日本「関係」の船舶が、2隻、ホルムズ海峡を無事通過した、としてニュースになっている。
どちらも、商船三井がからんでいるのだが、例によって意味不明の誘導情報なのである。
まず、国際貨物船舶には、「船主」と「荷主」の、立場のことなる「主」が存在し、それぞれが「保険に加入」しないと「運航」できないのが業界の常識である、と説明しない。
それに、船の所有者である「船主」が、建造した船の「戸籍登録」をどこにするか?は自由なので、「税金やら規制の緩い国」にするのがふつうだから、船主が日本人でも船籍が日本とはかぎらない。
保険の大元は、英国の「ロイズ:Lloyd’s of London」であって、さらに、個々の保険には「再保険」がかかるので、その再保険を引き受ける「再保険会社」というものが世の中に存在する。
そうやって、リスク分散をやっているのである。
「船籍」についてもう少し書けば、本稿冒頭の、「関連」とはずいぶん大雑把な概念で、おおくの船主は、上に書いたように「便宜置籍船」なる、税制や規制の緩い国の「船籍」にすることで、船主の国籍がどこであろうが、「便宜的」に船籍を置いた国の「旗」を掲げて運航される。
これが、いまでは衛星システムを通じて公的に認識できるようになっている。
しかして、よしんばイランが海峡封鎖を軍事的にやっているとして、その「国旗」を認識・識別することで、攻撃対象から外す友好国の船か?攻撃対象とするかを判断することは、そもそもできない。
よって、あたかも日本「関係」の船舶がホルムズ海峡を無事通過した、というのは、ほとんどなにを意味するのかわからない「ニュース」なのである。
むしろ、これらのほかにも海峡通過に成功した船舶は、いったいどんな「保険に加入」していたのか?が、重要なニュースである。
アメリカによるイランへの攻撃開始をうけて、「ロイズ」は、一方的に「12倍」の保険料を設定し、その後も10倍率で値上げしたので、ちょっと前の100倍以上となった保険料支払を躊躇した「船主」と「荷主」が運航を止めたから、おおくの船舶がペルシャ湾内に留まっているのである。
上のリンク先でも書いたが、3月3日にトランプ大統領は、アメリカ政府による「新しい保険の提供」について、具体的な指示をだしたことがちゃんとニュースになっているのだ。
すると、運航を開始したのは、アメリカの新保健が適用されているのか?それともなんなのか?となるのである。
つまり、ベッセント財務長官がトランプ大統領の1日の演説をうけて、2日に、「X」にあげたように、トランプ政権2.0はロイズや再保険業界(典型的な「国際金融資本」)と真っ向対立しているなかでの2隻の海峡通過「現象」なのだとわかるけれど、その重要な理由をまったく商船三井も公表していない。
今回の報道の対象となった日本「関係」の一隻は、イランが指定した「安全航路」を通過したのであるが、もう一隻はこれを無視してはるか南のオマーン側を無事通過してみせた。
それを、前者は「インドとの責任分担」があるLNG船であるとし、後者を「オマーンとの責任分担」があるとして、あたかもイランが、対岸でかつ「(アメリカ・イスラエルとイランとの)仲介役」を引き受けているオマーンに忖度したかのうような「解説付き」としたのが、まったくの「蛇足」にきこえる。
この場合の「責任分担」とは、「船主」としてなのか?「荷主」としてなのか?が混じっていて、不透明かつ曖昧ないい方で、やっぱり日本「関係」に視聴者の関心を向けさせたい意図がみえてくるのである。
それは、イランが親日だから、という方向(印象)づけのことである。
また、ほかに通過した6隻がみな「インド」だということも、「インド船籍」という意味合いがおおきくて、「船籍」では攻撃理由の決定判断材料とはならないことと矛盾する。
これらがインド船籍であろうがなかろうが、運航している理由としての「保険加入条件」に、ロイズの要求を呑んだのか?否か?に重要な意味があるのである。
シェークスピアの、『ベニスの商人』で、「破産」についてなにが語られているのか?を読めばわかるし、シェークスピアは英国人であることを思い出せば、「ロイズ」が近くに感じるだろう。

