バイデンの最後っ屁である、これも歴史的な恩赦であったのは、「先制(事前)恩赦」という途方もない緩さを複数人に連発したことである。
一般に、「大統領令」としての、ふつうの恩赦にはふたつの盲点がある。
・恩赦を受けた者は、議会での証言拒否ができないこと。
つまり、拒否や偽証は恩赦以外のあらたな犯罪となること。
・大統領恩赦の適用範囲は、「連邦法の刑法」に限定されること。
つまり、「州法」と「民事」には適用されないこと。
だが、突如でてきたあたかも万能な、「先制(事前)恩赦」なる妙ちくりんな恩赦とはどんなものなのか?がよくわからないのである。
そこで、これを調べた人物がいて、「Rumble」に動画を挙げているのを『トランプ派チャンネル【黒森1】』さんが整理して挙げてくれた。
なお、情報元のグラント・スティンチフィールドさんの動画は、https://www.youtube.com/watch?v=WXiAq7M-CuYにある。
ようは、恩赦の「定義」がまずは重要な確認事項である。
日本の法務省の定義によれば、「行政権によって公訴権を消滅させ、あるいは刑の言い渡しの効果の全部または一部を消滅させること」とある。
アメリカの場合は、1915年の連邦最高裁判決「バーディック対合衆国」に定義があって、「恩赦には、有罪の推定と自白の承認を伴うとし、さらに、恩赦は違法を不問に付す」とあるようだ。
つまり、今回バイデンが最後っ屁をかましたオールマイティな「先制(事前)恩赦」は、「恩赦の定義」から成立しないことがわかる。
なにせ、犯罪そのものを犯し、有罪だという推定も本人の自白もないからだ。
すると、以下のような点に対して「推測」をすることができる。
⑴ 民主党バイデン政権はなぜこのような無理を通そうとしたのか?
⑵ トランプ政権2.0は、これを指摘せずにスルーするのか?
まず⑴については、たとえ対象者が「ぬか喜び」しようとも、われわれは最善を尽くした、ということのゼスチャーである、とかんがえられる。
ために、対象者のひとり、Dr.ファウチの言葉として、CNNは、「ファウチ本人が、恩赦に非常に感謝していると言った」と放送しているし、同時に、「(自分は)何も悪いことはしていない」と語っているとも報じている。
これぞ、恩赦の定義に当てはまらないために、「語るに落ちた」というものだ。
「わたしがこの国の科学だ」と言い切った人物も、さすがに「わたしがこの国の法律だ」とはいえないし、法律の専門家でもないから、まさに「語るにおちた」のだし、これにCNNが加担してしまった、ともいえる一種の「放送事故」になった。
一方で、マーク・ミリー将軍も、バイデン一家も、「軍法」が適用される可能性がある。
ミリーは軍人だから当然だが、じつはこの人物は「外国への意図的な情報漏洩」を認めている(自白した)ので、「通常恩赦」の対象者だ。
ただし、「外国への意図的な情報漏洩」とは、ふつう「国家反逆罪」が適用されるので、これを放置できるか?という問題がある。
加えて、バイデン一家の罪も、「国家反逆罪」にあたる。
また、軍のトップを務めたミリーは、トランプ政権2.0が重視する「軍の立て直し」をするはめになった元凶だという意味もある。
さらにいえば、バイデン政権で国防長官だったオースティン元将軍も、「天下り規定」に反しているから、いまごろ震えながら寝ていることだろう。
すると、元大統領として「大統領免責特権」があるバイデン本人が、ポツンと独り自宅に取り残されて、あとはグアンタナモ送りとなるのか?という事態になっているのである。
トランプ政権2.0では、誰がバイデン政権を動かしていたのか?という調査も、トランプ氏からの命が発せられている。
機密文書持ち出し問題で「不起訴」となった理由の、「記憶力のない、気の毒な老人」がそのまま通るはずがないからである。
ゆえに、追い込む側となったトランプ政権2.0は、⑵の実行をどうするのか?となっているわけだ。
これまでの民主党政権のような、悪い意味での合理主義なら、舌なめずりしながら「猟」をするのだろう。
しかし、就任式で語った「unity:団結」をどうするのか?があるのだ。
ヴァンス副大統領の細君は、若くして最高裁判所長官と最高裁裁判官のふたりからアシスタントとして選ばれた才媛だから、上の「判例」もしらないはずがない。
つまり、「けじめ」の付け方を協議していることだろうと推測できるのである。
ただし、連邦下院議長は、これら「恩赦」されたひとたちを議会証言させると発言したので、逃れるには、「恩赦の拒否」をするしか方法はない。
だが、「無実」のはずはない「あぶり出し」をバイデン民主党がやったのだから、自分から罠にかかってしまったのである。
トランプ就任演説は、「格調高い理念」ではなくて、あたかも「実務的内容ばかり」だと書きまくる、日本のマスコミの読解力がメチャクチャなのは「わざと」だから無視するとしても、アメリカをひとつにするための「団結」をどうやって具現化するのか?の題材に「恩赦」が対象になっているのである。
何にせよ、困った前例となる「先制(事前)恩赦」を歴史的に有効のまま放置もできない。
智恵の絞り方として、どんな「大岡裁き」が繰り出されるのかを観察したいものである。