アメリカの異常な現実

13日、台湾の総統選が終わって、先ずは民進党候補が政権を引く継ぐことになったが、国会(立法院)は、過半数維持ができなかった。

健忘症の日本人は、1950年の「アチソン・ライン」を無視しているが、残念だが台湾と朝鮮半島はとっくに「あちら側」で、安定している。
トルーマンとアチソンなき、その後のアメリカ政府が、このラインを一度も引き直したことは今日までないのである。

そんなわけで、国会が逆転したことで、もう台湾は遠い国になったし、日本との帰属問題も忘れるしかない。
なお、これで朝鮮半島が、「いよいよ」の舞台になる。

日本海側に、韓国からの避難民が押し寄せることが、震災よりも悲惨になる可能性がある。

それもこれも、残念だがアメリカの「やる気次第」だということだが、さらにわが国にとってまずい状況は、わが国が自公政権だという「安定」が悲惨を呼ぶからなのである。

そんなわけで、アメリカでの攻防戦がどうなるのか?にかかっている。
悪いシナリオは、「内戦勃発(Civil War)」による、アメリカの崩壊で世界秩序が壊れることだが、その前に、ほんとうに大統領選挙をやるのか?が、じつは大きな問題なのだ。

そんな緊張感が増すなか、トランプ氏を選挙人名簿から外そうという魂胆でやっている、連邦特別検察官の「身分」が、いまさらになって、大問題になっている。

州単位では、すでにコロラド州「政府」がトランプ氏の被選挙権を剥奪決定し、こちらは裁判になって、トランプ側が有利な展開になっている。
政府が決めることではなくて、選挙で決めることになぜに政府が関与するのか?と。

もう一方、ジョージア州の検察官が、やっぱりトランプ氏の州選挙人名簿からの削除を画策していたが、補佐官として任命した検察官補が、じつは愛人(検察官が女性、検察官補が男性)関係にあったことが発覚しただけでなく、多額の利益供与とお二人の楽しいバカンス費用への転用疑惑で大騒ぎになっている。

わが国の、芸能界におけるむかしからの「定番」である、離婚やら不倫やらの「事件」が、まったく子供じみているのとは対照的なのである。

とはいえ、他人の不幸は自分の幸せ、から脱却していないレベルでちょうどいいかもしれない。

ただし、昨年暮れから騒がれている、「大物」漫才師の女性スキャンダルは、なんだかトランプ氏が起訴されたタイミングにかならずあった、バイデン息子のスキャンダル隠しのパターンが応用されているようで、気持わるいのである。

とくだん、わたしはこの上方漫才師の芸を好まないが、スケープゴートにされている感は否めない。

さて、ジョージア州は共和党の知事だけど、有名なトランプ嫌いなのに、トランプ氏は選挙応援している因縁がある。
それでも、アメリカの知事には「ふつうの一国」の大統領としての権限があるので、検事の解任問題は最後には知事決裁となるのである。

ところが、連邦特別検察官は簡単ではない。

アメリカの国家機構は、日本とぜんぜんちがって、三権分立があり、そのなかでもさらに、「国会」に役割分担がある。

まさに、国権の最高機関であって、大統領はあくまでも行政府のトップなのである。

連邦下院(衆議院)には、予算権限、連邦上院(参議院)には、外交と政府高官の人事承認の権限が与えられている。

衆議院のコピーに過ぎないわが国の参議院にしたのは、GHQだから、本国との差をみれば、やっぱり意図的なのである。
むかし、参議院は、「良識の府」を自負していたけれど、選挙制度の改悪で、ただのコピーになって、実質、衆議院の「一院制」となったのである。

その前の、選挙ではない、「貴族」が議員だったときの方が、まだまともかもしれない。

ここで連邦検察官には二種類あって、ただ「連邦検察官」といえば、各州の連邦裁判所に訴えるのをもっぱらとして、捜査権限も他州に及ばない。
他州に及ぶ捜査ができるのが、連邦「特別」検察官なのである。

よって、連邦司法省のなかの、「高官」に、こうした特別検事は該当するのである。

わが国では、司法試験に合格して、司法修習生を終えたとき(また試験があって合格者)に、裁判官、検事、弁護士のどれかを選択することになっていて、それなりのリクルート活動が、裁判所と検察からある。

そうやって、「採用」されたら、裁判官になるし、検察官にも任官するのである。

アメリカのような、国会承認制度は、たとえば、最高検検事でもないし、検事総長(たいがい法務省事務次官がなる)も、内閣の任免であって国会承認はない。

なので、国権の最高機関であるという文言は、日本の国会のばあいあてはまらない。

それでもって、いまさら、トランプ裁判を担当する、連邦特別検察官が、連邦上院の承認を得ていないことが問題になっているのである。
司法長官が勝手に任命した、というレベルになっていた。

民主主義とは、手続きが肝心、という原則があるので、「いまさら」という点でも、問題になっている。

すると、たとえ上院がこれから慌てて承認しても、これまでの裁判をどうするのか?ということになって、「無資格者」が検事役をやっていたというお粗末になる。

なので、上院が手抜きしただけでなく、身分を確認しなかった裁判官も疑われるはめになったのである。

世界最高の民主主義国家を自認するアメリカの司法が、立法府と心中しようとしたことで、ちゃんとしている国内法曹関係者から怒りの声があがっている。
これには、反トランプだろうが親トランプだろうが関係ないのである。

ところで、アメリカといえばその力の最たるものが、「軍事力」であった。

これを実行しているのが、とうぜんにアメリカ軍となるのだけれど、とうとう、アメリカ軍の人事機構が狂いだして、白人士官の昇進を中止すると発表した。

これに関連して、アメリカ軍は深刻な人手不足に陥っていて、とうとう紅海の入口(イエメン近海)に配した空母の、最新鋭艦、「ジェラルド・R・フォード」が撤退したのは、定員2600名のうち、2000名しかいないことによる、乗り組み員の「疲弊」が原因だという。

24時間勤務が連続するのが当たり前だから、こうした定員数になる。

旧来の空母は、定員が4000人ほどだったから、最新艦の設計思想もみてとれるものだけど、それでも人員を確保できないのが、アメリカ海軍の実態なのである。

こんな体たらくを、世界に晒しているのが民主党・バイデン政権である。

これによって、とっくに世界秩序が弛んでいるのである。

その弛みのなかで、台湾総統選挙があり、朝鮮半島がきな臭くなっているのである。

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