アメリカ軍の人事刷新計画

トランプ政権2.0がはじまってもいないのに、過去からの仕込みを爆発的に発表して、ものすごいスピードで動いているようにみえる。
中心的な当事者には、これでも「小出し」だと思っているのだろうけど。

わが国は、敗戦で「軍解体」を強制されたので、国家といえば「政府(本当は立法、行政、司法がある)」しかないとかんがえがちだ。
けれども、明治憲法が「統治」と「統帥」とに分けたように、ふつうの国には「統帥=軍」がある。

それでもって、「軍」のなかでも「国軍」ならば、この組織の中に「政府」がある。
軍はマトリューシカ人形のような構造になっている。

そのひとつが、「軍政」であり、もうひとつに「(作戦)参謀」がある。
「軍政」とは、予算と人事を司るが、そのまた人事には「軍法」があるので、組織規定の軍法に抵触すると、「軍独自の裁判=軍法会議」にかけられて処分されることとなる。
軍内には軍法専門の「法務官」がいる。

さすれば、「軍」とは、国家の中にある国家なのである。

ために、民主主義国家の軍が、「シビリアンコントロール」を旨とするのは、シビリアンを「文民」と解釈するのは直訳的にすぎて、本来的には、軍の上にある「民主国家」による支配のことをいう。

民主国家とは、「主権在民」であるという、ウソでも幻想でも「前提」があるから、シビリアンとは「主権者=国民」のことなのである。

にもかかわらず日本では、わざと「シビリアン」を子供の解釈のごとく、最高学府をでたひとたちもどういうわけか疑いもなく「文民=文官=高等官僚」による支配なのだと決めつけて、防衛省内での「内局=御殿女中」が、全権を握って今に至っている。

ここにきて、制服組だったひとが国会議員になって、防衛大臣に就くのは、一種の「退役軍人大臣制」の復活かともおもえる。
そうかがんえると、わが国では、「現役軍人」の大臣就任は、まったく許されていないことがわかる。

茶番とはいえ、極刑の執行で亡くなったひとがいる「東京裁判」で、唯一「文官」で処刑されたのが広田弘毅元首相だった。
なお、海軍軍人はだれも起訴さえされていないのは、山本五十六などの「親米(親民主党)一派」が、アメリカ参戦を促した「功績」があるからである。

さて広田の罪は、強力な指導力があって後輩軍人に文句をいわせなかった山本権兵衛が、向後のために「退役軍人大臣制」を定めたのに、これを逆転「現役軍人」として、以降、天皇の命によっても組閣コントロールを失ったことにある。

アメリカはこんな事情をいつから調べて、「起訴リスト」に載せたのか?
あの戦争の「計画性」が、この事例でもわかるのだが、日本人は「判決」しかみない。

そんなわけで、軍人の人事評価と昇格をだれがどうやってコントロールするのか?は、あんがいと不透明なのである。
それで、旧軍は陸大などの卒業成績順をもって基準としたから、軍人がゴリゴリの官僚化したのである。

何が何でもいったん戦争になったらぜったいに勝利する、という思想を「軍国主義」というなら、戦前・戦中のわが国・わが軍は、ぜんぜん軍国主義ではなくて、嫉妬深い内部人事にばかり気にするねちっこい組織運営に血まなこをあげていたのである。

しかし、なんと、こうした症状にアメリカ軍が罹患していた。

とくに、「先進的」な虹色共産思想によって、軍内にLGBTQが闊歩し、「軍」なのになんのための組織か?があやふやになるという始末で、新規募集もままならず、人員の「自然減」による軍の縮小=弱体化が深刻化しているのである。

もちろん、軍にこのような思想を持ち込んで移植する目的が、弱体化だから当然ではある。
そうやって、常識の固まりたる軍人を再教育すれば、反国家の戦士に改造できるからである。

さらに、アメリカ人だけでなく、先進国では共通に「命の価値」が高まって、まったくあたらしい「人種差別」が発生している。
それが、軍隊の民間委託で、正規軍に人的損傷は許されないが、民間人なら仕方がない、というものだ。

いまや、「左・右」の分断ではなくて、「上・下」の分断がおこなわれている。
支配側のエリートと、支配される側の庶民の分断だ。

オルテガのいう『大衆の反逆』が、トランプ政権2.0革命の原動力になったのである。
その、価値観が、「上」がいうポリコレではなく、庶民がもっている「常識への回帰」なのである。

なんだか、正規雇用と非正規雇用のはなしが、軍にも適用されていて、それが「命がけ」だから深刻なのである。

すでに、無人兵器が前戦に投入されて、機械が人間を損傷させるかつてのSF映画『ターミネーター』が現実化している。

トランプ政権2.0によると、用意しているのは「大統領令」による委員会設立とのことであるが、反トランプのマスコミは「粛正委員会」と呼んで、あたかも共産・独裁のような書き方をして悪意の煽動をしている。

ただし、この委員会は「退役軍人」で構成するとのことなので、山本権兵衛を彷彿とさせるのであるが、きっと、広田を有罪にした理由をしっている誰かが仕込んでいるにちがいない。

もっといえば、公務員の異次元の削減と、不法移民の強制退去に伴う雇用対策に、この軍の整理も連動しているとかんがえられる。

新規雇用は、民間軍事受託会社になるのだろうか?

いまさらだが、トランプ氏とそのブレーンたちは、「マインドマップ」を駆使して、関連性の複雑図を描いているのではないか?と想像している。

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