ダボス会議でかました!

23日、トランプ大統領は、オンライン参加の「ダボス会議」で、期待通りかましてくれた。

「ダボス会議:世界経済フォーラム」の構造的な位置づけは、各国のDS ⇒ 国連 ⇒ ダボス会議 ⇒ ビルダーバーグ倶楽部 という順の建て付けになっている。
世界の頂点にあるのは、「ビルダーバーグ倶楽部」だが、その下の「フロント」としての位置づけが「ダボス会議:世界経済フォーラム」なのである。

なお、「国連」は、初代の「国際連盟:League of Nations」と、いまの「国際連合: United Nations:じつは連合国」とで、違いがあるという説が一般的だが、実情はおなじなのである。

国際連盟の発足は、1920年(大正9年)1月10日で、終了したのは、1946年(昭和21年)4月19日であり、一方の国際連合は、「国際連合憲章」が1945年6月26日で、活動を開始したのが同年10月24日となっている。

約10ヶ月の引き継ぎ期間があるとはいえ、戦争前から「連合国」なのだから、第二次大戦における「枢軸国」の敵としてみれば、これらの組織の実態はおなじなのに、あたかも別物としてみせているのである。

そもそも、アメリカ民主党の悪名高きウィルソン大統領が発案しながら、アメリカ自身は加盟もしなかった国際連盟とは何者なのか?と問えば、日本を利用するための「国際組合」なのである。

これを予言したのは、幕末の最高頭脳、福井藩の橋本左内が書き残し警告しているのに、日本政府はこの警告を無視したことに悲劇の結果がやってくることになったのである。

さてそれで、トランプ大統領の紹介は、ダボス会議を主宰するダース・クラウス・シュワブ卿が行って、「基調講演」のあとは、世界の財界重鎮からの質問形式となった。
講演の内容は、圧縮版の就任演説と同じだったので、「新味」はなかったが、真っ正面からシュワブ卿が半世紀をかけて構築してきた「アジェンダ」を完膚なきまで否定したことは確かである。

なので、会場からの拍手はあったが、その実は積極性に欠けるものだった。
つまり、これを観ている世界の人々からの歓喜の拍手が無音でわいたのである。

わたしが注目したのは、ヨーロッパについての質問で、はっきりと「付加価値税」に対するアメリカの不利についての認識があることを明言したことである。

これは、NATO諸国の防衛費負担GDP5%要求よりも厳しい。

なぜなら、EU加盟各国の付加価値税収が、そのままEU委員会を支えているばかりか、共通通貨「ユーロ」維持のための供託金になっているからである。

おそらく、EU委員会とECB(ヨーロッパ中央銀行)、さらにEU離脱派までにも、電気が走るような衝撃発言だったのではないか?
当然に、わが国の消費税にもおなじ理屈がいえるので、アメリカ民主党の直営店、日本政府にもビッグバン級の強烈インパクトがある発言なのである。

マスコミは、引退した「中居くん」の話をダラダラやって囮にし、「フジテレビ問題」にも触れつつも、トランプ政権2.0による「貿易問題としての消費税」について日本人に説明するようなことはやらないと決めて(おそらく政府:内閣官房から要請されている)いるようだが、そうは問屋が卸さない事態になること確実なのである。

ときに、バンカメ(Bank of America Corporation)のお偉いさんには、「あなたの銀行は、保守派(=共和党支持者)に金を貸さない」と渇をいれたのもトランプ大統領らしい。
貸金業ビジネスをちゃんとやれ!と尻を叩かれたトップの困惑した表情は、日本人にとって鳩に豆鉄砲というよりも、ほとんど身分を明かした「水戸黄門」に近い。

フジテレビの次にやり玉に挙がりそうなのは「TBS」だという噂があるけれど、読売新聞と日テレについては、新任のアメリカ大使によってどういった指示を受けるのか?という見世物もあるだろうし、本丸のNHKだってまだ放置されている。

それにしても、これが世界のリーダーたちか?と残念なのは、なにしろ、繰り出される質問が「目先の経済だけ」というお粗末が透けて見えるからである。
日本の経団連が、これを猿真似しているのだと心底納得できた。

これは、エリート教育の間違いが「世界共通」になっていることの証拠でもある。

「わたしが話しているのは若者たちがウクライナの平らな土地で弾丸にあたって死んでいることのムダを嘆いている」と唐突にいい出し、議論の次元のちがう話までしだしたことの核心すら、同じ穴のムジナたちで埋まる会場のひとたちには伝わらなかったのだろう。

まさに、倫理崩壊。

これがダボス会議:世界経済フォーラムに集まってくるひとたちの本性なのだとトランプは身を以て暴いたのである。

けれどもそんな醜態を暴かれた側は、ぜんぜん気づきもしない。

それがまた、終了後の「退場の場面」で明らかとなる。

この様子から、「なんだ、期待したほどじゃなく、たいしたことなかったな」程度の雰囲気が伝わってくるからである。
いわば、駄作映画を観た後の雰囲気なのである。

使命感も何もない、あるのは金儲けと自分らの選民状態を確認したい心理だけの「虚空」なのであった。

トランプはそんなイリュージョンの「タネ明かし」を、あっさりとやってのけてサッサと画面から消えたのである。

控えにいたホワイトハウスのスタッフたちと、ガッツポーズを取り合ったのが目に浮かぶ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください