13時間の時差(サマータイム中)があるワシントンD.C.とわが国なので、6日、AM9:54(日本時間6日PM10:54)にトランプ氏自身が所有するSNS『Truth Social』に挙げた、異例の「高市あげ」記事が話題になっている。
前に、「関東人には不明の「トランプ京都人説」」を書いた。
ようは、アメリカ人(ニューヨークっ子のヤンキー)でありながら「いけず」なのである。
「いけず」とは、『新明解国語辞典8版』によれば、「[関西方言]いじわる(な人)。」とある。
アメリカ人で「トランプ嫌い」が一定数いるのは、その人柄の「いけず」なところが合わない向きがいるからだとおもわれる。
つまり、彼の言動にはトゲがあるばかりか、よくよく意図をとらえる読解力がないと、かなりズレた反応を示すこととなるのである。
このあたり、かなりの「京都洛中人」なのだ。
さてコメントの、「異例」のポイントは、
・総裁選に勝利したが首相に就任していない段階でのことであること。
・外交儀礼としては、公式の政府間「電報」が用いられ、私用の媒体ははばかれること。
・文面に、「おめどとう!日本国民の皆さん」があって、「政府間」ではないこと。
これに、冒頭の「素晴らしい知恵と強さを持つ人物」と褒めていることで、あたかも、安倍晋三氏とのことを思い出されるという、「解釈」が日本の読者一般の反応になっていることがある。
このブログでなんども書いてきたように、はたしてトランプ氏は安倍晋三氏と本当に胸襟を開く間柄だったのか?を疑っている。
ことの発端は、16年大統領選挙期間中における、ヒラリー陣営への一方的な「表敬訪問」で、アメリカ国内の選挙違反にあたることをやったのが、安倍首相そのひとだったことだ。
むろん、ヒラリー絶対勝利を信じた愚かな外務省の指図ではあろうが、トランプ陣営は選挙中の外国首脳との会談を、しっかり「違反」と認識していたことで、拒否された、ことになっている。
「バナナ共和国」のようなみっともないことを、日本(政府)がやったのである。
だから、日米首脳会談のためにトランプ大統領を初めて訪問した安倍氏は、顔が引きつっているのが確認できる。
これを、トランプ氏は「異例の大歓迎」とした演出で、まんまと取り込んだのである。
これぞ、「いけず」の真骨頂、まさに白拍子以来の籠絡を地でいく姿なのである。
トランプ政権1.0の苦しみは、大統領に従わない高級官僚たちの「妨害行為」であった。
それは、まさにオバマが大量採用した者たちであったし、そもそもアメリカに「高級官僚制」を制度化したのは、おなじく民主党の左派だったカーター政権だった。
つまるところ、対民主党との闘いは、とうとう1.0政権末期にまで及び、「バイデンジャンプ」に敗れて下野することとなったのである。
よって、トランプ政権2.0までの4年間という時間を、トランプ陣営は明確な戦闘態勢の準備につかい、対して焦る民主党はなりふり構わぬ「司法の武器化」で対抗したのである。
その民主党のやり口が、いま、ブーメランとなって民主党幹部の起訴になっている。
そんなわけで、トランプ政権2.0は、各国の情勢についての調査・研究も過去の政権とは次元が異なる精緻さという性質をもっている。
その中で、アジアでもっとも重要な同盟国日本の状況を、しらない、ことはあり得ない。
高市早苗氏が過去に、アメリカ民主党議員の世話になっていることも、彼女の人生のなにもかも、彼らは承知しているはずなのだ。
しかも、盟友のはずの安倍晋三氏が暗殺された現場たる「奈良県」こそ、高市氏の選挙区である。
その高市氏は、安倍氏の事件についてまったく関与せずに他人事として貫いている。
そもそも、高市氏は旧安倍派に加入もしていない「無派閥」が売りだったのである。
なので、どこから安倍晋三氏の意志を継ぐ議員筆頭となったのか?をかんがえれば、マスコミの「神話」ではないか?となるのである。
逆に、トランプ氏はこの「神話」をそのまま利用している。
一種の、「ほめ殺し」なのである。
ときに、トランプ氏にとって本当の盟友だったはずのチャーリー・カーク氏と日本人の関係をみれば、高市氏が参政党に与党入りを打診する声かけをしたことも、トランプ大統領への摺り寄りともとれる言動であったと解釈できる。
神谷氏はこれに先手を打って、現状で「与党に与しない」ことを明言した。
一方、チャーリー・カーク氏は、「ガザ問題」で急速に反ネタニヤフを露わにしていたので、暗殺理由としてトランプ氏にはまずい状況となっていることはまちがいない。
あたかも、「泣いて馬謖を斬る」のごとくとも解釈できるからである。
自民党総裁候補の顔ぶれの絶望的な状態から、高市氏が選出されてもその絶望は変わらない。
彼女の能力がほんとうに高いとするなら、それは、トランプ氏の「いけず」に対抗する「いけず」だという意味でしかない、というのが現時点でのわたしの評価なのである。
自民党そのものの「延命装置」でしかないけれど、もう命運というよりも「役割」が尽きているから、残るは「解党」という結論だけである。
すくなくとも、彼女を「保守の星」というのは、マスコミがつくった「神話」にすぎないからである。
むしろ、マスコミが望む人物であることが、日本人の悲劇となる。
それを、逆手にとったトランプ大統領の「いけず」な投稿は、来日時における当事者同氏によるバチバチがあることを予想させ、トランプ大統領の上手に期待するしかない「ねじれ」がつづくのであろう。