イランはどうなるのか?

1978年の1月からはじまったのが、イラン革命である。

中東で、「SONY革命」と呼ばれていたのは、パリにいたホメイニ師なる宗教指導者の「声」を録音したカセットテープが、当時世界を席巻していた「ソニーのラジカセ」を通してイラン国内に拡散されたからである。

なので、1982年当時、わたしがはじめてエジプトに入国したときのカイロ空港の手荷物検査では、申告していないカセットテープがないか詳しく調べられた記憶がある。
むろん、申告しても没収になる時代だったのは、前年にサダト大統領が暗殺されたことの警戒が解けていなかったこともあった。

ようは、搭乗するはるか前に、カセットテープを持参してはならない、というのが「旅の基本知識」であった。
ただし、現地で購入した音楽テープの持ち出しは自由であった。

そのイランの「パフラヴィー朝」第二代の「皇帝」が、俗にいう「パーレビ国王」で、テヘランからカイロに逃れた後の80年に、カイロで帰らぬ人となり、市内イスラム地区の「リファーイーモスク」にいまも眠っている。

国を追われて、「癌治療」のためにアメリカへの入国が許可されたことが原因で、テヘランの「アメリカ大使館人質事件」が起きて、館員の救出作戦に失敗したことで、民主党カーター政権は1期で終わることとなる。

それで、現在、イスラム教は実質的に世界最大の宗教になっている。

公式にはキリスト教徒の数が上回ることになっているが、信仰の深さでは比較しようがないほど弱いキリスト教を圧倒しているのがイスラム教なのである。
だが、約9割のスンニ派と約1割のシーア派とに分かれていて、スンニ派の擁護者としてサウジアラビア王家がある。

シーア派は、預言者ムハンマドの血統を重視しているために、イマーム(宗教指導者)は基本的に血縁関係にあってその系統は12ある。
ムハンマドの後継者、第4代カリフだった「アリーの党派=シーア・アリー」だから、「シーア派」なのである。

それで、いまの最高指導者「ハメネイ師」の名前は、アリー・ハーメネイー、である。

革命前のイランは、当時としては斬新的なアメリカ文化が主流であったために、同時代の東京よりもあか抜けていた。
つまり、「イケていた」のであるが、それが伝統保守派からしたら社会の乱れとして嘆かわしくも見えたのである。

社会における「振り子」の振り幅がやたらおおきい。

そのために、まじめさが嵩じて「革命」にまで達すると、こんどは「革命防衛隊」なる武装組織ができて、一般国民生活の中にまで監視の目が光ることとなった。
宗教は「心」を扱うので、全体主義にいきやすいのは中世の魔女狩りも同然である。
ナチスの「親衛隊」を彷彿させるのは、人間のかんがえつくことに限界があるからだろう。

しかして、「革命政府」を名乗るために、やめられない、のである。

この意味で半世紀もの時間を、よく耐えた、ということか?

当時の「イケていた」世代は、70代以上になっている。
昨年末よりはじまった大規模反政府デモが、とうとう全国に拡散しただけでなく、とうとう軍が発砲するに至っている。

トランプ政権2.0は、一般国民に銃口を向けることがないように忠告していたが、それが破られた。
一方で、ベネズエラのイラン製防空網が機能しなかったこととあわせてかんがえると、マドゥーロ夫婦をアメリカに移送して安全地帯に保護したこととの順番が重要になる。

つまり、昨年末からのイランでの反政府デモ発生 ⇒ マドゥーロ夫婦拉致 ⇒ イランで政府側が国民に発砲 という順のことである。
これに、イランの支援を受けているイエメンのフーシ派が弱る事態となって、イランとイエメンに挟まれて対峙するサウジアラビアはジッと事態の推移を観察していることだろう。

トランプ政権1.0からの中東政策「アブラハム合意」の要は、サウジアラビアのイスラエル承認という大目標があることを念頭におくと、「風が吹けば桶屋が儲かる」状態を構築している可能性が高い。

おそらく、昨年、トランプ政権2.0がやったというが人的被害の報告がない「核施設へのバンカーバスターによる空爆」は、北部砂漠地帯のどこかだれもいない地域に事前協議の上で実行したものだとおもわれるが、今度はそうはいかない。

すると、トランプ政権2.0は、イランに影響力があるロシアと、いったいどんな協議をしているのか?
もはや終わったも同然のウクライナ戦争は優先順位トップから落ちて、中東とアフリカに話題が移っているのではないかとかんがえる。

ここで、アフリカが登場するのは、フランス植民地の親露化によって、フランスGDPの3割にもなる「セーファー(CFA)フラン」と「ウラン鉱石」の利権が途絶えたら、フランス経済は自立不可能になるからで、マクロン政権にトドメを刺すどころの騒ぎではなく、弱ったドイツに加えてEUそのものの経済的基盤が崩壊するからである。

そんなわけで、ベネズエラ暫定政権のロドリゲス(副大統領からの昇格)は、マドゥーロ夫婦拉致に賛意を表明したマクロンに対抗して、フランス外交団への帰国命令を発して、断交状態をつくりだしている。

トランプ政権2.0が仕掛けた立体を超える四次元パズルに、とうてい、日本外交も追いつかないのは、もはや知能(IQ)の格差があるからではないのか?

その中核を、ラトクリフCIA長官が担っていることだけは確かなようである。

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