歴史的な出来事と同時期にリアルに生きている人間には、その「歴史性」が理解できないというのは過去の歴史について、その同時代人がどう記録したかをみれば察しがつくものだ。
だいたいが、ずいぶん遅れてからの話になっているのは、詳細がわからなかったという事情も含めて、じつは「傍目八目」になれないからである。
この点で、中華王朝史は、前王朝が滅亡してから約100年後に執筆をはじめるのが慣習となっており、経験則的にも説得力をもつ。
そんなわけで、トランプ氏と「共和党トランプ派=あたらしい民主党=穏健派民主党」の勝利は、確実に「歴史的」な出来事である。
これは、外形的なことだけでなく、イーロン・マスク、 ビベック・ラマスワミの両氏を、新設の「政府効率化省:Department of Government Efficiency:DOGE」の2トップに据えたことが象徴するように、政府:Governmentの運営という行為を企業経営に転換させる「ビジネスマン」の発想であることが、「歴史的」なのである。
このことは、2016年のヒラリーとの戦いにあたって、岡田斗司夫氏が語っていた。
トランプは、アメリカ政府を「株式会社アメリカ」に転換して、「社長」に就任する、と。
だから、「MAGA」とは、政治スローガンではなくて、「経営目的」なのである。
したがって、これに基づく様々な施策はすべて、経営目的達成のための手段となる。
すると、9000人の政府職員入れ替え人事でもっとも重要なポストは、ボードメンバーたる大臣級もしかりだけれども、「課長級」となるのはふつうに経営者なら即理解できるだろう。
経営目的達成のための「扇の要」は、どんな組織でも「課長」なのである。
課長が、実務を通じて、経営目的達成の具体策を実行する司令塔になるからである。
すると、多数の現職を解雇するというなかで、どうやって「課長職」を確保するのか?
あきらかに、イーロン・マスク、 ビベック・ラマスワミ両氏は、自身の企業グループの人員を優先的に用いることになるだろうが、おそらくぜんぜん足りない。
そこで、彼らに近しい経営者仲間から、「これ」といった人材を政府に移植する作業が行われ、アメリカ政府をして「株式会社アメリカ」に実務上も転換させるにちがいなく、シャッポの大臣を組織で支える手はずをとるはずなのである。
これぞ、「政府の民営化という革命」を、これからわれわれは目撃することになる。
一方で、わが国でも「憲政史」に残る事態が生じているが、日本人のなかでこれを意識しているひとの数はまだ少数だろう。
それが、自・公連立内閣と立憲民主党との国会連携、である。
なんと、森山幹事長の自民党は、「衆議院予算委員長」のポストを野党筆頭の立憲民主党に引き渡した。
これに、党内からの批判がない、ということを国民は記憶しておかないといけない。
つまり、立憲民主党は、国民が気づいてみたら、実質「与党」になっていた、のである。
この詐欺行為こそ、「歴史的」で、いまや「大政翼賛2.0」がはじまったのである。
いやいや、野党の立民が国会を制御するから、自公政権の末路だという議会主義からの正論もあろう。
しかし、このブログでなんども書いてきたように、自民党が左傾化して、共産党まで呑み込んだのだから、とっくに立憲民主党は与党だといえたものがとうとう顕在化しただけである。
政権は、こうした「歴史的大事件」を隠蔽するために、元アイドルたちを政務官に起用する人事を発表し、愚民の目をこちらに引きつけている。
多数の愚民は、生稲某とか今井某とかエリ某とかに「嫉妬の目」を向けながら、国民をバカにするな!と叫ぶが、「人事」とは、人事権者が行う行為だということも忘れたようなのである。
つまり、人事発令においてはこのひとたちの責任はなく、ただの「まないたの上の鯉」でしかないこともしらない。
ただ、このひとたちが任命された職のミッションを追及できるか?という意味で、「できる」という評価が任命権者にある、ということだ。
さらに、この目くらましを企図したのはだれか?
おそらく、プロパガンダのプロたる、世耕弘成氏の旗振りで、電通とかの自民党契約先ブレーンが仕掛けたに相違ないとにらんでいる。
しかして、石破内閣は、これら政務官にいかなるミッションを与えるのか?が、そもそも存在しない。
ただ、官僚の指示通りうごく、「パペット」に徹すればいい、というのが歴代に与えられた真のミッションだからである。
タイミングが悪いことに、日本人はトランプ政権2.0の組閣人事を同時に目の当たりにしている。
ここでもまた、これまでのマスコミによる「反トランプ」の刷りこみが効いていて、政権のミッションを実行できる「適材適所」が実行されている姿を隠蔽するのである。
つまり、圧倒的な目的合理性を追求するトランプ人事(政府の民営化という革命)と、徹底的に極左アメリカ民主党=グローバル全体主義を追及する自・公+立民政権(過去からの因習を保守するだけ)は、なんと、敗戦以来はじめて、あからさまな「反米政権」として対峙する構図になったのである。
そのわかりやすい例が、国民が嫌忌した「LGBT法」に続く、家族制度破壊=アトム化というもっとも基礎的な共産主義政策の「選択的夫婦別姓制度」の法制化(実質「戸籍制度」の廃止=ID化)で、あの辻元清美がチアリーダーとなっている。
わが国の「戸籍制度」こそが、移民などには制度上の巨大な障壁だからであり、アメリカがバイデン・ハリス政権で、かくも不法移民問題が拡大し、トランプ政権2.0で最優先課題になったのも、もっといえば、トランプ派が地滑り的勝利したのもこれで、日本のように「戸籍制度がない」ことが原因だといえる。
すると、来年トランプ政権2.0が正式発足したら、象徴的意味とは別に、しかもロシアからと同じく「敵国認定」されて、一気に政権(自・公+立民)崩壊をさせられる可能性が高い。
それすら承知で、アメリカ民主党に忠誠を誓うとは、一体そこに何があるのか?を問えば、「売国利権」なのである。
すなわち、軍産(製薬ビッグファーマも)複合体のことであって、イーロン・マスクと ビベック・ラマスワミ両氏が、アメリカ内にあってこれらを潰す活動をやるから、官民あげての売国利権退治がはじまるというのにも反対するのが、わが国の官民なのである。
こないだその証拠を、財界代表として酒造・飲料メーカーの社長が披露した。
勇気があるのか?バカなのか?
念のため、わが国の「刑法」には、有罪となればぜったい死刑しかない、「外患誘致罪」がある。
トランプ政権2.0は、ラトクリフ氏が指揮を執って、わが国の東京地検特捜部を動かし、最高裁判所事務総局をつかって、これらを「DS」として一網打尽の有罪とするかもしれない。
彼の上司は、トゥルシー・ギャバードで、上院への当て馬かもしれない「対中最強硬派」のマルコ・ルビオが国務長官、司法長官はマット・ゲイツという布陣だ。
その連邦上院では、新任リーダーを決める選挙があって、残念ながら反トランプ=RINOが選ばれたから、党内での壮絶な内部抗争がはじまった。
この意味は深く、もう議員辞職したマット・ゲイツを通すのか?否決するのか?あるいはその他誰を否決するのか?の駆け引きがおこなわれている。
このひとの名前が出て、バイデン司法省の官僚たちが浮き足立っているという。
「司法の武器化」の倍返しを恐れているそうな。
それでも大統領を独裁者にさせない仕組みが、機能している。
さてわが国では、後世、真珠湾攻撃よりも無謀だった「大政翼賛2.0=自・公+立民」と歴史評価されることに期待したい。