フランシーヌの嘆きは通じない

フランシーヌ・ルコント(30歳)が、1969年3月30日に抗議の焼身自殺したことを覚えているひとがあまりにも少ないので、日本人が歌にして保存を試みたのが、『フランシーヌの場合』(作詞・作曲:郷伍郎、歌:新谷のりこ)だった、

彼女の死を覚悟するまでの嘆きとは、「ベトナム反戦」と「ビアフラ飢饉」の二点だといわれている。

いま、彼女が生きていれば、87歳、だ。

残念なことに、日本人にフランスの事情はよくわからない。
60年代のフランスにおける政治的緊張は、アルジェリア独立戦争後の62年からも続いていたし、なにせ「フランス革命」のグダグダが酷すぎる国なのである。

「ビアフラ飢饉」とは、英・仏がアフリカで対立した「ビアフラ戦争:ナイジェリア内戦:ビアフラ共和国独立戦争」における、ナイジェリア政府軍の封鎖によって150万人を超えるビアフラのひとたちが餓死したことをさす。

なお、ナイジェリア政府=英国側にはソ連がつき、ビアフラ共和国独立=フランス側には中共がついて、西側と東側がそれぞれの事情から対立した、いまでいうウクライナよりあからさまな悲劇である。

なお、結果は、ナイジェリア政府の勝利となり、ビアフラ共和国は3年で消滅した。

これもまた、アフリカ分割会議以来の紛争なのである

そのフランスのアフリカ支配は、いま、おおきく揺らいでいて、フランスGNPの3割が植民地アフリカからもたらされていることからの経済的な不安定が、マクロン政権&左派連合に対するマリーヌ・ルペンの国民連合の躍進にもつながっている事情がある。

フランシーヌの嘆きは、無視されたままなのである。

しかして、わが国でもおなじで、16日に、摩訶不思議な「辺野古 遊漁船 転覆事故」が起きている。
それがまた、「同志社」の名と「国際」を冠する学校の「修学旅行」での選択肢にあったコースのひとつだったことで炎上しているのである。

むろん、「同志社」といえば、「キリスト教主義」の柱を立てていることでしられるが、その「キリスト教主義」とはなにか?を考慮しないで入学する生徒がほとんどではないか?と邪推するのは、『はいからさんが通る』の大正期に、すでに文部省が宗教教育に茶々を入れて「学制」をいじったことの効果で「ふつうの学校」が根づいたからではないかとおもわれるのである。

「学校」として、宗教教育が許されないなら、「格下(「専門学校」)」になってもかまわないと設立の教育方針を曲げなかったのは、全国で横浜にある「フェリス女学院」だけだった。

ときに、同志社はプロテスタント「会衆派」である。

この派は、ピューリタンを起源とするので、いわゆる「キリスト教シオニズム」と親和性が深いとみる。
すると、トランプ大統領の最大支持母体たる「福音派」とも関係性があるようにもおもえるが、真逆の「共産主義親派」の側面しかみえてこないから摩訶不思議なのである。

やっぱり、大正期に文部省によってキリスト教を去勢されてから、すっと、「宗教的=なんちゃって」な表面上だけの薄さでやってきて、ただしく生徒たちも、学校の掲げる「キリスト教主義」を無視しても何ら問題はなかったのだろう。

しかるに、共産主義に染まっていた、とは、これも現代の文科省の茶々による結果か?

飢饉を案じて抗議の自殺をしたといえば、日本統治時代の台湾で巡査として活躍した、横浜戸部の農家の息子、森川清治郎(俗称「日本王爺」、「義愛公」)のことをおもいだす。
彼が赴任した村は、半農半漁であったが、総督府が1902年に発した「新税=漁業税」が、村民の生活を破たんせしめるとして台北に出て総督に直談判するも却って戒告処分の目にあったのだった。

こうした歴史を左派は絶対に口にしない。

わが国における「フランシーヌの場合」の背景に、おなじくベトナム反戦やら成田闘争があったけれども、雲散霧消した。
今回は、辺野古、が舞台であるが、ここにまつわるおかしな話しもまた、おおくの共感がえられているとは言い難い。

「現場」を見学するために、ポーランドで出会った親子が印象的だった。

その親子は、とくに子供からの要望で、「アウシュビッツ」に行きたいとの願いを果たしたのだという。
しかし、この子は「それから」をしらないで、きっとヨーロッパにおける「ユダヤ人」のなんたるか?もしらないでいるのだろう。

ようはピンポイントの事象だけに興味があって、その前も後もしらないのをよしとする、浅はかな教育がまじめな子供の心を奪う残念があった。

フランシーヌの場合は歌になったが、森川清治郎のことは歌にもならないのが現代日本の病なのである。

だが、だからといってフランシーヌの嘆きはいまも通じないのである。

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