ないないづくしのウクライナ

「イラン」は、ウクライナを降伏させるための壮大な仕掛けでもあるけれど、もっと巨大な、「中東和平=大アブラハム合意」と、アメリカの庭先たる中・南米とくにキューバの大転換も一気に狙う大戦略の発動であると書いてきた。

EUは、2年間で、という条件が付く900億ユーロ(約16兆4千億円)のウクライナ支援をハンガリーとスロバキアの反対で実行できない「(本音では)望ましい結果」となったが、IMFというどうしようもない機関は、2月26日に4年間で81億ドル(約1.3兆円)というEUに比してずいぶんショボい新規融資枠をウクライナに設定した。

この日は、アメリカがイランを攻撃開始(「エピック・フューリー:壮絶な怒り作戦)した日とおなじだから、IMFとしてはみせかけの融資枠にほかならないはずである。
むろん、ベッセント財務長官がIMFになんらかの圧力(ゼレンスキーの目の前にニンジンをぶら下げるように)をかけていたとおもわれる。

けれども、IMFは儲け主義の組織だから、焦げ付くことははなからやりたくない。

それで、融資が実行できないことを見計らって、「融資枠を設定する」という詐欺的な行動に出たとおもわれるのである。

「国際」なる枕詞に弱いのが日本人だが、IMFを実施的に動かしていたのは、日本の財務省から派遣される「筆頭副専務理事」なのであったが、出資割合通りのルールが破られてしまったのでいまは日本人以外に席を奪われている。

それで、IMFがウクライナに出した融資枠の条件とは、「(大)増税」なのである。

民主国ならどの国も、「増税」には国会における決議がひつようであるが、IMFが設けた「期限」は、今月末(3月31日)まで、なのである。

これが、ウクライナ国会を通過できなかった。

その理由は、前に書いた、ゼレンスキー政権からの国会議員への「手数料」が途絶えたためで、みごとな「汚職大国」ぶりを世界に示したのである。

しかし、ウクライナ支援をしたい戦争屋たちがスポンサーの世界のマスコミは、もうこんな記事で読者を啓発しようなどという高尚なことはできないし、やる気もないから、平然と無視している。

今年1月2日、右腕のイェルマーク大統領府長官を汚職で更迭せざるをえなくなって、元コメディー俳優の困ったゼレンスキー氏は、あろうことか「政敵」たるキリロ・ブダノフ氏を指名した。

なお、時間は前後するが、ベネズエラのマドゥーロ夫婦がアメリカに拘束された(1月3日未明)のと、ほとんどおなじタイミングなのである。
ちなみに、1日、エイプリルフールではなく、米政府はロドリゲス暫定大統領に対する「制裁解除」を発表している。

アメリカの意向に添えば、身の安全が保障される、というわかりやすいメッセージで、誰に向かっての発信か?をかんがえると、ゼレンスキー政権とか、英国スターマー政権、フランスマクロン政権、EUのEU委員会がすぐさま浮かぶけれど、中共も、日本の高市政権も同様だろう。

さて、そのブダノフ氏は、20年からウクライナ国防省情報総局長の立場にあった人物で、ポスト・ゼレンスキーの最有力候補といわれていた人物だ。
危険人物を政権側近に引き入れる、という手法は、古来からあるけれど、たいていしっかり裏切られるのも、歴史の示すことである。

わかっちゃいるけどやらねばならぬ、ほどに追いつめられているのがゼレンスキー氏だ。

それは、ロシアのプーチン氏がわざわざ指摘するまでもなく、「ウクライナ憲法」における、大統領の地位に反しているのがゼレンスキー氏だからで、日本の「護憲派」が、これを指摘しないのは、まったくの「欺瞞派」を自称するようなものである。

ようは、憲法に従えば、ウクライナの最高位にあるのは、一院制の「国会議長」となる。

それで、ロシアはゼレンスキー氏ではない人物を「終戦交渉の公式相手」としているし、アメリカトランプ政権2.0も同様なのはいうまでもない。
かんたんにいえば、「降伏文書調印」にあたって、法的根拠に乏しい人物名だと、国際社会への説得力=正統性に欠くからである。

つまり、イランと同様に、ウクライナも国家のトップが誰なのか?となっていて、少なくともゼレンスキー氏だということはなくなっている。

さてそれで、アメリカはNATO解体をどうするのか?

なんと、マルコ・ルビオ上院議員(当時)は、バイデン政権下の2024年に、NATO脱退を法的に規制した「国防権限法」を超党派で成立させていた。

ようは、大統領に権限はなく(外交に権限のある上院)議会決議にある、と定めたのである。

しかして、トランプ大統領は「NATO脱退」を明言しだし、ルビオ国務長官もこれに従っているので、どんな「秘策」があるのか?と話題になっているけれど、「トランプ流」の癖からすれば、とっくに方法のシナリオを決めていることだろう。

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