そもそも、共産主義者なのに「自分は社会主義者である」とマイルドなウソをついた、初のイスラム教徒がマムダニ市長である。
むろん、イスラム教徒、であるかも怪しいのは、道徳的にちゃんとしているのが本来のイスラムの教えだからである。
この意味で、現代のイスラム教も、キリスト教並みに堕落して、教義についての厳格性を失ってしまっているのか?
逆に、正統派ユダヤ教徒たちは、イスラエル現政権の思想基盤である「シオニズム」に反対しており、シオニズムはユダヤ教と関係ない、とまで発言していることが注目される。
さてそれで、民主党極左といえるマムダニ氏を応援したのが、地元ニューヨークで圧倒的な人気の極左アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員である。
彼女は、自称社会主義・共産主義者だが、自身の資産形成に熱心なバーニー・サンダース連邦上院議員(じつは無所属)と組んで、2028年大統領選挙に挑むという。
だが、サンダース氏は1941年生まれの御年85歳なのである。
しかして、民主党の左派(極左ではないらしい)から、前職のスキャンダル辞任によって州知事を引き継いだ現ニューヨーク州知事とは、マムダニ市長はあわない関係で、「選挙公約」にしていた政策がドン詰まっている。
わが国の地方自治法の適当さ・曖昧さとはちがって、州の権限と市の権限に明確な線引きがあるためである。
なので、マムダニ市長の公約実現には、ニューヨーク州知事の承認ばかりか、州議会の承認も必要な項目が多々あるのである。
すると、おなじ民主党で、格下の市長候補があげる「公約」について現職知事との事前協議がなかったことが露呈して、市長選挙に投票した有権者が面食らっているという。
ところが、極左のマムダニ氏を支援する極左の連邦下院議員がいるので、あたかも間にある州知事が槍玉にあがる構造になっている。
しかし、まさか勝とは思わなかったこともあるだろうけれど、たとえば、市内の賃貸住宅の家賃値上げを禁止するとか、市営の公共交通(バス)を無料にするとかいう政策の財源には、富裕層への所得税増税で対応すると「公約」したのであるが、知事は「ありえない」とは発言していた。
なにせ、民主党の大口ドナー(政治資金提供者)たちは、ニューヨークに住まう富裕層だからである。
ここが、共和党トランプ派とのおおきなちがいで、トランプ派のドナーはほぼほぼ「数ドルからの小口」ばかりなのである。
つまり、本来なら日本のマスコミが「庶民派」として持ち上げるはずなのはトランプ派で、金持ち優遇をやり続けている民主党ではないはずではあるが、「思想」が、民主党は左翼・進歩主義な点だけで、総じて民主党を高く評価し、共和党を低く評価している。
これは、かつての共和党主流派が金持ちたちの倶楽部だった歴史を踏まえてのことではあろうが、先の衆議院総選挙で岸田文雄元首相が北海道で公演したように、「共和党がトランプ派に乗っ取られた」ことを悪くいう人物が自民党の本音だとわかるし、これを黙って聞いている聴衆のリテラシーの低さが、なかなかに不気味なのである。
マムダニ市長に投票したひとたちの「乞食根性」が、おなじ党の知事からチコちゃんのごとく「叱られる」ことになっている。
一方で、ニューヨーク市内で孫が不法移民によって亡くなった黒人女性が、ホワイトハウスに招待されて、大統領から慰めと犯人たちをなんとかするという言葉に、「地元の民主党は被害を訴えても誰も相手にしてくれなかった」と涙で語っている。
これもひとつのプロパガンダではあるが、トランプ氏の朝の日課として、新聞の社会面にある悲惨の被害者に、かならず連絡をいれることの「ふつう」の結果であろう。
哀れむ、だけでなく、おそらくこうした悲惨に、あらためて「社会的に撲滅の誓い」をたてる強いリーダーとしての意志の確認をしているのだとおもわれる。
そんなわけで、「乞食化」した市民の発想のなかに、「福祉国家」なる「独立自尊」に対する強力な甘い誘惑が、じつは糖尿病による血管破壊のように自分たちの生活を蝕むことに少しは気づきはじめるひとが増えているという「マムダニ効果」が出始めている。
ひとは痛いめにあうことでようやく気づくのである。
この点で、圧勝したという中身をみれば、得票数ではそうでもない自民党だが、今回はじめて落選した「選挙の達人」で、総裁を凌ぐ幹事長として権力の絶頂を経験した小沢一郎が設計した、「小選挙区比例代表制」の制度による議席の獲得であったことは明らかである。
ために、「いまのうちにやっちゃえ!」の組織心理をもたらしているにちがいない。
これが、かつてない「悪政」を招くのであるが、自民党がこれをチャンスとやればやるほどに、痛めつけられる国民感情が無視されるばかりとなるのである。
よって、マムダニ市長の末路が自民党の末路にひとしくなるといえるのだった。

