22日から23日、南アフリカで開催の「G20サミット」に参加した高市首相は、施政方針演説で述べたとおり、「(日本政府は)ウクライナと共にある」を有言実行した。
これに先立つ20日、トランプ政権2.0は、「ウクライナ和平案」を提起し、それをマスコミにリークさせてこのG20を睨んだ動きをしていた。
しかも、期限は27日としているから、かならず戦争を継続させたい欧州有志連合が絶対に食いつくようにさせているところが、ミソなのである。
とはいえ、欧州有志連合なる「勝手連」も、財政事情や足元の政情が怪しいので、ここにカナダと日本を招き入れたのは、苦肉の策にもみえるのである。
類は友を呼ぶ。
とくに、カナダのマーク・カーニー首相は、その華麗なる経歴の裏での「無能」評価が有名で、稀代のバカ者といわれて久しい人物だ。
「肩書きだけ」で人間を観るようになったのは日本人だけではないことが証明されている。
むろん、このブログにおける高市氏の評価は、一貫して「極左無能」の素顔を指摘し続けている。
だから、施政方針演説とその有言実行にまったく驚きはないが、対米関係をどうするのか?というわが国にとっての最優先課題が放置されたことの方に驚くのである。
「台湾発言」での駐日アメリカ大使の絶賛応援を、みごとに袖にしていることに、痛みを感じない変人だといえる。
だが、少しだけ冷静になってみれば、「八方美人=全方位外交」という、これ以上信頼を欠く価値観が空っぽなものを、「国是」としてきた歴代自民党支配の経緯があるので、それを踏襲しているという「言い訳」は可能だと、外務省やら官邸の勉強エリートたちが有職故実をうそぶいて誘導していたのかもしれない。
そんな誘導に乗るのは、無能ということではあるが。
それに、ウクライナでの戦況の実際は、もう東部4州の面積の8割をロシア軍が制圧・占領していて、日に日に、この率を高めている。
このまま放置すれば、全部がロシア領になるものを、いまさら一切の領土割譲は認めない、という「ウクライナ憲法」の規定がネックになっているし、戒厳令下では大統領選挙ができないことも、憲法の都合になっているのである。
ようは、憲法によって国が滅ぶ状況になっている。
なんだか、わが国の事情とダブルのである。
そういえば、高市氏は「(自民党案)憲法改正賛成」の立場に総裁就任以前からある。
ただし、この自民党案には、「緊急事態条項」なる、「私権抑制」やら、およそ国民が政府に対しての命令書という、近代民主主義国の憲法構造を破壊しているものなのである。
高市氏の酷いことと、まともさ、という相反することが同時にあると前提すれば、ウクライナの領土割譲なるリアリティを日本人に理解させる絶好の事例に加担するようにみせて、自民党憲法案から私権抑制の削除も同時にやり遂げるなら、それはそれでたいしたものなのである。
だが、この人物は、おそらくそんなことは微塵もかんがえていない。
今回のトランプ政権2.0の和平案は、ロシア側の同意もとれているものだ。
案の内容が「ロシア有利」なる評価をする者は、戦況を無視する阿呆としかいいようがなく、とにかく戦争を終わらせたくない願望だけがみえてくる。
なぜに終わらせたくないのかといえば、これまで投じた「支援」の利子付きの見返りが欲しいからで、ウクライナ人の若者が兵にとられて死地におもむくことなぞ、まったく関係ないのである。
それで、切羽詰まった欧州有志連合は、とうとう「ロシア凍結資産」の元本も奪う案を出してしまった。
これは、自由貿易取引の自殺を意味するので、国際金融も含めて正当な取り引きの安全性が確保され、過去に遡及しないという現代の基盤的ルールインフラに大混乱をきたらす歴史的な愚策である。
ほんとうにこれをやるなら、世界貿易の決済に相手国への資産取り置きができない状態をつくるので、素直に「発狂した」としか評価できない。
いま、わが国は、こうした「狂人連合」の仲間にあるのである。
抜け出す道は、勝手連各国とも、まっとうな方法での「倒閣」に尽きるのである。

