トランプの100日とルビオ

まだ100日しか経っていない、という感慨にふけるよりも、その強烈なスピードに圧倒されて、1年以上経っているような気がする。

就任から100日目とは、4月29日のことであった。

各メディアは、トランプ氏から「フェイクニュース」と罵倒されても、USAIDからの資金が絶えてもひるむことなく、フェイクニュースを流し続けている。
それで、「歴代最低の支持率」という記事を世界配信し、わが国の全メディアも「右へならえ」した。

いまや、共和党支持層は、1割ほどしかオールドメディアを信用しないと回答しており、民主党支持者たちの5割を大きく下回っている。
つまり、共和党支持者の9割は、フェイクニュースだと認識しているから、この「大統領支持率」に関する報道も、フェイクニュースだとおもっていることだろう。

アメリカ在住の邦人たちも、自身の周辺における「トランプ人気」を素直に報告している。

5月に入って、こんどは、政権幹部の辞任や解任のニュースで、「政権崩壊」を流し始めている。
その筆頭が、マイク・ウォルツ国家安全保障問題担当大統領補佐官であるが、彼は「辞任」し、彼の副官だった人物(アレックス・ウォン)が「解任」された違いのことをいわない。

トランプ大統領は、彼の辞任を承認した上で、空席のままの国連大使に指名したのである。

大統領補佐官は大統領が自身で人事権を持つタイトルだが、国連「大使(ただしくは「特命全権大使」)」は連邦上院の承認が必要な、日本でいう「認証官:特別職国家公務員」なのである。
それで、ヴァンス副大統領は早速に、「昇格」であると「X」に投稿した。

上院で通過しない場合、のことをかんがえると、「晒し者にする」という意味もでてくるのである。
反国連の立場にあるトランプ政権2.0なので、国連(正)大使の空席状態を国務省の役人が「代理大使」でいることに痛みを感じないこともひとつある。

もちろん、大使は国務長官の配下となる。

なんにせよ、トランプ政権2.0は、これを機に、国家安全保障局(NSC)の「人員全取っ替え」を実施中なのである。

ここで、関係者ならずとも驚いたのは、国家安全保障問題担当大統領補佐官の後任人事なのである。
なんと、マルコ・ルビオ国務長官が「兼務」すると発表された。

国務長官が国家安全保障問題担当大統領補佐官を兼務するのは、あのキッシンジャーとおなじなのである。
しかも、キッシンジャーは2役だったが、ルビオ氏は、USAIDと国立公文書館の長官とで、4つの肩書きをもつ「史上初めて」となった。

トランプ政権2.0は、マルコ・ルビオ依存をしているのか?それとも「超多忙」にさせて余計なこと(元ネオコン)をさせない意思表示なのか?

そのルビオ氏は、「X」で3日、ドイツを名指しして批難した。

「ドイツは諜報機関に野党を監視する新たな権限を与えた。これは民主主義ではなく、偽装された専制政治だ。
本当に過激なのは、最近の選挙で第2位となった人気の高いAfDではなく、AfDが反対する体制側の致命的な国境開放移民政策だ。
ドイツは方針を転換すべきだ。」

さては、「ドイツ」を「日本」に書き換えたらどうなのか?

わが国の前戦では、新任のアメリカ大使が「微笑外交」を展開している。
当然ながら、わが国の各界の要人と面談して、「言質」をとってはルビオ国務省に詳細報告しているのだろう。

なにせこの「X」の二日前、1日には「ウクライナとの資源協定」が成立したのである。
いよいよロシアとの和平模索が本格化する。

徐々に、ヨーロッパ・中東から、東アジアに覇権興味の重心が移りだしているのである。

ルビオ氏は、どんな戦略を描いているのか?
キッシンジャーと比較されるプレッシャーはいかなるものか?

フル回転でかんがえていることだろう。

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