バイデンを候補者から無理やり降ろして、それまでの予備選挙をチャラにした民主党の党是が「民主主義」だから嗤える。
しかし、レーニンの秘蔵っ子にして国際共産主義革命の理論的指導者だった、トロツキーが、まさか野蛮なスターリンに権力闘争で敗れて国外脱出し、挙げ句にアメリカ民主党を乗っ取って、あるべき「ソ連共産党」に変容させた。
どうしてクリントン夫妻からオバマ、バイデンに至る中で、かくも民主党がプーチンのロシアを嫌うのかは、ここにおおきな理由がある。
つまり、スターリンとプーチンが「祖国=ソ連共産党」を潰した張本人であることの、怨念に充ちた恨み節なのである。
ところで、レーニンのボルシェビキは、革命時には少数派だった。
いまでは、ロシア革命のスポンサーが、西側の大富豪つまり、「国際金融資本家=軍産複合体」だったことは有名で、ソ連の軍事国家としての利益を裏ですすっていたのである。
そのソ連は、国民監視のためのコスト増に耐えきれず破綻した。
なので、これを見越した鄧小平は、先に改革開放=国際金融資本の導入をやって、そのコストを賄おうとしたのである。
これは、西側の大富豪が、東・西両陣営に与せず、ただの「カネの亡者」であることを示している。
それで、アメリカも、民主・共和の両党共に、戦争屋=軍産複合体の手先が表部隊の政治家として君臨してみせたのである。
だから、スターリンから逃れたトロツキーを支援したのも、西側の大富豪たちによるいわゆる「両面張りの保険」で、構造はいつでもどこでもワンパターンでおなじなのである。
それでもって、彼らの敵はとにかくトランプ派だから、徹底的に大統領に就任させることを拒否する。
そこで、今月中にバイデンを「医学的見地」から引退させて、カマラ・ハリスを大統領に就任させる案が急浮上してきた。
トランプ就任までの「つなぎ」ではなく、そのままカマラ・ハリス政権を継続させるプランで、法的根拠に、「1月6日事件」を挙げて、憲法上、国家反逆罪を犯した者が大統領の職にはつけないことを理由にするそうな。
しかしながら、この案は予備選どころではない本選挙の結果も無視することになるので、どのくらいの大騒ぎになるのか?想像もつかないほどの混乱が予想できる。
もちろん、暴動をふくめた混乱をさせたいのだ。
まさに、暴力革命をよしとする、共産主義の行き着くところだから、混乱・混沌こそがよしんばトランプに負わせる狙いだともいえなくもない。
そうやって、最大資源の「時間」をムダにするのも、抵抗勢力の抵抗手段なのである。
こんなマンガのようなシナリオが、CNNの討論番組で真顔で行われていることの「言論の自由」があるのも事実なのである。
とはいえ、このシナリオを知らないはずがないのに、イーロン・マスクは、100万人規模の政府職員解雇という「粛正」を計画している。
われわれ日本人には想像もつかない、アメリカ合衆国憲法には、もうひとつ究極の規定があって、それが「抑圧する政府に対抗して、人民による武装蜂起を合憲」としていることである。
このことが、「銃所持の合憲」にもつながっている。
なんと、憲法をもって、両陣営が対峙する構造なのである。
ただし、そのアメリカの首都、「ワシントンD.C.=コロンビア特別区」では、銃所持が禁止されている。
カリフォルニア州の検事で州司法長官だったカマラ・ハリスは、どうやらこのことをしらなかったらしく、ワシントンD.C.在住なのに「自宅に銃がある」と演説で発言してひんしゅくを買ったのは、銃規制を党是とする民主党の言い分ともかけ離れているからであった。
そんなカマラ・ハリスが、「敗北宣言演説」では打って変わって、じつによい内容だったのが皮肉であったが、まさか、このシナリオに乗ることが予定されていた余裕からか?と、また疑念が生まれている。
陰謀論をいうのはかんたんだが、陰謀論を好んでつくりだしている勢力こそが、共産革命を表明してはばからない陰謀だらけの共産主義者だし、そもそも「陰謀論」という用語を初めて用いたのが、JFK暗殺後のCIAだったのは、歴史的な事実だ。
わが国では、『平家物語』の「鹿ヶ谷の陰謀」(史実)が有名で、ずばり陰謀であって怪しい作り事ではないことはだれもがしっている。
しかも陰謀の特徴は、「結果失敗したこと」をさして、成功したならそれは「計画」とか「作戦」ということもしっている。
たとえば、最大規模の犠牲を出した「インパール作戦」は、もう陰謀を越えて「無謀」になって、「無計画」の象徴なのだ。
これが、最高頭脳を誇った「参謀本部」の実像だし、計画どおりいかないことの歴史の教訓なのである。
それがいつの間にか、当局がいうこととちがうことを「陰謀論」ということにした。
ようは、当局を全面的に信じろ、という強制があるから「陰謀論」がなくならないのである。
昨今、「陰謀論」の方がはるかに科学的であるのは、当局の傲慢がそうさせるからで、政権交代がひつようになるのもこのためだ。
さて、トランプ氏は無事に就任式をむかえることができ、任期をまっとうするのか?
武器が巷にあふれている別天地の緊張は、電車どころか国会で熟睡できる国とはおおちがいなのである。