ザハロワ報道官の一撃

11月28日、「Sputnik日本」が伝えた、ロシア外務省のザハロワ報道官の、「日本人記者らはモスクワで何をしているのでしょうか?」と、中国人記者からの質問にこたえたという。
多数駐在しているはずの日本人記者たちが、ひとりも、一度も、「日露関係についてのレトリックの質問をしません」ので、ロシア側も計り知りようがないというのである。

ちなみに、「レトリック」とは、修辞法のことで、言葉を駆使して伝えることをいう。

たしかに、ロシアにいること「だけ」からの目線からすれば、彼女の主張は理解できる。
しかし、これら日本人記者(=特派員)たちは、ワシントンD.C.だろうが世界中のどこにいても同じように、「何をしているか?」は謎なのである。

もしや?とおもわれるのは、1973年に失効した「日中双方の新聞記者交換に関するメモ」に代わって、あたかも、サンフランシスコ講和条約(日本の再独立)と同時に発効した「日米安全保障条約」と「日米地位協定」のように、「日中両国政府間の記者交換に関する交換公文」が交わされたことでの、事実上最初の「メモ」の延長をもって、様々な国にも似たようなことが適用されているのか?とかんがえられることがあるのである。

なお、上にリンクを貼った「メモ」が失効した後の「交換公文」中、(ロ) わが国との関係、のなかの、(お) 記者交換取極に当該文がある。

「従来日中間の記者交換は,日中覚書貿易取決めに基づいて行われていたが,73年末で失効することになつたため,両国政府間で,これに代る取極を締結することに合意した。その結果,本件に関する交換公文は,74年1月5日,在中国日本大使館橋本参事官と王珍中国外交部新聞局副局長との間で交された。」

文書中の「橋本参事官」とは、橋本恕(はしもとひろし)氏のことで、アジア局長から「天皇訪中(92年)」の準備として、89年には駐中国大使になって無事93年に退官している。
入省時の言語は「英語」なので、厳密に「チャイナスクール」とはいえない人物だが、ザハロワ報道官の指摘は、あんがいと根が深いのである。

むろん、いかに「特派員」であれ、東京本社の意向には逆らえないサラリーマンである。

それに、ロシアに対しては、いまだに「ソ連」との区別がつかない老人たちが、東京の要職に居座っているかもしれない。
これは、読者や視聴者にはわからない、内部事情、だと決めつけているのだろうが、本来、新聞やテレビなどは、その人事も読者や視聴者につまびらかにすべきものであろう。

公共放送を謳うNHKの人事規定に、国籍条項がない、ことが国会の議論になるのは、なにもNHKだから、だけでなく、民放にもいえるのは、「放送法」によって事業をしている「公共性」に理由がある。

腐っても、欧米メディアは「署名記事」がふつうで、それが誰だかをしりながら読者は記事を読み込んでいる。
なので、たとえば、「ウォールストリートジャーナル」のトランプ大統領が高市首相に台湾発言を巡って文句を述べた、なる与太記事の署名に中国系の有名記者の名を観れば、わかるひとにはわかるようになっている。

だから、この記事から、タッカー・カールソンは、ウォールストリートジャーナルのことを、「新聞社ではなく諜報機関だ」と評したのである。

今回のザハロワ報道官への質問も、上の件にからんでのことを、見事な対応で返したのである。

この「いけず」な回答を、くだんの記者は理解できたのであろうか?と、余計な心配をするのである。

オートペンの無効宣言とウクライナ崩壊

トランプ大統領は、11月29日、バイデンがオートペンを用いて署名した「大統領令」のすべてについての「無効化宣言」を発した。

そして、同じ29日、ゼレンスキー政権の要だったイェルマーク大統領府長官兼主席大統領補佐官が、自宅を汚職容疑で家宅捜索された後に辞任した。
もちろん、この汚職捜査を仕切っているのは、トランプ政権2.0のFBIである。

この政権を揺るがす一連の汚職の金額は、すでに「億ドル単位」という巨額なもので、これまでのウクライナ支援がその源なのである。
つまり、わが国でいう「国際協力(事業)」が、崩壊しているのであって、廃止になった「USAID」の比ではない規模に波及すること確実なのである。

今後、「小さな話」として、オバマ政権時の国連大使で、バイデン政権がUSAIDの長官に据えた、サマンサ・パワーの資産が急速巨大化したことの捜査もすすんで、逮捕・起訴・有罪判決というニュースがでてくるのだろう。

だが、きっと「巨大な話」がでてきて、刑の軽さを求めて自白する「おったまげ」の波状攻撃に打ち消されるのだろうとも予測する。
アメリカ民主党の支持者たちは、途方に暮れるかあるいは罪が自分に及ばぬうちに逃げ出すかの選択に迫られる。

国家が国家の体をなしていないのは、外国の機関が政権の中枢を捜査して、逮捕権を世界に示していることでわかる。
これを意に介さない日本政府・外務省(=JICA)とは、いったい何者なのか?

しかも、スケジュール管理に厳しいトランプ政権2.0が、このタイミングで前職バイデン大統領の仕事を全否定に近いまでに決めたのも、「証拠」が揃いだしたためで、バイデンは、不服があるなら裁判に打って出ないといけないまでに追いつめられている。

むろん、ウクライナの戦争準備に関与していたのは、オバマをはじめとする民主党・共和党主流派の戦争屋たちであるから、オートペンの無効とウクライナ政権の崩壊とは、セットになっていることではある。

それに、欧州の戦争屋たちも、無事では済まないだろう。

当然だが、世界的なマスコミ各社の、「諜報機関としての自白」も、あたらしい経営陣によって白日の下にさらされることになるにちがいない。
すでに、タッカー・カールソンが、「ウォールストリートジャーナル」を名指しして、「新聞社ではなく(偽情報発信の)諜報機関だ」と決めつけている。

これには、高市首相に対するトランプ氏からの「苦言報道(フェイクニュース)」が例にされているから、わが国も「情報戦」にしっかり巻きこまれているのである。

一向に下がらない高市政権の支持率の異常な高さは、一種の「褒め殺し」状態を形成していて、この人物のグローバル全体主義者としての本性を出すことが難しくなっている。

それを、片山さつき財務相と小野田紀美内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、内閣府特命担当大臣(人工知能戦略担当)、経済安全保障)の女性ふたりが、どこまで承知かしれないけれど、がんじがらめにしているのである。

今回の「バイデン無効」なる前代未聞は、安倍晋三氏が語ったのとはぜんぜん異なる、「戦後レジーム(体制)からの脱却」どころではない激震が、当のアメリカからやってきたのである。

フランクリン・ルーズベルト政権以来の、アメリカ民主党=戦争屋たちによる日本征服(とはいえ計画はその半世紀前からの『オレンジ計画』)の終了宣言なのである。
だから、ドイツも変わらざるを得ないのは当然だ。

この意味で、高市政権が「自民党」の最後の政権になるのは、結党以来アメリカ民主党に癒着してきた自民党も分裂・崩壊の手順モードに、トランプ政権2.0によって強制スイッチが入ったからである。

ドイツと兄弟国の日本だから

昨年10月末、ドイツで中共のスパイが逮捕され、今年9月末に禁錮4年9ヶ月の実刑判決を受けていたことが分かった。

逮捕された人物は、留学生としてドイツの大学に入り、その後、ドイツで翻訳業などを起業し、ドイツに帰化、ついにあのAfD議員(元EU議会議員)の秘書になって、AfD党内事情を本国へ渡していたのである。

しかし、以上は直接の逮捕理由ではなかった。

この人物にはドイツ人女性の愛人がいて、彼女はライプツィヒ空港のカスタマーサービスマネジャーで、旅客情報だけでなく軍用貨物の内容までを彼に提供していたのである。

このことは、ウクライナに関する西側軍事物資の支援情報を含め、ロシア側に渡っていた疑いをもって、NATO内でも大騒ぎになったという。
ただし、アメリカはドイツを完全なる監視下に置いているので、どこまでアメリカが把握していたのか?は不明である。

本件は、ドイツには「スパイに関する法律」があることをもって、日本にないことがクローズアップされているけれど、元同盟国の日本とドイツの戦後史を辿れば、両国とも似たもの同士の双生児なのだとわかるのである。

スパイに関しては、いつも兄貴分のドイツの方が先行してバレている。

「西ドイツ」を戦慄させたのは、戦後アデナウアー首相から引き継いだブラント首相の秘書がソ連のスパイだったことが発覚したときだった。
なお、この後、アデナウアーは、国内情報機関を使って政敵へのスパイ活動をしていたことも発覚している。

なんにせよ、ブラント首相の秘書官が東ドイツ=ソ連のスパイで、西側情報が筒抜けだったことは、わが国でもずいぶんと大きく報道されたものだったが、それが日本にはないのか?という派生した問題にはならなかった。

わたしがこのことをしったのは、高校生のときに購読契約していた『リーダーズダイジェスト』の記事にあったことだと記憶している。
アメリカの雑誌の日本語版にあっても、日本の一般メディアでは扱わない。
これを、高校生のときにしったのである。

なぜ敗戦国の日・独両国が、世界経済の牽引車(世界の工場)になれたのか?

この一見して、両国人の素養・素質と努力に理由を求める議論は一般的だから、余計に疑いたくなる。
日・独経済の同時的衰退を説明できないからである。

一方で、英・米というかつての世界覇権国の衰退は、もっと悲惨だ。
国内産業を追い出して、「安い国や地域への移転」を極端に進めた結果、自国の空洞化を通り越して、なにも作れなくなって、売るものがなくなってしまったのである。

アメリカは広大な農地があるから、農産物の輸入を頼りにしているが、英国はなにもなくなった。
とうとう、金融帝国の中心だった、ロンドンの「シティ」まで衰退をはじめている。

アメリカが誇る最新鋭空母のカタパルトだけをとっても、なんと戦後に完成させた「蒸気カタパルト」をもはや製造できない。
最新の「電磁カタパルト」への転換を決めて、「蒸気カタパルト」のためにあったメーカーも職人もいなくなったからである。

しかして、その電磁カタパルトが設計どおりに稼働せず、なんと要求値の15%でしか動かずに、洋上で故障の修理に精を出している始末で、しかもメーカーの専門家を呼んでくるまでに、海軍は自力での修理もできないでいる。

兆ドル単位の予算をかけたのに、艦載機の射出が思うに任せない巨大艦は、なんのために存在するのか?

横須賀に停泊の空母に、高市氏と意気揚々とやってきたトランプ大統領は、水兵の前で「電磁カタパルトを禁止して蒸気カタパルトに戻す大統領令に署名する」と宣言し、現場を盛り上げたものの、いまだ署名した形跡がないのは、それが「不可能」だからであろう。

そんなわけで、全体で沈んでいるので、沈み方の様子がわからないようにもなっているのである。

51%支持になったAfDの主張

日本で意識的に、「意識させない努力」がはらわれているのが、ドイツのことなのである。

このことは、現在のドイツにおける情勢を「報道しない自由」となってあらわれている。

国連(UN:United Nations)の『憲章』にある、「敵国条項」を、外務省は「旧」をつけている。
そこにある対象国は、「日本、ドイツ、イタリア、 ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、フィンランドの7ヵ 国を指すものと考えられる」と他人事のようにほざいている。

この件については、岩國哲人議員からの質問主意書が平成21年6月19日に提出されており、同30日に答弁本文が閣議決定されて、衆議院議長宛に提出されている。

今国会で、元外相の岡田克也衆議院議員からの質問に対する高市発言を受けて、中華人民共和国は公式に「敵国条項の発動」示唆を発表した。
つまり、国連になんの遠慮もなく、敵国を軍事的に制裁する権利がある、との認識を示したのである。

ようは、岩國哲人議員へ中途半端な独りよがりのの答弁が通じない、敵国条項は「生きていた」のである。

さてそのドイツでは、最新の世論調査で「極右」と位置づけられているAfDへの支持率が、とうとう50%を超えたと話題になっている。
逆に、戦争屋のメルツ首相与党の支持率激減が目立つ。

今週のドイツ連邦議会では、来年度予算案が審議されているが、27日、AfDのアリス・ワイデル共同党首は、「反対演説」をおこない、注目を集めた。

そこでのポイントは、次の発言である。
「国家支出は断固として削減されなければなりません。際限のない新規借金ではなく、公的機関は税収で賄うべきです。国家は経済と市民の私生活から手を引くべきです。」

これは、いわゆる「減税派」の主張であり、「自由主義」の本意である。

わたしは片山さつき参議院議員のことを詳しくしらないが、元財務官僚にあってかくも即今の財務省に対抗する人物であったかと、いまのところいい意味の驚きをもって観察している。
しかも、とうとう自民党は、衆議院議員からでなく、参議院から要職の財務大臣を選んだことに、苦肉の策なのか?なんなのか?を見極める必要がある。

率直にいえば、高市政権は、じつは、片山さつき政権ではないか?という目線で見ている。

ドイツの例もそうだが、官僚による行政機構の「上」に、立法府がなければならず、司法は行政府の法的枠からの逸脱を監視せねばならない。
ところが、行政府が最高位に君臨し、立法府と司法がこれに従う状況が、国家運営を狂わせているのである。

その意味で、アメリカの大統領と議会の関係は、ずっと「まとも」なのである。

さて、ドイツはいま、正念場の危機の最中にある。
メルケル長期政権が壊した、エネルギー転換策の大失敗のツケを、国民経済が尻拭いしないといけない状況で、日本と並ぶ「ものづくり大国」が、崩壊の危機にある。

経済損失でいえば、ヒトラー政権よりも無惨なのがメルケル長期政権ではなかったか?
そのヒトラー政権が肝いりで設立した国策巨大企業、「Volkswagen:国民自動車」が、青息吐息を通り越して、存続の危機にまでになっている。

あたかも、日産やホンダのような状態なのである。

向こう半年・1年で、万人単位の労働者解雇が予定され、すそ野の中小零細企業の廃業が凄まじいのである。

むろん、メルセデス・ベンツも、BMWも安泰ではない経営危機にある。

この原因は、政府による「EV強制シフト」というが、じつは、「クリーンディーゼルエンジン」でも失敗したのである。
おなじことが、「マツダ」でも起きているのは、特に、わが国の「軽油」がこれら高性能ディーゼルエンジン内に煤の蓄積をもたらして、分解清掃なる高額メンテを要するからだ。

つまり、ヨーロッパの不純物を除去した「クリーンディーゼル燃料」では動くが、それ以外の国の「昔ながらの燃料規格」だと、具合が悪くなるために、輸出してもメンテナンスの経費がかさむのである。

この意味で、わが国の危機よりもずっと「深刻さで先進的」なのがドイツである。

だが、明日は我が身。

ドイツがどうやって立ち直るのか?は、わが国にとっていい教科書ができるか?でもあるし、それとも地獄に堕ちるか?が気になるところである。

それもこれも、アメリカ民主党のいいなりにやった左翼政策に原因がある。

わが国の「遅れ」がラッキーなだけに、緊張感があるけれど興味深いのである。

世界を腐敗させるウクライナの汚職

トランプ政権になってからの、連邦捜査当局はバイデン政権下でのウクライナ支援金の監査を開始している、とは、まさに大統領選挙公約通りの動きである。

政権交代して10ヶ月、巨額支援金の多くが、「不明」になっていることは、当初からの想像通りではある。
しかし、それがウクライナを経由して、欧州諸国への暗黒資金の流れとなっていることが徐々に明らかになってきている。

むろん、かなりの金額がゼレンスキー政権の高官たちによって私的に分配されており、それぞれの個人管理の口座にあるようだし、その中心にゼレンスキー氏の個人口座もあるのも当然だ。

一方で、EUの副委員長にして外交部長(外相)の、カヤ・カラス元エストニア首相の口座にも、相応の黒い金が流れているとリークされている。

以上の事柄は、正規に発表された捜査情報ではないが、アメリカ側の意図はそれなりに読み取れる情報戦だといえる。

いまEUなかんずくベルギー政府にカヤ・カラスが強い圧力をかけているのは、ロシア凍結資産の略奪について、ベルギーが渋っていることへの対応なのである。

これは、前にも書いた、国際貿易の信用システムを破壊する、重大な問題で、ベルギー政府の躊躇はむしろ正常な判断であろう。

カヤ・カラスは、「それが裁判になって(たとえロシアが提訴して)も、西側の裁判所のどこがロシアを勝訴させるのか?」と息巻いているし、それが「(芯からの反露である)エストニア人の魂」だとも主張している。

しかし、多くの市場参加者は、当然だがベルギー政府だけでなく、このような処置がまかり通ることへの懸念を抱いており、EU委員会の横暴に辟易としているのである。

そんな中での、バルト三国の小国の元代表が、かくも強気なのは、やっぱりカネが絡んでいるのか?となっている。

なんにせよ、ソ連崩壊からのウクライナの世界最悪レベルの汚職文化に、なんら改善があるわけでもなく、オバマ政権下のバイデン副大統領が、自浄力を発揮していた当時の検事長官を解任させた件も含め、いまやアメリカ国内においても捜査がはじまっていることをトランプ氏は明言している始末なのである。

すると、高市自民党も宣言したウクライナ支援をやめないことの理由に、遠いウクライナからの汚れたカネの流入が日本にも到達しているのではないか?という疑惑にもなるのである。

戦争をやめさせたくない勢力の、もう一つの理由は、「戦後」になって、これらのカネの入金口座が世界に晒されたときの、政治的崩壊を恐れるからなのか?

スパイ防止2法案

25日、参政党は党単独で、この夏の参議院通常選挙での公約通り、参議院にタイトルどおりの2法案を提出した。

ひとつは、「防諜施策推進法案」と、もうひとつは、「特定秘密保護法などの改正案」である。

これに、さっそく「日弁連」などの反日団体が、「反対」の態度表明をしていて、なかなかに清々しい光景を醸し出している。
医師会を自主的に脱会しても、医師免許に影響はないので勤務医のおおくが医師会には入会していないけれども、弁護士会は強制加入団体なのでそうはいかない。

税理士会には、別途、「日本税理士政治連盟」なる別団体があって、圧力団体としての政治活動と、税理士としての活動とを形式的にも分けている。
これは、公認会計士も同様で、政治活動は「日本公認会計士政治連盟」でおこない、公認会計士としては、「日本公認会計士協会」がある。

すくなくとも、法曹会の改革としては、弁護士会も上にならうべきだろう。

さて、スパイを防止しないといけないのは、なにも政府だけでなく、民間企業も同様である。
新製品だけでなく、基礎的な研究も企業はおこなっており、そこには大金が投じられているからだ。

無邪気なコメディ映画であった、クレイジーキャッツの『ニッポン無責任時代』(1962年)やらのシリーズでは、当時の熾烈でむき出しな企業間競争を笑い飛ばしている。
植木等の熱演で、あっさり「産業スパイ」の活躍を描き、あたかも日常的なそれでいてむき出しの出世志向ばかりのサラリーマンの通常業務のように描いている。

定型業務に疲れ切って、かくなる「やる気」もなにもない「無気力」で命令に従順な周辺とのコントラストが笑えるが、この多数の姿が50年後のいまの現実にみえるのも不思議なものだ。

よくよくかんがえてみれば、植木等が熱演したようなキャラクターは、まず現実には存在しなかった、幻想の中のヒーローなのである。
しかし、ここまでほどではない「お調子者」が群を抜くことの理不尽に、おおくのひとたちの乾いた笑いとなったにちがいない。

そこで、なぜ概念としても「スパイ防止法」が存在しなかったのか?を問えば、GHQからの独立という幻影と、アメリカ(民主党)依存という現実の狹間で、なによりも日本を徹底的にスパイする支配の延長に固執したアメリカが嫌忌していたからにちがいない。

たとえば、スペースシャトルの先端部分を、金属しぼりの技能で完成させる蒲田の町工場を見出したのは、在東京アメリカ大使館にあるCIA支部の経済部による調査(スパイ)の成果だとしられている。

わが国の産業政策をになうと勘違いもはなはだしい、通産省・経産省のふんぞり返った役人は、このような基礎資料を作りもしないし、調査もしない。
陰謀論的にいえば、できない、という現実があるのではないか?と疑いたくなるのである。

おなじことを、ずいぶん前にNHKが討論番組の生放送の場で、厚労省が義務化している全国都道府県が行う医療機関調査の杜撰を曝露したのを思い出す。
偶然だろうが、高市氏の地元、奈良県だけが、「患者数」と「医療機関設置」の分布ギャップ調査という地道な活動をやっていたのである。

つまり、奈良県以外の46都道府県の調査内容は、まったく役に立たないゴミだと判明した。

役人たちは、毎年ゴミを生産していたのだが、こうしたことがまかり通れる基本に、スパイ活動の実際をしらない、もっといえば、目的合理性の追求ではなく、たんに書類を揃えればそれでいいとする、「お役所仕事」の姿が浮かび上がっただけである。

だから、お役所がやる「スパイ活動の監視」も、お役所仕事に堕ちる可能性があるのが、日本人の「働き方」なのである。
この意味で、、今回の「スパイ防止2法案」は、「働かせ方」に踏み込んだところがミソであろう。

アメリカ人は健康になるのか?

RFK.Jrアメリカ保健福祉省長官が掲げる「MAHA:MAKE AMERICA HEALTHY AGAIN:アメリカを再び健康に」の理念が、現実化を進めている。

じつは、8月には、「MAHA大幅後退」のニュースが流れていた。

13日、FOXニュースは、RFK.Jr長官のホワイトハウスでの会見の模様をライブで伝えた。
内容は、8月の報道を真っ向否定するもので、超加工食品を禁止し、飽和脂肪酸に対する規制を緩和するものである。

とくに、米軍兵士や学童に対しての食事ガイドラインを発表する予定であるという。

ここでいう「超加工食品」とは、工業的に高度に加工された食品のことで、硬化油、加糖、香味料、乳化剤、保存料といった様々な添加物が使われている食品をさす。
代表例として、ポテトチップス、菓子パン、カップ麺、菓子類、冷凍ピザなどがある。

また、飽和脂肪酸を多く含むものに、動物性食品(脂身の多い肉、バター、チーズ、生クリームなど)と、植物性油脂(パーム油、ココナッツ油など)がある。

アメリカ人の、とくに深刻な肥満問題(成人の37%:25年最新調査)はわが国でもしられているところだが、これによる弊害は想像以上で、国民皆保険制度という社会主義政策を拒否しているアメリカ人の独立気質が、医療をかんたんに受けられない問題にもなっている。

加えて、「オバマ・ケア」の邪悪さが曝露されてしまった。
なんと、民間の医療保険への強制加入による多額のキックバックを「オバマ財団」が受けていたのである。

トランプ政権2.0は、「オバマ・ケア」の中止を掲げる一方で、肥満の原因とその病原を断つための食品への規制を再構築している。
当然だが、加工食品業界からの反発は、共和党議員へのロビー活動でも如実なのであるが、ひるむことがないのは、「意識高い系」民主党支持者の熱心さも背景にあるからだ。

ここで、重要なのは、アメリカにおける「意識高い系の民主党支持者」とは、すなわち富裕層(セレブ)をさすのである。
彼らは、「健康オタク」でもあるので、高額な「健康食品」についての購買意欲も高く、自身のブランド化で収入源にしていることがある。

だが、一般的に、金持ちはじつはケチだ。

それで、安価に入手できる安全な食品を求めることに異論がないし、少しでも懸念がある食品を口にすることは絶対的な悪なのである。
有名アスリートだけでなく、セレブも、専門の料理人を家庭で雇用しているのは、「美味いもの」のためだけでなく、栄養(化学)知識に基づく健康志向からの当然なのである。

さてそれで、こうしたアメリカの動きに鈍感なのがわが国政府である。

明治以来の産業優先国家としての伝統があるので、加工食品業界を優先させて、国民の健康を後回しにできるのは、国民皆保険制度があるからである。
むろん、公的健康保険をふくむ社会保障制度のための国家予算が、とんでもない額になっていても、増税すればいい、という社会主義が根本にあるための余裕なのである。

国家が強制徴収する「税」を、アメリカ人は国家による個人資産の掠奪であると認識しているために、税によって可処分所得が減ることを「経済的自由の縮小」と発想している。
「国家が集めて配る」ことにアレルギーがない日本人が、こうした外国の自由主義者から奴隷や家畜に見立てられる理由がこれである。

ときに、来日するインバウンドの多くが、肥満問題の対象となる「平民」たちで、ほとんどセレブ層がいないために、超高級宿泊施設もわが国に存在しない。
この理由のもっとも隠された原因が、わが国における「食の安全」に関する懸念があるからである。

つまり、日本ではなにを食べさせられるかしれない、というストイックな健康不安があるのだ。

この価値観が、さらに加速されるのがRFK.Jr長官による、健康開腹施策なのである。
なぜなら、セレブだけでなく平民の肥満層にも浸透する概念だからである。

悪の欧州有志連合に加わる高市の抜け方

22日から23日、南アフリカで開催の「G20サミット」に参加した高市首相は、施政方針演説で述べたとおり、「(日本政府は)ウクライナと共にある」を有言実行した。

これに先立つ20日、トランプ政権2.0は、「ウクライナ和平案」を提起し、それをマスコミにリークさせてこのG20を睨んだ動きをしていた。
しかも、期限は27日としているから、かならず戦争を継続させたい欧州有志連合が絶対に食いつくようにさせているところが、ミソなのである。

とはいえ、欧州有志連合なる「勝手連」も、財政事情や足元の政情が怪しいので、ここにカナダと日本を招き入れたのは、苦肉の策にもみえるのである。

類は友を呼ぶ。

とくに、カナダのマーク・カーニー首相は、その華麗なる経歴の裏での「無能」評価が有名で、稀代のバカ者といわれて久しい人物だ。
「肩書きだけ」で人間を観るようになったのは日本人だけではないことが証明されている。

むろん、このブログにおける高市氏の評価は、一貫して「極左無能」の素顔を指摘し続けている。

だから、施政方針演説とその有言実行にまったく驚きはないが、対米関係をどうするのか?というわが国にとっての最優先課題が放置されたことの方に驚くのである。
「台湾発言」での駐日アメリカ大使の絶賛応援を、みごとに袖にしていることに、痛みを感じない変人だといえる。

だが、少しだけ冷静になってみれば、「八方美人=全方位外交」という、これ以上信頼を欠く価値観が空っぽなものを、「国是」としてきた歴代自民党支配の経緯があるので、それを踏襲しているという「言い訳」は可能だと、外務省やら官邸の勉強エリートたちが有職故実をうそぶいて誘導していたのかもしれない。

そんな誘導に乗るのは、無能ということではあるが。

それに、ウクライナでの戦況の実際は、もう東部4州の面積の8割をロシア軍が制圧・占領していて、日に日に、この率を高めている。

このまま放置すれば、全部がロシア領になるものを、いまさら一切の領土割譲は認めない、という「ウクライナ憲法」の規定がネックになっているし、戒厳令下では大統領選挙ができないことも、憲法の都合になっているのである。

ようは、憲法によって国が滅ぶ状況になっている。

なんだか、わが国の事情とダブルのである。
そういえば、高市氏は「(自民党案)憲法改正賛成」の立場に総裁就任以前からある。
ただし、この自民党案には、「緊急事態条項」なる、「私権抑制」やら、およそ国民が政府に対しての命令書という、近代民主主義国の憲法構造を破壊しているものなのである。

高市氏の酷いことと、まともさ、という相反することが同時にあると前提すれば、ウクライナの領土割譲なるリアリティを日本人に理解させる絶好の事例に加担するようにみせて、自民党憲法案から私権抑制の削除も同時にやり遂げるなら、それはそれでたいしたものなのである。

だが、この人物は、おそらくそんなことは微塵もかんがえていない。

今回のトランプ政権2.0の和平案は、ロシア側の同意もとれているものだ。
案の内容が「ロシア有利」なる評価をする者は、戦況を無視する阿呆としかいいようがなく、とにかく戦争を終わらせたくない願望だけがみえてくる。

なぜに終わらせたくないのかといえば、これまで投じた「支援」の利子付きの見返りが欲しいからで、ウクライナ人の若者が兵にとられて死地におもむくことなぞ、まったく関係ないのである。

それで、切羽詰まった欧州有志連合は、とうとう「ロシア凍結資産」の元本も奪う案を出してしまった。

これは、自由貿易取引の自殺を意味するので、国際金融も含めて正当な取り引きの安全性が確保され、過去に遡及しないという現代の基盤的ルールインフラに大混乱をきたらす歴史的な愚策である。

ほんとうにこれをやるなら、世界貿易の決済に相手国への資産取り置きができない状態をつくるので、素直に「発狂した」としか評価できない。

いま、わが国は、こうした「狂人連合」の仲間にあるのである。

抜け出す道は、勝手連各国とも、まっとうな方法での「倒閣」に尽きるのである。

絶望的なアメリカ製造業復活

かつて作っていたモノが作れなくなる。

これは、技能をないがしろにした、科学万能主義の末路である。
技能の「能」とは、人間の能力のことで、突きつめれば「手仕事」のことである。
よくいう技術とは、言語化できる点で技能とは一線を画すのである。

人間のやること、特に「職人仕事」の多くは、じつは言語化できない。

このために、むかしから「見て盗め」といわれてきた。
「真似る」ということではあるが、何度も見て確認してもなかなか真似ることもできないのが現実なのである。

それに、人間は同じことが繰り返しできないものだと、スポーツ選手なら実感するだろう。

だから、高度な製品ほど最後には技能が要求されるもので、自動化されてもその粗い仕上がりを修正することができるのは熟練工の人の手なのである。
企業は、雇用条件が厳しい熟練工から非熟練工へとシフトさせたが、そのバランスが崩れた瞬間に、品質面での後退を余儀なくされた。

じつは、発展が遅れていた共産国が短期間で「世界の工場」になれたのには、余り出し始めていた熟練工が存在していたからで、賃金の相対的な安さが第一条件ではなかった。
それを、オフィスでスーツを着ている経済学者が勘違いして、人件費の安さを第一条件として喧伝したのである。

これを、さらにまた、製造業の本社ビルの最上階でふんぞり返る経営者と、巨大資産を持っている株主が結託したので、アメリカ国内の製造業は進んで衰退の道を選び、実業から虚業へとシフトした。

これぞ、GE(ゼネラルエレクトリック)を復活させたとして有名になった、ウェルチ氏の金融帝国化ではあったが、その後は見る影もなくなって、昨年の24年に大幅分社化による解体で、ようやく本来の「製造業」としての姿に戻りつつある。

だが、アメリカの全部の製造業がこうはいかない。

トランプ大統領が、わが国の造船業に海軍艦船の発注をいうのも、いまや原子力潜水艦も空母も、アメリカで製造が困難になっているのである。
むろん、戦車に至っては、もはや一台も製造できない。
ロシアが年間1000台の製造をしているのとは大違いだ。

いまや主力兵器となったドローンの製造でも、アメリカは絶望的貧弱さである。
ロシア軍は、イランから最新のドローンを輸入していることがわかっているが、そのイランは理科系学生を大量にアメリカの主要大学へ留学させていた。

トランプ政権2.0が、国家安全保障に脅威として、これらの国々からの留学生ビザを無効とした事情がこれである。
それで、日本の自公政権は、アメリカから追い出された学生の受け入れを国立大学を中心に表明させたのだった。

これも「反トランプ」政策の一環である。

「独立行政法人」となったので、いまや「国立」とは名ばかりの、運営費を稼ぐ必要に追い込まれているから、補助金をチラつかせれば政府のいいなりになるのが「国立」になったのである。

かつての造船大国のわが国も、アメリカ海軍の軍艦を大量受注できるのか?わからないのは、症状がおなじで「熟練工不足」という、人間の寿命にも関連する「性(さが)」の問題があるからだ。

伝統工芸品の分野で起きていることは、先端的な工業分野にも蔓延しているし、果ては農業技術しかりなのである。
米や野菜の栽培技術は、じつは生易しいものではない。

ひとつアメリカに可能性があるとすれば、読み書きのできない若者が大量に社会に出てくるので、彼らを徹底的な再教育で、「熟練工」に仕立てることである。
残念ながら、こうした若者たちは、犯罪にも手を染めるのが早いので、少年刑務所を強制的職業訓練校に変換することで「数」の確保は可能かもしれない。

最大のの懸念は、その講師にあたる本物の熟練工が絶えてしまったら、絶望なのである。

時間との闘い、これが本質である。

字が読めない・書けないアメリカの高校生

アメリカは日本の10年先を行く、と昭和の時代からいわれてきた。

できればこの教育分野では、何十年も追いつけないことが望ましいのだが、果たして実態はどうなのか?

ネットでは複数の動画が教師あるいは元教師からアップされていて、驚くべき姿が紹介されている。
ただし、これらを事実だとしても、それが「どの州」のことなのか?が不明なので、一口に「アメリカ全土」でのこととはいいきれない。

独断と偏見であえて書けば、民主党の州、ではないか?と疑っている。

しかし、その中に、州政府と教育委員会によって支配された各校の校長をはじめとした管理職が、単に盲従している告発があり、PTAで保護者たちを騙しているという。
そのために、子供たちの学習理解度についての誤解を促し、残念なことに保護者が自分の子供の学力についてまったく把握できないで進級するという。

気がつけば、高校2年、3年生になって、読み書きがまともにできない子供がクラスの半数にのぼるのだが、教師には定められた学年プログラムをこなす義務があり、いまさら小学校レベルの授業をとてもではではないができないというのである。

高校の音楽教師の告白は、より具体的である。
欧米では、音階をアルファベットで表現する。
日本の、ドレミとイロハの組み合わせではなく、イロハにあたる表示をアルファベットで行う。

コードの「C:ハ」や「G7」とかのアルファベットである。

なんと、「CDEFGABC=ハニホヘトイロハ(ドレミファソラシド)」の8文字すら、高校生がアルファベットで理解できない、と。
これに、アメリカにおける「英語=国語」の教師が、小学校低学年で終える「フォニックス」を、いまさら高校でやる時間はない、と断言している。

別の動画では、黒人の高校生ふたりがホワイトボードに教師からいわれたとおりの「文字を書け」と命ぜられるが、冗談のようにまったく書けないのである。
たとえば、「数字の2」では、なんと「2」と書いて、「Two」と書けない。

アメリカの学校では新学期にipadが全員に貸与されるのだが、それは、教科書も電子化されているためである。
しかし、生徒は、音読することはなく、「文章読み上げアプリ」で読んでもらっているために、文字を読む習慣すら身につかないという。

作文では、チャットGPTのお世話になるから、入力したキーワードがおなじなら、クラス全員がおなじ作文を書いたことになる。

理科の教師が「生態系」についてのかんがえを作文するよう宿題を出したら、「物価」や「投資」の内容だった。
これは、生態系の「ecosystem」と「economy」をチャットGPTに誤入力したためだとわかった。

しかし、こうしたアウトプットを不思議ともおもわず堂々と提出する生徒は、「自分が書いた」作文を読めないことが判明したのである。

そこで、20代で教師を辞めた人物は、学校でのipadの利用を即刻中止すべきであると断言しながら、州政府と教育委員会による各校の管理職を盲従させることも大批判している。
とにかく、進級試験をえらく易しくしたので、本人もクラスメイトも自分の学力のまずさをしらないで進級し、気づけば手遅れになっているという。

ここで15年以上前にもなるエピソードを思い出した。

とあるビジネスホテルで、フロントでの釣り銭ミスが頻繁なので、勤務表からアルバイトの女子大生の仕業だと判明した。
彼女は、有名=高偏差値の女子大英文科の才媛のはずだったのである。

しかし、小学2年生の「算数ドリル」にある引き算がまるでできなかった。

受験に数学がないための、偏差値神話が崩壊した瞬間だった。
けれども、周囲の学友たちも皆、ふつうに引き算ができないので特に気にしていなかったという。

むろん、必要のときにスマホで電卓を使えばいい、というレベルでもなく、電卓の使い方もしらなかったのである。

解雇にあたって、引き算ができないと社会で困る、ことに気づけたいいアルバイトだったとの感想に、スタッフ一同、妙に感動したのである。

いま、彼女も「アラフォー」である。

さて、近代産業は「識字率」との正の相関があってのことである。
江戸時代の常識だった、「読み書き算盤」とは、じつに近代的なのである。
それがどうして崩壊の危機にあるのか?と問えば、国家=政府の意図的計画だとかんがえるのがふつうだろう。

個人が生き残るための常識としての「(現代における)読み書き算盤」は、家庭という個人集団がまず意識しないとできない相談になったのは、国家=政府が「読み書き算盤」能力を奪うことに専念しているからである。

しかして政府は、その家庭=家族を壊すべき手を打ち出しているのである。