RFK.Jrアメリカ保健福祉省長官が掲げる「MAHA:MAKE AMERICA HEALTHY AGAIN:アメリカを再び健康に」の理念が、現実化を進めている。
じつは、8月には、「MAHA大幅後退」のニュースが流れていた。
13日、FOXニュースは、RFK.Jr長官のホワイトハウスでの会見の模様をライブで伝えた。
内容は、8月の報道を真っ向否定するもので、超加工食品を禁止し、飽和脂肪酸に対する規制を緩和するものである。
とくに、米軍兵士や学童に対しての食事ガイドラインを発表する予定であるという。
ここでいう「超加工食品」とは、工業的に高度に加工された食品のことで、硬化油、加糖、香味料、乳化剤、保存料といった様々な添加物が使われている食品をさす。
代表例として、ポテトチップス、菓子パン、カップ麺、菓子類、冷凍ピザなどがある。
また、飽和脂肪酸を多く含むものに、動物性食品(脂身の多い肉、バター、チーズ、生クリームなど)と、植物性油脂(パーム油、ココナッツ油など)がある。
アメリカ人の、とくに深刻な肥満問題(成人の37%:25年最新調査)はわが国でもしられているところだが、これによる弊害は想像以上で、国民皆保険制度という社会主義政策を拒否しているアメリカ人の独立気質が、医療をかんたんに受けられない問題にもなっている。
加えて、「オバマ・ケア」の邪悪さが曝露されてしまった。
なんと、民間の医療保険への強制加入による多額のキックバックを「オバマ財団」が受けていたのである。
トランプ政権2.0は、「オバマ・ケア」の中止を掲げる一方で、肥満の原因とその病原を断つための食品への規制を再構築している。
当然だが、加工食品業界からの反発は、共和党議員へのロビー活動でも如実なのであるが、ひるむことがないのは、「意識高い系」民主党支持者の熱心さも背景にあるからだ。
ここで、重要なのは、アメリカにおける「意識高い系の民主党支持者」とは、すなわち富裕層(セレブ)をさすのである。
彼らは、「健康オタク」でもあるので、高額な「健康食品」についての購買意欲も高く、自身のブランド化で収入源にしていることがある。
だが、一般的に、金持ちはじつはケチだ。
それで、安価に入手できる安全な食品を求めることに異論がないし、少しでも懸念がある食品を口にすることは絶対的な悪なのである。
有名アスリートだけでなく、セレブも、専門の料理人を家庭で雇用しているのは、「美味いもの」のためだけでなく、栄養(化学)知識に基づく健康志向からの当然なのである。
さてそれで、こうしたアメリカの動きに鈍感なのがわが国政府である。
明治以来の産業優先国家としての伝統があるので、加工食品業界を優先させて、国民の健康を後回しにできるのは、国民皆保険制度があるからである。
むろん、公的健康保険をふくむ社会保障制度のための国家予算が、とんでもない額になっていても、増税すればいい、という社会主義が根本にあるための余裕なのである。
国家が強制徴収する「税」を、アメリカ人は国家による個人資産の掠奪であると認識しているために、税によって可処分所得が減ることを「経済的自由の縮小」と発想している。
「国家が集めて配る」ことにアレルギーがない日本人が、こうした外国の自由主義者から奴隷や家畜に見立てられる理由がこれである。
ときに、来日するインバウンドの多くが、肥満問題の対象となる「平民」たちで、ほとんどセレブ層がいないために、超高級宿泊施設もわが国に存在しない。
この理由のもっとも隠された原因が、わが国における「食の安全」に関する懸念があるからである。
つまり、日本ではなにを食べさせられるかしれない、というストイックな健康不安があるのだ。
この価値観が、さらに加速されるのがRFK.Jr長官による、健康開腹施策なのである。
なぜなら、セレブだけでなく平民の肥満層にも浸透する概念だからである。

