できるし、定年をまっとうしても弁護士を開業できる。
これが、弁護士業界の標準偏差を広げる理由で、そのまま収入の平均値を下げている。

なんとわが国の弁護士の年収平均が、一般サラリーマンより低いという計算になるのは、平均を上回るひとがロングテール現象的にダラダラと続いて、億円単位のひともいるようになっている。

ようは、開業してもあんがいと食えない商売なために、ブラック企業やらの顧問にならないと生活できないのだ。

さらに、最高裁判所裁判官には「枠」があって、裁判官から出世してなるひと、有名事務所の弁護士からなるひと、それと外交官からなるひとがいるために、検事ならやっぱり「検事総長」になるのが究極のポストになる。

外交官からなるのは、「国際法(おもに「条約」)」の専門家ということになっているからである。

ついでに、司法試験に合格しなくとも弁護士になれるのは、大学の法学部教授を規定年数務めたほかに、内閣法制局の参事官以上の役職を連続5年務めて、行政府を無事に定年退職するとなれるいうお手盛りの条件がある。
これでなれるのは、「行政法」の専門家ということになっているからである。

税務署の職員が定年後に税理士になれるのとよく似ている。

そうなると、やっぱり特殊な行政府の役所に、「法務省」がある。

ここのキャリア官僚は、いわゆる国家総合職に合格したひとではなくて、司法試験に合格して検事に任官しないとキャリア扱いされないという、とんがった役所なのである。
「検事」は、法務省の行政官僚なのである。

けれども、憲法上の「司法府」は、あくまでも最高裁判所を頂点にする、「裁判所」になるから、検事総長だって二の次になる。

こないだの「袴田事件」における、現職検事総長の公開された談話は、以上の建て付けに関して真っ向から逆転する、つまり、検事総長が最高裁判所の上位にあるが如くの内容であるという驚愕があった。

「選挙公報」に、犬の散歩が日課だと平気で綴る、最高裁判所判事の情けない姿を思い起こせば、裁判官が検事たちに馬鹿にされるのは若い頃の試験成績の意趣返し(コンプレックス)もあって仕方がないが、それではこの国の司法がもたないのである。

2日、わたしの住む横浜にある、横浜刑務所で「第52回矯正展」が開催された。

小雨のなか、多数のひとがやってきて、刑務所内で生産されているグッズを購入していたが、なんだかこの最高裁判所判事たちの体たらくを思い出すと、受刑者の汗で作られた物品の価値が尊いと思われて仕方ない。

トランプ氏がやってみせた、マックでのエプロン姿や、ごみ収集のジャケットを着ての演説は、その心意気だけで尊敬に値する。

悔しかったら、最高裁判所判事も、検事総長も、刑務所での作業を少しでも経験し、自ら矯正の気概を示してみたらどうか?

自分の選挙集会で聴衆から野次られるようになった末期的状態のカマラ・ハリスは、とうとう宿敵のはずの共和党を追い出されたリズ・チェイニー(典型的な「戦争屋」)を擁護して、彼女を礼賛する発言をおくびもなく繰り出しはじめ、なんとリズ・チェイニーもこれに応じて民主党を強力に支持している。

このひとたちは、戦場で傷つく兵士を、いまだに消耗品だとして、自分たちは暖かく快適な部屋にいて、私服をこやすための戦争を仕掛けている。

これと相似形の発想が、わが国の「司法」をおかしているのである。

近代憲法をいただくことを「法治国家」と定義するなら、わが国は、もう法治国家でもなんでもなく、国民が放置される国家になって、エリートを自称するひとたちの天国になりつつある。

まったく、江戸時代が羨ましくなることが、目撃されるようになったのである。

一喜一憂のハラハラドキドキ選挙なの?

日本人がアメリカ大統領選挙での候補者の発言やらに一喜一憂し、ハラハラドキドキするのがふつうだとおもっていたら、そうではないらしいことに気がついた。

それでも、こないだの衆議院議員総選挙には投票したというから、棄権したひとよりはずっと真面目なことにまちがいはないだろう。

これは、古くからの友人に久しぶりに会ったときの会話から得た「情報」なのである。

最大の驚きは、アメリカ大統領選挙と連邦下院議員総選挙、連邦上院議員入れ替え選挙(日本の参議院とおなじ)、はたまた、州レベル、郡レベルでの教育委員とか地方検事とか、保安官とかも一斉に選挙投票する、「一大選挙イベント」のことを、大統領選挙と呼んでいることをしらなかったことであった。

なので、有権者は、投票に最低でも20分は要する。
衆参両院ダブル選挙に地元議会などが重なって、おおくても5人程度を選ぶ日本の選挙とは段違いだ。
いったい、全部の選挙に何人が立候補していて、それぞれをまちがいなく選ぶのは、あんがいと難易度が高い。

むかし、エジプトにいたとき、エジプトの選挙を見学したことがあって、このとき驚いたのは、日本の新聞紙大の投票用紙に、全候補の名前が印刷されていて、これに「○」をつけるのだが、そもそも文盲率が80%の国だから、「補助人」が自分の入れたいひとの名前をいうと、そのひとにマルを付けてくれるのである。

これが、どういうことか?は、かんたんにわかる。

この意味で、投票機の不自然な作動状況は、エジプト並みということがわかる。

しかして、この古い友人は、トランプが勝つだろうとも予想していて、そうなれば「円高になる」と断言していた。
トランプはアメリカの工業復活を公約にしているから、「ドル安を目指す」はずだという。

だが、外国為替はそんな単純だろうか?とおもうのがわたしのかんがえで、場合によっては「超円安」だってあり得るのは、為替相場そのものに影響する「人為」が、経済学の机上モデルを凌駕しているからである。

けれども、選挙投票日直前になって、トランプ氏が公約し、人員配置計画を詳細化しているなか、「政府のムダ削減委員会」の委員長になる予定のイーロン・マスクが、有力な顧問に、ロン・ポール元下院議員(89歳、共和党・ケンタッキー州)を指名すると発表したのである。

息子は医師にして連邦上院議員(ケンタッキー州)の、ランド・ポールで、ファウチと議会で激論をかわし、「わたしが科学だ」とまでいった御大を論破したひとである。

とっくに引退したロン・ポール老人を引っ張り出したのは、背景に共和党トランプ派が連邦下院で提案した法案とからんでいる。
それが、「FRB廃止」法案なのだ。

「通貨発行権」は、各国の中央銀行がもつもの、という常識がいつの間にかできあがっているけれど、いつ・だれが・どうやって決めたのか?という問題が「闇」なのである。

もちろん、日本銀行券にたとえれば、原価20円でしかない「1万円札」を、日銀は9980円の儲け(粗利)をもって市中銀行に販売している。
これが、日本銀行の利益の源泉にちがいない。

江戸時代までは、ときの政権が発行した「政府通貨」が流通していて、「にせ金」はつくっても御法度だったし、鋳造技術がない時代は、「唐銭」という外国からの輸入品が流通していたけれど、外国貿易自体が政府管理下にあった。

明治になって、日銀を設立し、「政府通貨」をやめて、中央銀行に「通貨発行権」を独占させたけれども、その日銀株はだれがどれだけ保有しているのか?がよくわからない株式会社なのだ。

もっとわからないのが「FRB」で、アメリカ連邦政府はこの銀行に1セントも出資していない、完全なる民間企業なのである。
ために、中央銀行なのにアメリカ人のための金融政策ではなく、FRB自身に利益があることを優先させるという「闇」がある。

もちろん、FRBができたのは歴史的にいつかはわかっているが、なぜに「民間出資だけ」なのに「中央銀行」機能があるのか?についての明快な説明はないのである。

そんなわけで、トランプ氏と議会共和党の勝利は、世界経済の根幹を揺るがす問題提起となる可能性がでてきた。

マーガレット・サッチャーは、初の首相就任においてハイエクの自由主義思想が自分のベースにあるから、これからすべての政策立案はハイエクによると宣言した。
それで、反対派は「新自由主義」をねじ曲げる定義に置き換えて、いまに至っている。

あたかも、自州主義=リベラルを、左翼=グローバル全体主義というまるで別ものに言い換えるのに成功したかのごとくである。

なので、トランプ氏とその派は、ハイエクのハの字もいわず、ハイエクの「通貨自由発行論」の通りにこれを実現化しようとしているとみえる。
そのためのデジタル技術(たとえば「ビットコイン=ブロックチェーン技術」の活用)も、イーロン・マスクが担当するのだろう。

いわゆるわが国で使用されている既存の「電子マネー」は、ブロックチェーン技術を用いるのものではないから、個人情報保護の観点からしたら、ズブズブの危険があることは何度も書いてきた。

逆に、発行母体に悪用され、たとえば政府批判の言動と連携をして統制の対象にもなれば、たちまちにして『1984年』の悪夢が現実化する。
じっさいに、これを狙うと公言しているのが、「ビルダーバーグ倶楽部」だ。

もちろん、この倶楽部の下部機関「世界経済フォーラム」のエージェント、河野太郎が強引に進めた「マイナンバーカード」も、ブロックチェーン技術を用いていない「ザル」だから情報漏れが絶えないのである。

すると、トランプ政権は、アメリカにおける「グリーン・カード」とか、市民であることを証明する「社会保険番号」の証明を、ブロックチェーン化する策を実行するのではないか?

どうやら趨勢は決まった選挙で、民主党にのこる手段は、「不正」しかないが、これを吹き飛ばす結果になると予想するので、一喜一憂はないのだけれども、FRBの廃止ともなれば、いったんは太平洋を越えて日本にも大津波がやってくるにちがいないのである。

日本の衰退は「平均への回帰」だ

一般的に「平均」というと、それは、「算術平均」のことをさす。

このほか、平均には、「幾何平均」とか、「調和平均」、「二乗平均」といろいろ種類がある。

算術平均を定義すれば、対象となるすべてのデータを加算して、その総和をデータ数で割ったもの、で小学校で最初に習う「平均」だから、生活上でもっともよく用いる。

商売の在庫管理などで用いる、「移動平均」は、対象となるデータの時期を移動させて計算することで、変化を均して見ることができるので実務で重宝されている。
かっこよく「季節変動調整済み」ということもある。

なお、パソコン時代のいまなら、「算術平均」を表計算ソフトで計算するときに「グラフ」も表示させると、山・谷の具合からデータの性格や特徴がわかるので、習慣化すべきである。

幾何平均は、伸び率、が対象になるもので、たとえば年率2%で伸びた翌年に3%となった場合の、この2年間の平均の伸び率とか金利でいう年率は何%だったのか?と年率換算するときに用いる。

√((1+2%)✖️(1+3%))=1.02498 → 約2.5%

この例では、(2+3)➗2=2.5とおなじ結果のように見えるが、微妙にちがうことに注意することが重要で、元の金額をおおきいと驚くほどの誤差になる。

世にいう「金融電卓」は、幾何平均も定式化したソフトを積んでいる。

明治から近代のわが国の「経済史」では、ザッと3回の高度上昇トレンドがあった。
・明治の『坂の上の雲』でいう不平等条約撤廃までの時代
・大正の第一次大戦での「大戦景気」
・昭和の後半、戦後からバブルまでの「高度成長期」(「日米地位協定」という不平等条約が撤廃できない時代)

すると、じつは「独立国」として、すさまじかったのは、大正期の「大戦景気」だけなのである。
明治期は英国の支配(これを「日英同盟」とあたかも対等だと錯覚させる)であったし、昭和の後半も「日米同盟」と、おなじパターンで支配を隠蔽している。

にもかかわらず、現代日本人の誰もが、「日米地位協定」なる、領事裁判権の放棄状態を、江戸幕府への蔑みと同等にもかんがえてはいないし、明治期のひとたちよりもその理不尽を実感することもなく生きている。

これはどういうことか?を問えば、「歴史」が受験偏差値の対象になって、日本や日本人のやってきたことの意味を、エリートほどかんがえないことがふつうになったからである。
むしろ、そんなことをかんがえる暇があったら、別の教科を勉強した方がよほど、「効率的」だからである。

つまり、そういう制度設計の中で、最高学府の選択がされているから、どんな学問を、どの学校にいる、これという教授、を選ぶのではなく、単純に偏差値で入学できるギリギリを狙い、結果的にとある学問分野を選択することになった、という順になるようにさせられている。

これで、世界の同学年生たちを相手に競争できるのか?といえば、ムリである。

それで、学習指導要領の中身を「強化」したが、受験制度を変えないので意味がなく、しかも、意味がないのを承知で改革をやったことにしている、わざとなのである。

だから、衰退のスピードはこれからもっともっと加速すると予想できる。

高度成長が日本人だれでもに豊かさを実感させたのと真逆で、こんどはだれにでも貧しさ、貧困を感じさせるようになる。

それもこれも、政治家の多くが外国(企業)のための政治をやる、「売国商売人」に成り果てたからだが、こうした連中を選挙で落選させることもできなくなったのである。

よって、経済発展の成長グラフの「山「と「谷」を意識してみれば、平成時代からずっと「谷」にあって、なんのことはない、かつての昭和の「山」を整地造成すなわち、平均化しているのである。

けれども、上に書いたように、衰退のスピードが加速するので、おそらく「平均水準」も押し下げる。

「どこまでおちるぬかるみぞ」の事態にあるのだけれど、ロープを投げて助けてくれそうななのがトランプ派だということにも気づかないのは、すでに「知能」も平均水準から落ちているからなのだろう。

生き残った自民党議員

大敗とはいっても、超スポットの議員個々のはなしとなるとあんがいと「圧勝」している。

「開票」だけでなく、投票プロセスにおける透明性がないのは、アジア各国に比べても、いまや先進国とはいえないのがわが国になっている。
アジア各国では、これらのプロセスにおいて、映像を公開しており、投票箱の厳重管理は美術品並なのだ。

この点で、わが国の選挙が、アメリカのように機械を用いずに「手作業」集計だから安全なのだというのは、根拠がない。
疑いだしたらキリがないことへの「具体的対策」がほとんど採られていないからである。

つまり、信用しろ、という「お上」の目線そのものになっている。

もちろん、マスコミ報道における、「開票速報」の根拠である、「出口調査」の統計処理の有効性も疑わしい。
全部の投票所の出口が対象ではないし、有権者全員が対象でもないのは、「サンプル抽出」なのだというのは理解している。

ならば、「信頼区間」がそれぞれの選挙区でどう異なるのか?についての、調査概要も伝えるべきであるのに、なんだかバッチリ全部が計算通りなのは、まったくおかしなことなのである。

なぜなら、わたしの人生経験上、一回しか投票後にマスコミ調査員の質問(NHKと、とある新聞社の二社だけだった)を受けたことがないけれど、天邪鬼なわたしは、それぞれにウソを回答したのである。

こうやって、外れ値をつくることで、「信頼区間」を狭める小さな努力をしたのだが、マスコミは、あたかも出口調査で、全員が正確な投票内容を回答しているというのであろうか?との大疑問があるのだ。

前にも書いた通り、政府のプロパガンダ機関になったマスコミと選管という役所が事前に「談合」しさえすれば、選挙結果はどうにでもなるのである。

さて、いったいわが国はいつから「売国議員」なる政治家を出してきたのか?とかんがえると、結局のところ明治維新の謎にまではなしは戻る。
「攘夷」を実行した薩長が、英国艦隊やら各国連合の艦隊に大敗して、ここから180度の転換で「開国」が「倒幕」に変容する。

日本人初の「武器商人」となった坂本龍馬は、仕入れ先が長崎のグラバーで、そのグラバーはフリーメーソン会員にして、アヘン貿易で暴利を得たジャーディン・マセソン商会の代理人だったことは、歴史的事実である。

開国後、ジャーディン・マセソン商会は、横浜に支店を置く(大桟橋前にあるシルクセンターの角に「跡地」の説明がある)が、これがわが国における「外資系企業」の初であり、そのまた初の日本人支配人が吉田茂の養子先の義父なのである。

そんなわけで、麻生太郎が夢見る、「大宏池会」が自民党主流派になって、岸信介の「清和会」を潰しての総選挙になったのは、その前に自民党総裁選でよくわかった。
つまるところ、「裏金問題」を利用したクーデターが成功したのだが、だれがこれを主導したのか?といえば、アメリカ大使館ではないのかと疑うのである。

もちろん、安倍晋三が亡くなった直後に、実弟の岸信夫も健康上の理由から政界引退するということになったのも、ひそかに疑っている。

わが国の宗主国は、英・米の二国であるが、強大なアメリカのなかでも民主党の支配は、前回の「9000人の人事を要する政権交代」で指摘したように、さまざまな分野に蜘蛛の糸のように張り巡らせたネットワークがある。

これが、国内だけでなく外国にも影響させるのは、「国務省」の担当だし、わが国には、「統治者」としての米軍が駐留している。

いわゆる「軍産複合体」に注意を促したのは、アイゼンハワー(共和党)だったが、後任のJFk(民主党)は、いまの甥、RFKがトランプ派になったように、「軍産複合体」こそが敵であると認識している。

つまり、共和党主流派(ブッシュ家=いまでは「RINO」)と民主党主流派は、この「軍産複合体」の代理人でしかなく、それがわが国の自民党に浸透したのである。

あからさまになったのは、小泉純一郎政権からで、実行の「参謀長」は、竹中平蔵である。

ようは、この路線が継続しているがために、わが国は衰退しているのであって、残念ながら「選挙が盗まれている」深刻は、気づいたアメリカよりもぜんぜん気づきもしない日本の方がはるかに重いのである。