31日、日本のメディアがアメリカ・ポリティコの報道を横流しして、アメリカ政府がウクライナに、アメリカ製兵器をロシア領内で使用することを許可した、と伝えた。
ネットにも出ているこのニュースに、日本語だから日本人とおもわれるひとたちがコメントを書いて投稿している。
その内容が、ぜんぜんネット情報を観ていないかのような、テレビ脳に冒されたものばかりなので、まったく呆れるが、もしやテレビ局が仕込んだ投稿記事かもしれない。
このニュースが伝える意味は、ふたつある。
ひとつは、投稿記事に多くみられる、局地戦に対する評価である。
実際の状況は、なにをいまさら、というほどに、東部ウクライナはロシア側がすっかり占領しているし、黒海沿岸のオデッサも陥落が近いのではないか?
すると、ロシア領で使用、とは、ロシア占領地域を越える、という意味になるので、戦略的にも戦術的にも意味不明なのである。
ようは、ひとりでも多く、一般人でもかまわないから、ロシア人なら誰でもいいから殺傷せよ、ということを命じた、が正しい表現だろう。
なんのことはない、日本にかつてやったような、ジェノサイドがアメリカ民主党はやっぱり好きなのだ。
もうひとつの意味は、アメリカ製兵器の使用には、アメリカ政府の許可がいる、ということである。
これはセールス上の制約になる、重大な情報を世界に発信してしまった、という間抜けな話で、いよいよ実戦でも役に立たなかった高いだけのアメリカ製武器が、売れなくなる、ことを示唆している。
それで、途上国が買ってくれないから、アフガンとかでは大量に放置して、「くれてやる」ことを選択したのだろう。
平和呆けの日本人は、「武器」と「弾薬」を区別できなくなった。
武器を与えても、規格にに合致した消耗品たる弾薬がなければ、粗大ゴミ同然なので、弾薬を買わせようという魂胆がみえみえなのだった。
一方で、「同盟国」という名の被征服地(日本や西ヨーロッパ諸国)では、アメリカ製の武器とEU製の武器は、共通規格の弾薬が使えるようにしている。
もちろん、わが国でも国産の弾薬を製造しており、その規格は統一されている。
それだから、ロシア産の武器は規格がちがうので、導入が困難なのである。
しかし、これだけが問題ではなくて、使用にはアメリカの許可がいる、ということだから、なるほど、独自の作戦を行うわけにもいかず、また、アメリカの意向に逆らうと、武器のスイッチが入らない仕様になっている。
こうして、アメリカの軍産複合体は、もう途上国を新規開拓するのはあきらめて、同盟国に「押し売りする」ことを決めたようなのである。
カモねぎを演じるのは、キックバックがほしい、腐った与党とそのコピーの政党になっている。
大正期の「政党政治の腐敗」が、ふたたびわが国で起きていて、それを隠すのに「道義国家」なる新語を用いる噴飯がある。