突如トランプが言ったとして、嘲笑を買ったのものの、「いつものこと」として扱われた。
このとき、大統領の後ろに控えていた人物も、瞬間的にびっくり仰天したような顔芸をみせたのだが、この芸で「十分に練ったことだ」という大統領発言を打ち消してしまったのである。
果たして、このコンビは、何がしたかったのか?
当然に、狼煙(のろし)的なぶち上げを演出した、と解するのが妥当だとおもわれるが、やはり気になるのは「十分に練ったことだ」という、文脈上にあるひと言なのである。
わたしは、私費を費やして長時間のプロジェクトとして準備した「トランプ政権移行チーム」は、「マインドマップソフト」と「スケジュール管理ソフト」をつねに用いているとかんがえている。
そうでないと、これだけの複雑な政策の整合性がとれないからであるし、不動産デベロッパーが本業のトランプ氏は、事業の損得勘定を含む方針決定にもずいぶん前から利用してきたのだとかんがえられるのである。
USAID閉鎖にあたってトランプ大統領は、「すべての外国への(アメリカ)政府支出を中止させた」と発言したが、これには「ただし」があって、それがイスラエルとエジプトは除く、という二国だけ特別な条件付けであった。
カナダを51番目の州にする、発言も「お笑い草」だという認識があるけれど、トルドー氏の「トランプは本気だ」というオフレコ発言が漏れて話題になっている。
イベントでのマイクが切られているはずのものが、そうではなかったというトラブルなのだが、だれかがわざとやったのではないか?と疑われている。
ようは、トランプはいつでも「本気」なのである。
では、このガザという地区に対してのマンガのようなメッセージは、いったい誰に向けたものだったのか?
いまある問題のひとつは、ハマスにとられた「人質」の存在なのである。
戦争が嫌いで人命を最重視するトランプ大統領だから、目の前の最優先事項になっていると考えない方がおかしい。
すると、ガザの一般住民とハマスに関わる人たちとを「分離」させる手段としての「移住のすすめ」だとすると、まさに『進撃の巨人』のごとく、一般住民がいなくなった土地の容赦ない「地ならし(ハマス掃討)」をするという意味ではないか?
じっさいに、ガザには地下トンネル網が張り巡らされていて、トンネル内にハマス活動家たちが隠れているのである。
あたかも、『ユートピア』の「モーグ」のようになっている。
それで、石破首相がアメリカに向かう前に、日本政府は「ガザ住民の受け入れ」を表明しているのは、すでに東京・虎ノ門のアメリカ大使館からの指令を受けている可能性もある。
トランプ政権2.0は、連邦上院での人事承認を経ない、 「長官代行」や「副長官代行」に強力な人選をしていて、本命が決まる前でもしっかりと省庁を掌握している。
この意味で、「在日(臨時)代理大使」も、この手の人材になっているのではないか?
ほんとうに、日本にガザの人たちがやって来るのかわからないが、「本命」は、エジプトでの新規(「新規格」)街づくりなのではないか?
なにせ、トランプ氏の本業は「不動産デベロッパー」なのだ。
紅海の入口をイエメンのフーシ派に抑えられたエジプトは、スエズ運河からの外貨収入の多くを失って、経済危機にあるし、世界も喜望峰周りという遠回りの運賃負担を強いられている。
つまり、エジプトは条件次第で「乗ってくる」可能性があり、わが国も人間を受け入れる社会的に膨大なコストを負担するよりも、エジプト支援をした方がよほど「お得」なのである。
しかして、わが国の援助窓口は、JICAなので、USAID閉鎖であぶり出される「援助不正」のコピーがあるのか?という問題から、外務省=エジプト駐在日本大使館が、直営とするスキームにさせられるのかもしれない。
この場合、援助現場に詳しいJICA職員をこっそり外務省に「出向」ということにでもしないと、無能なキャリア外交官にはなにもできないだろう。
彼らは「政務」担当であって、決して「経済」担当ではない。
そんなわけで、サウジが同意したら現実化する可能性が高いのである。
もちろん、サウジは隣国イエメンのフーシ派(イランから援助されている)が、目障りで仕方がないので、トランプの大掃除はイエメンに波及し、中東でのアラブの敵をイスラエルからイランに転換させる「レジームチェンジ」をやるという構想ではないか?
そのためにも、イランの背景にあるロシアとの関係改善は必須なので、とうとうトランプ・プーチンの電話会談がはじまって、ダイナミックに世界が動きだしたのである。
また、日本人は遠い中東の複雑性を無視したがるのも、知能を低くされる「受験勉強」の効果であるが、その中東から95%を越えている現実を思い出せば、この地域の平和・安定は、日本人の生死を決めるほどの重大事なのである。
すると、トランプ政権1.0でやった、歴史的な「アブラハム合意(アラブ6カ国がイスラエルと和平・国交樹立した)」の画期を強く認識しないといけない。
だれもやったことのない、安定をもたらした功績はトランプ嫌いでも認めないわけにはいかないほどの重要さだった。
政権発足後3週間でここまでやる実行力は、いかほどの念入りな準備が必要かをいわないのは、実務経験のない「夢ばかり見るひと」か、「ポリコレ」に固まったひとだと断言できるが、USAID閉鎖で資金が切れたら、「ポリコレ」のひとは黙るのだろうか?というリトマス試験紙となっているのである。