「選挙公約」を破る日・独同盟

わが国の歴史的失敗は、ナチス・ドイツおよびファシスト・イタリアと同盟したことだという。

全体主義なのに、「極右」だというナチズムとファシズムのちがいをきっちり教育されることなく、社会人にされるから、ボンヤリといけない思想であることしかしらないし、『アンネの日記』やら「アウシュビッツ」を利用してそう仕向けられている。

一方で、アメリカも「日系人を強制収容所」に収容したことは、あまり話題にしない。
やったのは民主党政権だったが、どういうわけか戦後の日系人は民主党支持者が多数で、サモア系でハワイ州から選出されていたトゥルシー・ギャバードが民主党から共和党に乗り替えても、日系人社会が共和党になびいていることは耳にしない。

こうした弾圧を通り越した政策・処置の思想的原因にきっちりと解答しているのは、ハンナ・アーレントの主著『全体主義の起源』だし、ハイエクの出世作『隷属(従)への道』、あるいは、経営学の山脈を築いたドラッガーの著作群がこれにあたる。

平面におとしこんだ「思想のプロット図」は、「筒状」になっていて、X軸で逆向きの「極左」と「極右」は、のりしろなく連続的につながっているので、じつはおなじである。
ファシズムの創始者にして、ファシスト党を創設したムッソリーニは、イタリア社会党左派を除名されるに至った「極左」だった。

ヒトラーと同時代に犬猿の仲とされたスターリンとは、どちらも社会主義=共産主義の全体主義者であるから、わたしはヒトラーを「極右」といういい方に「=極左」のイメージを重ねるのである。

上に掲げた3人とも、「自由主義」の反対語を「社会主義・共産主義・全体主義」と定めている。
自由から全体主義は生まれようがないからである。

もちろん、わが国には、近衛文麿という五摂家筆頭の当主にして、共産主義者を自認した河上肇に師事し、在学中の大正3年には、オスカー・ワイルドの『社会主義下における人間の魂』を翻訳し、発禁処分となった超ボンボンがいたのである。

その近衛公は、歴史的な貴族=保守だと国民は信じ人気があったというが、内閣の書記官長(いまの官房長官)だった、風見章は、戦後、左派社会党の衆議院議員となり、「日ソ協会副会長」やらと、いまのグローバル全体主義のさきがけ的な存在であった。

もちろん、近衛内閣では、「革新官僚」なる左翼官僚群を意識的に重用したが、これらが戦後、自民党の重鎮になるのである。
なお、革新官僚のもうひとつのいいかたに、「統制派」があって、2.26事件で自滅した「皇道派」のあとには、逆らう者がいなくなる。

6日、野党側のはずが「連立」相手になった前政権のSPD(社会民主党)からの支援を受けて、二度目の投票という事態でやっと首相に承認されたメルツ氏は、元ブラックロック・欧州の会長であったグローバリスト経済人だから、政治家としての経験年数は少ない。

これがかえって功を奏して、SPDのシュルツ政権に嫌忌した国民は、「保守回帰」してメルツ氏率いるCDU/CSU(キリスト教民主同盟+キリスト教社会同盟)に投票し、人気2位の「極右」AfDとの連立でなんとかなると思いこまされていたら、「公約破りの当然」を発言するに及んで、いまのAfD支持が1位になることに貢献している。

しかしながら、AfDはほんとうに「極右」なのか?を問えば、グローバル全体主義に対抗する、ナショナリズム政党という立ち位置だけであるために、イーロン・マスク氏が異例の応援をする対象となっていた。

「選挙公約を守らない」といったのは、石破首相が先なので、どうやら日・独は深い絆で結ばれているようである。
この接着剤は、あたかもウクライナ支援にみえるけれども、その基本思想たる、グローバル全体主義であるという点で、まったく「戦前回帰」しているのである。

当時と様相がちがうのは、これに英・仏+EUが加担していることで、米・露と対峙する、史上初となっていることだ。

一回目の投票で裏切ったのは、日本的には「CSU派閥」からの議員たちであって、二回目の投票でこれら造反者を復帰させたのではなくて、SPD議員の賛成票を取り付けたからである。

つまり、ドイツ人にしたら、なんのための「政権交代」か?となる事態になったのである。

さらに、AfDへの公然とした弾圧(テロ組織宣言)に、トランプ政権2.0のマルコ・ルビオ国務長官がさっそく不快感を表明して、メルツ氏はすぐさま反発して応じたのである。

まさかだが、メルツ政権は憲法を変えて、ロシアとの戦争準備、をいいだしている。
わが国は、交戦当事国のウクライナに、「戦後初」の武器供与を実施した。
もう、世界はわが国を「平和国家」とはおもわないだろうが、こうしたことを報じないから、日本国民は深い眠りのなかにいて、なにも情報がとれないスマホをいじくっている。

この危険な日・独に、米・露同盟がどう対処するのか?

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