本稿タイトルは、「電子書籍リーダー端末」の提供と「電子書籍コンテンツ」、それに「紙の本」の購入と、三つの機能がそれぞれ揃っている二大巨頭と、「電子ペーパータブレット端末」のことである。
二大巨頭は、どちらも専用の「電子書籍リーダー端末」がありながら、PCでもアンドロイドOS端末でも、ipadでもそれぞれの無料リーダーアプリで「電子書籍コンテンツ」を読めるので、とくに専用端末は必要としていない。
だが、目に優しい「電子ペーパー」での集中した読書をしたいなら、専用の「電子書籍リーダー端末」を購入するか、アンドロイドOSの「電子ペーパータブレット」にするかという選択肢しかない。
わたしは、紙の本も電子書籍も、いったん写真に撮って(電子書籍ならスクリーンショット)、これをipad電子ノートアプリの雄、「GoodNotes」に自炊=取り込んで、検索と直接メモ書きもできるように手間をかけるようにして、蔵書の一本化を試みている。
しかし、やっぱりipadの画面を長時間見つめるのは、目に厳しいために、電子ペーパーディスプレイの「クアデルノ」に載せたりと、いろいろ工夫がいるのである。
カラーになった「クアデルノ」には、色とペン種による検索が可能になる進化があって、文字検索はできないが、あんがいと便利ではある。
一般的に、Amazonが提供する「Kindle」が電子書籍コンテンツ販売でも優勢だろうけれど、電子ペーパーディスプレイとしてみると、あんがいと「Kobo」が優秀なのである。
Kindleには、メモが直接書ける10インチ越の大型画面「Kindle Scribe」があるが、セコいAmazonが例によって「専用」の保存方式としているし、縦書きの本には書き込みができない制限があるので、わたしには魅力がない。
「ファイアーHD」が本来のGoogle端末であるべきをオリジナル化する中途半端さで失敗したことの教訓が活かされないのは、それはそれで経営論としてかえって興味深いが、だからといって「Kindle Scribe」を購入する価値を感じないのである。
「Kobo」には、7インチと小型だが「Kobo Libra Colour」なる、Kindle Scribeにはできない縦書書籍にも、コミックにもペンで書き込みができる端末がある。
だが、惜しいことにやっぱり7インチでは画面が小さい。
このように、いつまで経っても「決定版」となる端末がないのは、提供者側の顧客囲い込み戦略がセコいからだとおもっている。
電子ペーパーディスプレイ版のipadがほしいのは、その決定版となるにちがいないからである。
これが、「寡占」の教科書通りの欠点である。
ところが、伏兵として電子ペーパーディスプレイの老舗、「BOOX」から、カラー「Note Air5 C」なる10.3インチの「アンドロイド14」タブレットがでた。
メーカーは3年間のシステムバージョンアップ保証をしている。
これが長いのか?短いのか?の議論になるのは、アップルの端末が6年と長いからだ。
とはいえ、もしかして、Android版の「GoodNotes」がつかえるやもしれない。
しかし、ネット上では、作動状況についての紹介がすくないばかりか、残念ながら使えない、というネガティブ情報ばかりなのである。
そこで、意を決して、使えないならそれなりの使い方でと、覚悟を決めて購入した。
電源を入れてすぐに、システムバージョンアップがはじまったが、Google playから「GoodNotes」をダウンロードしても、ネットでの表現通り「立ち上がらない」のである。
ところが、だいぶ時間が経ってから、再度「システムバージョンアップ」があるというので、これを実施して、念のため一端アンインストールした「GoodNotes」にも再度挑戦したら、今度は作動したのである。
問題は、ipadで使っているこれまでのファイルをどうするか?なのだが、なんと、最新GoodNotesの料金体系にある「プロ版(年間サブスク4880円!)」にすると、iCloudのバックアップである、「OneDrive」から取り込むことができたのである。
お試し期間1週間も「プロ版」は無料ではなく、「63円」なる容赦のなさである。
このアプリ提供者は、これまでの「iCloud」から、自社の「GoodNotes Cloud」へのデータ保存移行を進めており、マルチプラットフォーム対応の要にする計画である。
なお、「BOOX Note Air5 C」には、ipadでいう、「スプリットビュー」ができるので、画面左に「GoodNotes」、右に、「BOOX提供の Note」を立ち上げことができる。
これから一週間お試しして、遣い勝手を見極めたい。

