「大統領令11110号」の復活はあるか?

1963年6月4日にジョン.F.ケネディ大統領が発した、「政府発行通貨」のための大統領令のことである。

この半年後の11月22日、大統領は暗殺された。

注目されていいのは、就任して間もない、1961年4月27日の「大統領と報道:The President and Press」という題にての演説だった。
ここで、この若き大統領は、政府の「闇」について徹底的に排除すると公言したのである。
マスメディアに対する「検閲」についても、痛烈な批判をしている。

いまでいう、「DS」のことだった。

ところで、ニューヨークっ子のトランプ氏は、元来「民主党支持者」であった。

それは、民主党=ケネディ家という時代の民主党であったとおもわれる。
共和党トランプ派に乗り替えた、トゥルシー・ギャバード女史が、「いまの民主党は私がしっている民主党ではない」といって去ったのと似ている。

むしろ、トランプ氏は、いい意味で共和党を乗っ取り、かつての「民主党」に変えてしまったのではないか?
それで、抜け殻のように残ったのが、RINO(旧「共和党主流派」:ネオコン)なので、これらの一掃もまだ道半ばなのである。

だから、トランプ政権2.0を支える重要メンバーが、みな、旧民主党員たちなのは偶然ではないとおもわれる。

今回の選挙戦序盤の党内予備選挙から、民主党が排除を決めた、ロバート.ケネディ.Jrがトランプ政権2.0の副大統領候補になるのでは?といった一部からの希望的観測が、そうはいってもだれしも「あり得ない」としていたのにまさかの展開になったけれども、本人たちの感覚では、古き良き民主党の「同志」だという認識がはじめからあったのではないか?

昨年中の「旧議会」においても、共和党トランプ派は、「FRB廃止法案」を何度も提出しているし、トランプ氏は選挙公約に「アメリカを暗号通貨大国にする」としているところがミソなのである。

ハイエクが『貨幣発行自由化論』で述べた、民間が自由に発行する貨幣による信用競争こそが社会経済にはおおいに役に立つものではあるけれど、従来からの「通貨発行権者(シニョレッジ)」からしたら、なんのうまみもないばかりか、これまでの「独占」のうまみを失う大問題に発展するのである。

ようは、発行体が民間であろうが政府(財務省)であろうが、「中央銀行=世界的にどこでも民間企業:BISもFRB、日銀、イングランド銀行とか」が役目を失うことを意味し、中央銀行の株主たちからしたら、カネの生まれる木(=金の卵を産み続けるガチョウ)を失うことになるだけのことだ。

すなわち、共和党トランプ派がしつこく連邦議会に提出している、「FRB廃止法案」が意味するものは、通貨発行自由化論への歴史的大転換なのである。

トランプ政権2.0が、「革命政権」であるのは、これまで人類が経験した、「共産革命」ではなくて、「自由主義革命」であることの「革命的」大転換なのだ。

企業でも、正しい「経営改革」に反発するのは、あんがいと現場従業員たちである。

なぜならば、従来からの「惰性」によるやり方に身体が慣れてしまっていて、これを変更するのが面倒くさいからである。
しかし、正しいやり方への転換を果たすと、はるか以前からこのやり方をやらなかったことに違和感を覚えて、さらに積極的に意見を述べるようにもなるものだ。

じつは、この「さらに」以下の部分こそが、もっとも重要な「改革」なのである。

中央銀行がない世界を、いまの人類はしらない。

だから、惰性の状態を維持したいとかんがえるのは一見妥当なのだが、巨大な経済のアメリカが変化したら、巻きこまれるのは必定なのである。

すると、大統領令11110号の復活とは、ケネディ政権の復活をも意味する。

DSとの攻防は、世界秩序のレベルでの「見えない闘い」なのである。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください