2025年参議院選挙・東京選挙区で参政党から立候補している「さや」氏が、個人的意見と断ったうえで、「核武装論」をぶちあげ、選挙終盤になってネット民は大騒ぎしている。
時を同じくして、「さや」氏を、ロシアのスプートニク社がインタビューに応じたことと、日本政府が別途、外国勢力からの選挙介入が認められる、と発表し、まるでトランプ氏が民主党から仕掛けられた選挙妨害よりも深刻な状況がうまれている。
トランプ氏がヒラリー陣営から仕掛けられた「ロシア疑惑」は、ついにトランプ政権1.0の4年間を通じて主要な情報戦となったが、結局1億円ほどをかけた「嘘キャンペーン」だったことが判明し、ヒラリー氏にも選挙違反で罰金が課せられる事態となって終焉した。
それが、あろうことかソックリなかたちで「日本政府(デジタル大臣)」が発表するという事態になったのだが、どの国の介入があって、これに気づいた政府がどんな手段で防いだのか?あるいはどんな被害がでたのか?といった肝心なことの詳細については何もコメントがないままなのである。
また、ロシアのスプートニク社といっても、さや氏を取材した人物は日本人記者である。
さや氏は、本件取材許可について党本部へ問い合わせを行い、本部要員からの許可を得たという。
これに党首兼事務局長の神谷氏が、本部の当該人物の独断であったことを表明し、また過去にも同人物が複数回にわたる不適切な行動が認められることを理由に、辞職勧告したとも公表したのである。
ときに、外部からの取材に関しては、党広報担当か神谷氏が判断する事項であるとしたうえでのことであるから、さや氏からの問い合わせ先がそもそも担当外であったのか?と気にかかるのは、組織運営上の窓口設定の徹底ができていないことを表すからである。
それでもって、なぜスプートニクからの取材を受けてはいけないのか?という問題がわからない。
このブログでもスプートニク社の公正な報道は評価しているところだし、日本の他党の政治家も多数が過去に同社からのインタビューを受けていて、一切の問題は発生していないのである。
つまり、ロシアからの影響がない、ことを示すためにも外国の報道機関、ましてやロシアの報道機関を排除したかった、という意味としか見えない残念がある。
日本の政権や国会の勢力構成がどうなるか?は、隣国として気になるのは当然だろうからである。
しかして、そんな時期のさや氏の核武装論は、党として議論を妨げるものではないレベルから踏み出したものとして注目されるものの、一斉に反発のコメントで沸いているのである。
この国の言論空間のヤバさが、またひとつ暴かれた。
トランプ氏はかつて1.0政権時、当時の安倍首相に、核武装を勧めた過去がある。
戦後歴代の、パクスアメリカーナ(立案者のジョージ・ケナンからキッシンジャー)を否定するトランプ氏ならではの逆転の発想があってのことだったろう。
アメリカファースト=各国ファーストであり、同盟国日本の防衛も日本が自ら責任を負え、というのは、そこに「同盟国」としての信頼があってのことだ、といえる。
アメリカがかつて同盟国に示し、敵対国にも見せつけた「核の傘」なるものは、幻影に過ぎないという、ハンチントンやミアシャイマーがいうリアリズムによれば、さや氏がいうことの論拠は、決して素人だからではなく、むしろトランプ政権2.0の意向や最新の理論的裏付けがあってのことである。
キッシンジャーの古い世界構造論は、もはや役に立たない。
これに気づきもしないから、トランプ関税で相手にされないのであるけれど、その根底に「アンチ・グローバリズム」があることこそがあまりにも重要な背景なのである。
つまり、中国包囲網の要にある日本と、イスラム革命を輸出しイスラエルに対抗するイランとでは意味がちがう、という認識のことで、もっといえば、日本防衛にアメリカは「重荷」だと白状しているのである。
しかし、アメリカ民主党の支配下にある「自・公・立憲共産」政権の現状から、トランプ政権2.0は、直接の日米首脳会談の場で安倍氏に示した「勧め」を一切口にしていない。
これは、「敵認定」されているからで、「さや」氏の発言は、日米同盟がトランプ大統領からも「同盟」だと認識されないことには実現不可能なのである。
だから、さや氏の発言は、ややとんがったいい方での「政権交代」を示唆したものだとかんがえればよいのである。
それと、いまだに過去のパクスアメリカーナを信じる者がいかほどいるのか?をあぶり出した。
これぞ、戦後公(日教組)教育の成果だとすれば、教育改革を第一に主張している参政党が「なるほど」ということになるのであった。