『Kindle』と『Obsidian』と『QUADERNO』

それ自体で「メモ」機能がありながら。データベースなどさまざまな機能をもっている『Notion』というアプリが絶賛されていた。
むろん、『Kindle』と『Notion』の連携が先行して、読書好きで読書ノートをつくりたい要望者の知る人ぞ知る、になっていた。

これは、『Kindle』でマーカーをつけたりメモを書いたりしたことを『Notion』に自動的に送る、第三者が開発した有料のサービスのことである。
なんだかんだと世の中はサブスクリプションの世知辛い時代だから、却っていいのもを無料で使うことの価値が上がっている。

『Kindle』は、読書閲覧機能が中心なので、「本」そのものを購入・ダウンロードしないと何の役にも立たない無料アプリだ。
専用の『Kindle端末』を購入しても、「本」というコンテンツがなければおなじことである。

2年前に『Kindle Scribe』という読書端末なのにメモが手書きでも書ける、という機能を売りにして新発売になって話題を呼んだが、わたしは「Kindle専用保存方式」という一点で、興味をうしなった。
しかも、5万円超えなのである。

Amazonは、Googleすなわち「アルファベット社」とはライバルだが、Googleが出している「アンドロイド・タブレット」が提供するアプリ・ストアが気に入らず、廉価だがAmazonの指定するアプリしか使えない『Amazon Fire HD』なる中途半端なタブレットを直売していた。

結局、この秋から、これをやめたのに、まだ「Kindle専用保存方式」をやっている。

対抗するアップルにはズバリ『BOOK』という読書閲覧&書籍購買アプリがある。
こちらは、PDFを『Kindle』よりも簡単に取り込めるだけでなく、OCR処理されていれば、選択範囲を自動翻訳する機能もついているし、手書きで直接書籍ページにメモを書き込める。

電子書籍の分野で先行した『Kindle』は、外部PDFの取り込みを、ユーザーに無料発行されるこれまた独自のメールアドレス経由でしか受け付けないという苦肉の策をやったけど、やっぱりひと手間も二手間も面倒なのである。

それに残念だが、Kindle端末のサイズでは、オリジナルがA4文書になると、小さくて読むのが辛い。

なんにせよ、検索機能が弱いのが難点なので、やっぱり文章やメモ(「手書き」も!)を本をまたいで串刺し検索できるipadの神アプリ『GoodNotes』に移行させるのが後々便利さを享受できるのである。

しかし、『GoodNotes』には、マーカーを引いた部分の検索ができないという欠点がある。

ちなみに、先日、『GoodNotes』もこれまで番号付きでバージョンアップしてきた番号を「6」でやめて、実質「7」を番号なしでの提供・販売開始したが、「6」を買い切りにしていたユーザーは基本的にそのまま使えることにしてはいるけれど、新規目玉の「A.I.機能」を使いたいなら、あたらしい料金体系への移行が必要となったのである。

やっぱり世知辛い。

さてそれで、『Kindle』で読書しながらマーカーを引いた部分を、対象文章ごと『Obsidian』に自動的に送ることが『Notion』より簡単かつ無料でできるので、『GoodNotes』との併用運用を試みているのだが、すでに100冊をこえる対象があるので、同期に時間がかかるという問題が生じている。

とくに、『Kindle』で、本文に「注釈」があるときに、後方のページに飛べるのはありがたい機能だが、これをPDfにして『GoodNotes』に移行させたままだとオリジナルの様にはいかないので、結局は端末2台持ちが便利ということになる。

こういったデジタル機能の「組み合わせ」を、ユーザーが工夫しているところが、まだまだアナログなのである。
それで、『Notion』とか『Obsidian』といった、一見複雑そうなアプリを使いこなしている人物が、解説動画やらで稼いでいる。

ここで、SONYからいまは富士通が引き継いだ『QUADERNO(クアデルノ)』が登場する。

これは、PDFに特化した「e-インクの電子ペーパー端末」という、おそろしく単機能であるために、どちらさまも充電不要のワコムペンの「書き味」を強調したレビューばかりとなっていて、そんなものに数万円も投資するなら『ipad』でいい、というコメントがあふれるという顛末になっている。

なにしろ、手書き優先(外付けキーボードに対応していない)で、しかも、文字検索機能もない、というほとんど「紙」だからである。
だが、20ギガを超える内部容量(別途有料で「専用」クラウド保存可能だが、物理的な外部ストレージには対応しない)があるために、大量の紙資料を持ち歩けるビジネス向き端末なのである。

母艦となるPCやらで管理せよ、という意味である。

ところが、昨年11月に「カラー化」されているばかりか、ファームウェアがかなり進化して、相変わらず文字検索はできないが、「カラー版」には、色別、ペン別(マーカーや万年筆など)での検索ができる、という『GoodNotes』を飛び越える機能がついている。

ついでに、旧機種のモノクロ版でも、「スプリットビュー」が可能なので、二つのファイルを一画面で表示させどちらもメモを書けるから、教科書とノート、といった勉強シーンにも有用なのである。

何度も書いているが、ipadの便利さは否定しないが、画面を見続ける「読書」などでは、目が辛い
「e-インク」の強みは、『Kindle』の宣伝文句のとおりなのである。

アンドロイドOSの「e-インクタブレット」に魅力を感じないのは、アンドロイドOSに乗るアプリが残念だからである。

そんなわけで、PCともipadとも、アンドロイドスマホとも連携して、PDFならなんでも取り入れて、メモつきPDfとしてこれらに戻せる『QUADERNO』が、「目に優しい」という理由だけでも俄然つかえる、のである。

ようは、ipadとカラー化したQUADERNOの組合せが、いまのところ最強だとおもわれる。

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