ドイツの総選挙にあたって、マスコミが「極右」といってはばからない「AfD」への支持声明を出し、英国の極左スターマー政権への敵意をあからさまにしているイーロン・マスク氏の言動が、アメリカ政府の見解(トランプ政権2.0)として、政権移行前にもかかわらず重みを増している。
むしろ、政権移行前だからこのタイミングでエスカレートさせているのかもしれない。
まずドイツでは、「選挙中止」の声が、左派マスコミから出始めている。
理由は、「外国からの選挙干渉」だ。
2016年のアメリカ大統領選挙では、トランプ氏への不当なでっち上げだった「ロシア疑惑」が、当選後のトランプ政権1.0を長々と悩ました。
ようは、ロシアからの選挙介入があった、という与太話で、これをやった先日の大統領自由勲章受章者のヒラリー・クリントンは、しっかりと選管からの罰金刑をうけている。
つまり、政敵へのウソ・選挙キャンペーンの指示を出したのが、ヒラリー・クリントンという名の魔女だと本人も認めたのであるが、なんと小さな「罰」であったことか。
トランプ氏は司法による報復ではなく、昨年の選挙中の超党派イベントにて、ヒラリー・クリントンの面前でこのことをしっかり皮肉って、ネットは大喝采の嵐だった。
逆に、この最高勲章の授与に、ネットは大ブーイングの嵐となっている。
そんなわけで、ドイツのマスコミもワンパターンの過剰反応でキャンペーンを開始している。
現状の政党支持率では、ドイツ統一を成し遂げたコール氏がいた「キリスト教民主同盟:Christlich-Demokratische Union Deutschlands:CDU」がトップの優勢で、次につけているのがAfDとなっている。
高度成長期の名宰相といわれた、ヘルムート・シュミット氏が率いたのが、ショルツ現政権の「SPD:ドイツ社会民主党: Sozialdemokratische Partei Deutschlands」だが、その人気は環境左翼の「緑の党」よりも下になっているという。
いわゆる、戦後の「新生(西)ドイツ」にできた、二大政党が、CDUとSPDである。
一方、統一後の民主化を実現した旧東ドイツを拠点にしているのが、新党のAfDだ。
旧ソ連圏だった「東欧諸国」は、総じて「自由主義」を西側自由主義圏よりも強固に信奉しているのは、「共産主義の悪夢」を実体験したことによる。
だがしかし、ソ連崩壊(1991年12月)から30年以上が経過して、いまの30代以下の若いひとたちは、社会主義時代をしらないのである。
そんなわけで、それより上の世代が自由主義のために頑張っているのは、ソ連だったロシアも同様なのである。
なので、いま旧東欧諸国が比較的「親露」なのは、きっちりと「ソ連」と区別しているからである。
一方で、バルト三国やモルドバが、「親EU」なのは、「ロシア帝国」からの因縁があるためだとかんがえればいい。
ちなみに、わが国が「反ソ」、「反露」なのは、「北方領土問題」がとにかくネックになっているからではあるが、最近になって「真相」がわかってきた。
ソ連に北方領土と満州(国)を引き渡したのは、クリミアの「ヤルタ会談」での密約(「極東密約」という)であったし、これを仕掛けたアメリカ人が病身のルーズベルト側近だったアルジャー・ヒス(ソ連の軍参謀本部情報総局のスパイ)だと判明している。
当時のルーズベルトは、いまのバイデンよりも判断力に疑問があった。
そして、彼はこれより2ヶ月後に逝去した。
日本人が恨むべきは、ソ連だけでなく、民主党のアメリカとチャーチルの英国なのである。
それでドイツはどうなるのか?
不信任を喰らったゆえの選挙なのだから、やめるわけにはいかない。
フランスのル・ペンのように、アンチAfDで固まって政権ができても、長くは続かないだろうし、トランプ政権2.0で「EU」と「NATO」は窮地になるから、流動的である。
しかも、EUを維持するための費用は、加盟各国が「付加価値税」を原資に拠出しているのだが、これをトランプ政権2.0が、「関税障壁」だと認定する可能性がある。
そして、イーロン・マスク氏が牙を剥くかのごとく敵対しているのが、英国の極左スターマー政権である。
スターマー氏は、検事として犯罪者を起訴しない方針を貫いた人物で、1997年から2013年の間に少なくとも1,400人の子供が性的搾取の対象となっていたことが判明した。
さらに、応援するといった「リフォームUK」の党首、ナイジェル・ファラージ氏にも噛みつき、党首交代を訴えている。
これは、服役中の人物に対する「見解のちがい」から発したものだと報じられている。
昨日の味方は今日の敵。
この世界一の大富豪がどんな政治的発言をするのか?によって、強い影響力を世界にもたらすのは、残念だが「人間は全知全能の神ではない」ことから全面的な正義の味方にみえるいまの状態を注意していないといけない。
あの、ダース・シディアス=クラウス・シュワブのような、狂った「暗黒卿」になってはならないからである。
とはいえ、英国とほぼおなじパターンで自壊しているのがわが国だ。
それで、いまネットでは、トランプ政権2.0による「日本対策省」設立の噂が盛り上がっている。
長官は、あのスノーデン氏だというから、希望的観測もここまでくると、役者が揃っているアメリカと、適任者がみあたらない人材枯渇の英国や日本とのちがいがわかる。
これもまた、今後かんがえないといけないポイントである。
それにしても、日本対策省ができるなら、英国をどうするのか?のシナリオがイーロン・マスク氏の言動ならば、そのまま日本にも適用されるとかんがえるのがふつうだろう。
これを意図的にやらせている、トランプ政権2.0の迫力は、過去と次元がちがうのである。