誰一人取り残さず管理する

もう27年も前の1999年に公開された『マトリックス』の世界で、都合4作(最終作は2021年の『マトリックス レザレクションズ(再生・復興の意)』もあるシリーズを観るとそのよく練られた、しかも、現代と恐ろしいほどに社会構造がマッチしていることに気づくだろう。

ただし、作品としては徐々に内容が哲学的になって、SFアクション映画だとおもっていると困惑させられることになる。
そのために、派手なアクションの連続期待を裏切られるので、最終作の興行は制作費(1.9億ドル)と比べても1.57億ドルと振るわなかった。

これは、一般観客が哲学的深掘りを理解できない=拒絶したのだと証明してしまったばかりではなく、そもそも興味がないことも支配者(アーキテクチャ)にしらせたのである。
つまり、グローバル全体主義を推進するエリートたちにとって、この上ない実験的な試みに、見事にはまりこんで彼らの自信を深めることに貢献した、ともいえる。

子供時分からの「単純明快さ」にだけ反応する訓練に、飼い慣らされた成果でもある。

ところが、反グローバリズムを掲げるトランプ氏とその政権が、現代の「パンドラの箱」たる「エプスタイン文書」を開陳してしまい、グローバルエリートたちが何をやっていたのか?が白日の元に晒されることとなった。

そこで、困り果てた連中の代表たるヒラリー・クリントンが、議会召喚前にも「トランプがまだ半分隠している」との、破れかぶれともいえる挑発をかましているのが一種の「哀れ」を醸し出している。

だが、この発言をトランプ政権2.0は待っていたのではないか?

なにしろ、「立法府」に立法させて、つまり、仕事させて、トランプ氏自らも名前が載っているからと、様々な者たちが署名を「拒否する」はずといっていたのに、しっかり署名して「法として成立」させたのがトランプ氏だったし、法には「半分の公開でいい」とは書いていないから、残りの分の公開をどうするのか?が議論になる当然がある。

だから、バイデン時代にこの文書を「陰謀論」といって一切の興味を示さなかった民主党が、トランプ憎しの感情論が最優先で、「強力な公開論」に胆管したのは、わたしはトランプ政権2.0による「罠」だとかんがえているのである。

むしろ、「文書」から、最初にFBIにエプスタインの悪行を通報したのが、まだ民間人(不動産業で富豪)のトランプ氏だったことが判明したことで、攻め手がなくなってしまい、逆に「詰んだ」のが反トランプ側だとはっきりした。

とはいえ、これら狂った民主党の幹部たちは、11月の中間選挙に向けてなりふり構わない「自党に有利な選挙区割(「ゲリマンダー」という)」のために、億ドル単位のカネをかけるとこれまた狂った表明をしているのである。

まったく、このやり方を真似ているのが自民党で、こないだの衆議院総選挙でも、あちらこちらに「あたらしい選挙区割」での選挙が行われているのだが、マスコミはもうこうしたことを報道しなくなった。

けれどもしっかりわが国に飛び火して、IT界隈では有名な研究者・事業者である人物と、やはりITで名を馳せた国会議員の名前が、エプスタイン文書から複数回も登場する「活躍ぶり」なのである。

むろん、こうしたことを報じるものがいない国になったので、世界潮流から離れていったんは「陰謀論」という扱いにしている。
そうはいっても時間の問題で、今回公開の350万ページの解析が進めば、これらの者どもの正体が明らかになろう。

しかも、ヒラリーがいうとおり、いけずなトランプ政権は、こうした発言を待ってましたとばかり、残りも全部公開すれば、ぐうの音も出なくなるのである。

何せ、エプスタイン文書の公開は、「法」として成立している。

だから、ヒラリーのいい分は、はなから矛盾しているし、トランプ派の強力な活動家でもあった、マージョリー・テイラー・グリーン元連邦下院議員とトランプ氏の急な軋轢は、DOGEのイーロン・マスク氏との大喧嘩のごとくに見えてしまうのである。

ようは、沼の生き物たちの「あぶり出し」作戦のための「囮」である。

そんなわけで、国民を一人残さず管理すると豪語したグローバル全体主義のエリートたちが、一人残さず管理の対象になりはじめているのである。