「二大政党制」が、星条旗のように永遠ではないのは、人間集団の運命(さだめ)でもある。
自傷してグダグダになった英国は、もうとっくに「二大政党制」が崩壊し、第三極の「リフォームUK」が、俄然勢力を拡大している。
これはこれで、わが国の将来像のようだが、現実の変化のスピードは英国よりもずっと速そうだ。
しかし、なんといっても「肉食の思想」が消えない英国では、とうとうホームレスが増えすぎて、元ホームレスだった人物が市長になった、というはなしを「モハPチャンネル」さんが報じてくれている。
さて、アメリカでは4日の独立記念日に、トランプ大統領が選挙公約としていた大減税について、先月議会を通過したことを受けてこれに署名し発動した。
一方で、トランプ政権2.0にはなから協力し、DOGEの長官を務めていたイーロン・マスク氏が、この減税案に反対し大げんかになったのが記憶にあたらしい。
それがまた4日の署名で再燃し、イーロン・マスク氏は、「新党結成」について言及したので得ある。
つまり、来年の中間選挙で、共和党からの票を奪う、という意味にきこえる。
しかし、前回の大げんかにも、「やらせ」の噂があった。
なにしろ、原案が、選挙公約そのもの、だから、DOGE発足前からの「お約束」に、なんでかみつくのか?があったのである。
トランプ大統領も、思わず「もっと早くからいってくれ」といったように、タイミングが遅すぎた。
それで一旦矛を収めて、仲直りしたかとおもったら、これ、である。
かれらは何をしたいのか?
おそらく、トランプ大統領が、古い共和党を捨てることを意図しているのではないか?
古い共和党とは、RINO(Republican In Name Only)のことだし、ブッシュ家に象徴されるようなネオコン(戦争屋)のことである。
あたかもケンカをしているかに見せかけて、新党に大移籍することをもって「踏み絵」にするのではないかとかんがえる。
そうやって、トランプ氏は任期の4年を終えて引退しても、後継者に「党」ごと引き渡そうという作戦ではないか?
じっさいに、カリフォルニア州やニューヨーク州といった民主党が支配する州の人口は激減しており、2030年に実施される国勢調査によって、民主党は永久に大統領を出せなくなく可能性が高まっている。
その決着を、完全につけようとしている、とおもわざるえをえない。
しかるに、わが国の外務省は、民主党政権が4年後に復活するという幻想にとらわれているようである。
また、アメリカから中共に宗主国をかえるべく「自・公・立憲共産・維新」をそそのかしているのだろう。
つまり、かれらふたり(トランプ大統領、イーロン・マスク氏)は、国内事情ばかりをみていない。
覇権国のトップとして、配下の同盟国の動向はしっかりながめている。
いつかも書いたが、イーロン・マスク氏は、ときたま忘れかけた時期に思い出したように日本向けのメッセージを発信しているのも、意図的なのである。
こうした、民間人、の発信を、外務省がしっかり無視するのは、日本的、あまりに日本的な、官尊民卑の思考が、脳まで冒していることの証拠なのである。