20日、ユタ州選出の共和党マイク・リー上院議員が、「国連からの脱退法案」を提出したとニュースになっている。
トランプ政権2.0は、就任当日に、WHOからの脱退を大統領令で決めたが、国連(UN)本体からの脱退には具体的な言及はなかった。
なお、WHOの脱退には、脱退表明から1年間を要する規定になっているので、このままいけば、来年の1月にアメリカが脱退する手はずとなる。
これにさっそく、他の常任理事国をさしおいて、ロシア高官が反発した。
その論理は、国連とは第二次大戦の勝者=連合国による、戦後秩序の体制そのものだから、ここから戦勝国のアメリカが脱退することは、戦後秩序の破壊につながる、としている。
米露蜜月時代にはいったいま、これは興味深いメッセージである。
第一に、ロシアは戦後秩序の継続を求めているかに聞こえること。
第二に、ロシアは西側と対抗しないのか?
第三に、なによりもアメリカとの同盟で、あらたな国際秩序を構築しないのか?
もちろん、トランプ大統領が提案したのではなく、ひとりの上院議員からの提案で、トランプ大統領は具体的な対応に言及していない。
ここが、議会と大統領の関係として、役割が分かれていることの便利さなのだ。
対して、ロシアも、大統領が反応したことにしていない。
あくまでも、政府高官に言わせていることが、そらぞらしい、ともいえる。
ウクライナで対立する、EU+英国にとって、第一のメッセージには、ホッとしているのではないか?
ヨーロッパの平和を乱すのは、ロシアではなくてトランプ政権2.0のアメリカだという短絡的な発想をより強めるから、ロシアにとってうまいいい方なのである。
それが、第二のメッセージそのものだ。
すると、反EU、反グローバリズムの立場からしたら、第三のメッセージが不安要因にもなろう。
しかし、これは、トップ同士の後のお楽しみ、なのである。
この後の23日、ドイツの総選挙を目前にして、あろうことかドイツの外相(極左「緑の党」党首)が、アメリカとの断交も辞さないと、元気いっぱいに表明したこともヨーロッパを揺るがした。
なんだか、ヤケのヤンパチに聞こえるのは、勝ち目のない選挙で残り少ない「外相」としての発言記録としたかっただけか?
それとも、「ソ連」の復活を内輪で祝ったのか?
パートナーのマクロンが、アメリカに尻尾を巻いたことの腹いせかとおもわれる。
就任演説で明言したように、トランプ政権2.0とは、革命政権なのである。
その革命とは、建国以来、という意味だから、アメリカ建国とはなんだったのか?をかんがえないとついていけないし理解もできない。
つまり、ドイツの左翼外相は、アメリカの基本の歴史をしらないのである。
ならば、日本の外相はといえば、もっと悲惨で、この期に及んでまだ、ウクライナ支援を約束するトンチンカンぶりを世界に示している。
戦後一貫して日本国は、平和国家を目指す道義的国家ではなかったのか?
ムダな殺戮はやめよ!という確固たる主張のアメリカ新政権を、まだまだ不十分と加速を促すのが本来の日本の役割だったはずのものを、自分から放棄している。
いったい誰に従っているのか?と、世界に疑問をもたせている日本政府は、ほんとうになにをかんがえているのか?
もう、だれにもわからないのである。