8月27日、世界で唯一の真性自由主義を謳うアルゼンチンのミレイ政権が、中央銀行に通貨発行の禁止を命じる歴史的な法案を可決させた。
一方で、トランプ政権は、「CBDC:中央銀行デジタル通貨」の禁止を決めながら、民間によるドル建てのステーブルコイン(暗号資産)の普及を後押ししている。
わが日銀は、円安の狭間にあって、やはり民間発行のステーブルコインを認可する構えにある。
ときに、ミレイ氏の自由主義政策によれば、中央銀行が通貨を発行できない、ということの真意に国債の購入もさせない、ことが含まれている。
つまり、ミレイ政権は、膨らんだ政府の縮小を強制すると同時に、通貨の新規増刷もしないことでの、通貨価値の保持、を優先させたのである。
通貨価値の保持とは、通貨価値の下落をさせない=インフレを退治する、ことへの強烈な覚悟をもった自己統制政策である。
逆に、中央銀行の第一の使命が、通貨価値の保持にあることを思い出せば、アルゼンチンの中央銀行はその使命をいままで放棄していた、ということの制裁であるともいえる。
このことは、わが日銀には強烈な皮肉であろう。
「アベノミクス」なるインチキ経済政策に対する、地球の反対側からの真逆な施策=思想として注目しないわけにはいかない。
と同時に、「サナエノミクス」の真価が問われる、重大な挑戦状がアルゼンチンから届いたのである。
いわゆる「異次元の黒田バズーカ緩和」とは、ミレイ氏からしたら「中央銀行の自殺」に見えたにちがいない。
しかして、それをやらせたのがアメリカ民主党であったし、その子会社の自民党であった。
よって、自民党の「サナエノミクス」が、文字通り、機能すべく政治家たちが仕切るのかどうか?が、はなから疑問符がつく。
さてそれで、もっと問題なのが、なんらかの価値に連動する「ステーブルコイン」という種類の「デジタル通貨」である。
「ビットコイン」に代表される、発行主体が存在しない「デジタル通貨」とは意味が異なる「別物」なのである。
つまり、「ステーブルコイン」は、既存通貨としてのドルや金(GOLD)と連携・連動すれば、それは「ドル本位制」あるいは「金本位制」のことと同義で、特段あたらしい通貨とはいえない。
「ビットコイン」があたらしいのは、純粋に「信用」だけに依存するからである。
そんなわけで、インフレを退治したいミレイ政権としての決定が、将来、どのタイプのデジタル通貨を採用するのか?という興味に移るのである。
ヨーロッパ金融貴族が支配し続ける「中央銀行制度」を破壊したいトランプ政権が、なぜに「ステーブルコイン」を推進しているのか?の謎もある。
これがまた、日銀の迷走となるのか?

