ドローンの武器化が歴史の転換点をつくった

「無人・無線操作」による、いわゆる「ドローン」(せいぜい100万円程度)が、数億円以上の従来型兵器を無力化して、過去にない戦果をあげているのが、ロシア軍の実態である一方、ウクライナ側は水中ドローンで巡洋艦クラスを撃沈させている。

さらに、遠方まで移動して確実に当てるため、偵察ドローンも登場して、攻撃ドローンの操縦を援護し、あたかもビデオゲームのような状態をつくりだしている。

もちろん、宇宙からは衛星が戦地を監視していて、偵察ドローンの配置計画を援助しているのは、当事者双方でやっているので、双方から「戦場が公開される」という史上初が起きている。

過去の戦争は、一部が公開されるまでにはなっていたが、いまは、ぜんぶが公開対象になっているし、その情報と、戦場(従軍)記者の報告、あるいは双方の軍当局からの発表とが評価の対象になって、世界に配信されることになったのである。

地上波テレビでは、悲惨な「生」の映像をみせないので、ここにもネット情報を得るひととそうでないひととでの情報格差が生まれる。

よって、当局によるプロパガンダもかつてないレベルで実施されている。
自国民と世界への情報発信で、有利な情報操作を仕掛けるのは当然といえば当然だからだ。

この意味で「軍政」も担当分野にある陸軍では、士官学校で、プロパガンダ専門員の育成をかなり重視しているはずだ。
「軍政」が担当分野にない海軍・空軍に対して、どの国も陸軍が上位なのは伝統的だが、教育内容におおきな隔たりが起きていることだろう。

昨年のウクライナによる「反転大攻勢」では、英国やドイツ、それにアメリカの「最新鋭戦車」やら、戦闘機やらが供与されるから、ロシア軍はひとたまりもない「はずだ」と世界の戦争屋宣伝隊のマスコミ(もちろん日本のNHKも)がはやし立てたが、アメリカはわずかな日数で「エイブラムス戦車」を引き上げてしまった。

ロシア軍のドローンによる攻撃に、歯が立たないことを、世界に宣伝したくないからである。

おかげで、貧困化する英国は、なけなしの戦車を失い、ドイツ自慢のヨーロッパ最強戦車も、ただの鉄くずとなるシーンばかりが配信(「砲塔」が揺らぐ)されて、「カタログ販売」の目論見はあっけなく潰えてしまったのである。

中にいた兵員はどうなったかをいうひとはいない。

ちなみに、進攻開始してすぐにロシア軍がキエフを包囲できたのは、緒戦における制空権を確保したからで、いまでは東側占領地域から西のポーランド領付近までミサイル攻撃の射程としている。

このとき、キエフを占領しなかったのは、「和平交渉」をしていたからだが、戦争屋の代理人、英国のボリス・ジョンソンが和平の阻止をやって、最後のひとりまで闘え、といったのをゼレンスキーが飲んでしまった。

英国は、ウクライナ人が死滅しても武器を売りたいし、あわよくば、ポーランドをからめて、ウクライナ分割統治をしたいのである。
なお、ウクライナの穀倉地帯の農地は、すでに英米の投資家がかなりの面積を購入している。

それでまた、BRICsを中心に、西側やアメリカ製の武器購入が減ってしまったのと、なんと生産能力が間に合わないとの二重苦がある。
後者をもって、日本の最新鋭戦闘機やらを外国に販売できるようにしたのである。

生産が間に合わないのは、西側の工場は、「労働法を遵守」しているからで、対するロシアは「祖国防衛」のための24時間フル稼働(三交代制)を維持しているからである。
しかも、ロシアは新型ドローンの開発にも注力して、戦時下における進化を実現している。

残念ながら、国民のやる気がちがうのである。

その背景に、「ロシア正教」への信仰心で国民が結束しているからである。
ゼレンスキー政権は、ロシア正教徒を虐殺してきた元凶だという認識が共通なのだ。
残念ながら、国民に人気の反プーチン政治運動家の死、というのもプロパガンダで、彼の実態はネオ・ナチなのである。

それに、残念な西側軍事顧問らは、戦闘機ばかりか最新鋭戦車の操縦も、数ヶ月の訓練でできると、阿呆なことをかんがえついた。
最低でも3年はかかるし、戦車隊を成すにはもっと多くの経験値がないと、まともな作戦行動もできないのは常識だろう。

そもそも、指揮官が育たない。

兵器さえ最新・最強なら負けはしない、という発想に、人間が操作することを忘れた暴論だということさえも、プロパガンダされて気がつかない脳天気なひとたちが多数になっている。

さらに、「復興支援」なることが昨年の広島サミットでも議題になったのは、戦時中としてありえず、「ウクライナの敗戦による復興支援」と正確に言葉をつかうこともしない。

さてそれで、わが自衛隊の装備は、ウクライナと同様の旧式アメリカ製ばかりで、ドローンによる多数同時攻撃に対しては無力だし、まっ先にあるはずの、電磁パルス戦(EMP:ElectroMagnetic Pulse)の準備もないのである。

敵によるEMP戦発動で、わが国周辺の米軍も一瞬にして無力になる。
もちろん、民間機も民間船舶も航行不能になる被害となる。

いま、「もしトラ」から「ほぼトラ」になってきてはいるが、トランプ氏が大統領に復活した場合の東アジア情勢の大変化は、もしやアメリカ大統領就任後初の外国訪問がモスクワになるやもしれないことで、明確となる。

米ロの蜜月がはじまる、大転換が用意されている。

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