アメリカ大統領選挙における第一回目のテレビ討論会が、27日(日本時間28日)に行われる。
この討論会は、過去から比べると異例の早期実施なのである。
なにせ、民主党も共和党も、正規に候補者を決める全国党大会をまだ開催しておらず、ゆえに、「党として正式な候補者が未確定」なままなのに実施されることが、もう異例だからだ。
トランプ側は、討論会の実施方法についての事前打ち合わせで、討論開始前・後の「薬物検査」を要求したが、バイデン側が即座に拒否したこともアメリカ人の関心を増加させた。
今年3月の「一般教書演説」における、ふだんとは見違えるほどのバイデン氏を観たアメリカ人は、それが覚醒剤の効果にみえたからである。
もちろん、イタリアサミットにおける「徘徊」は、全世界に放送されてしまったことも、一種の刷りこみとなっている。
今回の討論会の主催は、あの左翼偏向報道で倒産危機となった、CNNだ。
4年前の前回、CNNは、モデレーター(司会)に、なぜか保守系の「FOXニュース」キャスターを採用して、あたかも「中立」をふるまったが、じっさいにはトランプ氏に不利な司会進行ぶりで、とうとうこのモデレーターとトランプ氏の応酬の方が、バイデン氏との討論よりも長くなったのだった。
今回のモデレーターは、2名がかりになっていて、どちらもCNNのひとだがキャスターではなく「解説者」である。
ひとりは普段から一貫して「反トランプ」で有名な女性で、もうひとりは、最近になって「トランプは正しい」といいだしたばかりの男性となっている。
しかしながら、CNNがトランプ氏側の要望を案外ときいて、討論のルール自体は、バイデンには厳しいことが決まっている。
なかでも、椅子が用意されないことや、持ち込めるのは白紙のメモとペンだけということが、前回のバイデン氏の耳にあった受信機を認めいないことで、一掃の厳しさがあるという。
さて、前回の討論会は投票日直前だったこともあって、ハンター・バイデンの「地獄のパソコン」が報道された直後でもあった。
このパソコンが本物なのか偽物なのか?の議論から、発見されたデータがロシアによる工作だとの、諜報機関に勤務した60名による署名入り文書が公表されたのだった。
よって、トランプ氏は討論会でこの話題に触れたが、バイデンからのこの文書の指摘によって、せっかくの題材が粉砕されてしまった。
しかして、今回、中間選挙で共和党支配に換わった連邦下院が、いい仕事をしていた。
60名による署名入り文書の作成経過が、下院委員会の調査報告で明らかとなり、ロシアによる工作どころか、現役の政府職員も加わって「捏造した」ことが明らかになったのである。
しかも、その中に、今回「反トランプ」でも、モデレーターを引き受けた女性の旦那様の名前があったのである。
悪いことはできないものだ。
もちろん、「地獄のパソコン」が本物であることも、はるか前からFBIが確認していたことも、正式にこの報告書に記載されている。
もはや、民主党がやった「陰謀」だったことが白日の下にさらされた。
さらに、民主党・ペロシ下院議長が主催した、「1月6日委員会」も、連邦下院法律顧問委員会で正式に「違法」だと決まった。
トランプ氏の顧問だった、ピーター・ナバロ氏はこの委員会によって「収監」されたが、本決議を経て委員会は連邦最高裁判所に「間違い」の申立をした。
最高裁がこれを認めると、過去がひっくり返るし、当然ながら、責任追及がペロシに及ぶ可能性もでてきた。
なんだかんだ、アメリカの国会は仕事をしているのである。
こうした状況をうけて、どんな討論会になるのか?
すでに、CNNがバイデンに厳しいルールにしたことから、民主党が「代替候補」にすり替える準備が進んでいるのだという「うわさ」まである始末である。
アメリカ国内では1億人が視聴するというが、世界に与える影響の大きさはそんな数ではない。