「WEF」の脱皮

ローマ教皇逝去と同じ21日、世界経済フォーラム創設者のクラウス・シュワブが事実上「非常勤会長職」を理事会によって解任されたのだが、再びの「辞任」と報道されている。

この邪悪な民間団体を、一代で世界有数の有力な政治組織としたことの表面上の功績は評価しないといけないだろう。
創設は1971年だから、1938年生まれのシュワブ氏が、弱冠33歳のときのことである。

学位は、工学と経済学の博士。
ハーバードではヘンリー・キッシンジャーに直接師事した数少ない人物のひとりである。
ただし、その思想は、共産主義そのものである。

意外にも「イエズス会」出身者として初の教皇となったフランシスコの悪名は、伝統的な小児に対する興味の異常さを指摘されていたものだ。
わが国に関係するのは、「天正の少年使節」と、秀吉の「バテレン追放令」という真逆のふたつのエピソードが残っている。

はたしてあのフランシスコ・ザビエルも、宣教と敵情スパイが来日の目的だったことは、いまでは教会に残る資料からも実証されている。

ドイツ生まれのクラウス・シュワブは、カソリックとして育てられたというから、ドイツで主流のプロテスタントとはちがう。
この辺りから、なにか歪んでいたのか?そして幼少時には、母親がゲシュタポから追われて、スイスに逃げるから、ちょっと『サウンド・オブ・ミュージック』のようなのである。

このドイツとスイスを行き来した人物に、「ドイツ語圏」という環境が重なって、「インターナショナル」を突破した、「グローバル全体主義」へ向かわせたのか?
「後任」は、一応暫定として、スイスに本拠を置く「ネスレ」の元トップで現世界経済フォーラムの副会長である、ピーター・ブラベック・レトマットとすると発表されている。

ローマ教皇の方は、あらかじめ決まっている「コンクラーベ」がはじまって、粛々と新教皇選びが進んでいるし、逝去された教皇の「闇」についても葬られている。

この意味で、世界経済フォーラムの新会長選びは、想定外のことが噴出しているから、「組織」というものは、簡単ではないのである。

それが、創設者シュワブ一家の私的組織支配への糾弾となっている。

つまり、「独裁」に関する内部告発であって、シュワブ自身によるセクハラ・パワハラだけでなく、活動資金を司った「財団」トップだった妻による私的流用疑惑や、子供たちの組織内高級官僚としての地位、すなわち、「人事」の私的介入という、底なし状態なのである。

これに、「理事会」が率先して暴く側になっている。

組織とは、創設者個人とは別に、「離脱」するものなのである。

この意味で、ローマ・カトリック教会も、教皇の個人の行いと公式な立場とを分離させて、「別物」という扱いにしているから、じつは真反対にみえておなじことが、このふたつの組織で行われていることがわかるのだ。

しかして、シュワブ氏の後任となった、レトマットの思想の「やばさ」が、早速にネットでは話題になっている。
彼は、「水」について、まったく無料であることを否定して、一人当たりの使用量をコントロールすべきだと主張している、いわばシュワブの「分身」なのである。

シュワブは、「何も所有しない幸福=世界共産化」を主張して、これを「グレートリセット」と自称していた。
もちろん、何も所有しないのは世界中の一般人のことであり、彼ら=支配する側は「例外」とする思想である。

これは、「コオロギ推奨の昆虫食」でもおなじで、タンパク質として一般人が接種すべきはこれらだが、支配する者たちは「ビーフ・ステーキ」をもってタンパク質摂取とすると公言しているのとおなじだ。

そのために、オランダのルッテ政権やデンマークで、「牛のゲップ税」を導入して、その生産力を低減させて、一般人にはおいそれと購入できない高級品にすることでの実現をはかっている。

このルッテが、「農民一揆」で首相を退任して、NATOの事務総長になったのは、世界経済フォーラムの後押しなくして実現しない。

だから、シュワブなき組織として、分身あるいはもっと強烈な人物を選ぶのは、組織力学としては当然なのである。

これは、「脱皮」ともいえる現象だ。

ただし、トランプ政権2.0が、政府予算の削減の中で、世界経済フォーラムへの「補助金」を全額カットしたことのショックとも憶測されている。
なぜに、アメリカ政府が「民間団体」にすぎないこの組織への多額の援助をしていたのか?は、マヌケな疑問で、上位者が世界経済フォーラムだからの「上納金」なのである。

これまでのアメリカがこれだから、わが国もどんな名目でカネを出していたのか?が問われるが、質問者がいない、のが現実なのである。

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