7月7日の「七夕」、パリと東京の選挙結果にある意味の衝撃が走った。
ただし、旧暦では6月2日だから、本来の七夕ならことしは8月10日である。
フランスでは、「極右」ル・ペンの快進撃が、「左派連合」によって止められたようにみえ、東京では、「案の定」小池百合子の三選が決まったかにみえる。
どちらも、「みえる」けど、これからどうなるのか?は、どちらも、「未知数」なのである。
とにかく「左派」ならなんでもよく、もっといえば「グローバル政党」ならどこでも応援するのが、世界のマスコミの潮流である。
なので、わが国のマスコミも、笑いを押し殺して実は「狂喜乱舞」したいのはやまやまだけど、じっとこらえているかに「みえる」のだ。
報道の荒っぽさ、という点で、とにかく表面に「みえる」ことしか伝えない。
とにかく、マリーヌ・ル・ペンの「極右」さえ抑えることができればいい、という「一点だけ」で、一週間しかない決選投票に臨むべく超短期の時間内で「談合」したのが、このたび「左派連合勝利」だと伝えられているけれど、じっさいは「烏合の衆」である。
いまやレームダックのはずの、マクロン派とは、「中道」とのレッテルをマスコミは眉唾つけて報じ立てているけれど、この政権がやってきた政策はぜんぶ「世界経済フォーラムのアジェンダ」に従っている、グローバル全体主義に過ぎないことぐらい、もうフランス人だってわかっている。
なので、左派連合にマクロン派が「結合する」のは、ほとんど物理学なのである。
しかし、元来がグローバリストたちといっても、急遽あわてて連合したこれらはみんな「温度差」がちがいすぎるのである。
だから、一回目の投票までは、「連合」なんかしていなかった。
いまや「マイルドな左派」といっていい、社会党から「極左=共産主義」あるいは「環境ファッショ」まで飲み込んで連合したのだから、いつまでも仲良くするひとたちではない。
たとえば、マクロン政権が受給年齢を引き上げる「年金改革」をやろうとしているのに、極左は、受給年齢を引き下げる公約で選挙戦を戦ってきている真逆がある。
「数」では、あたかも議会の過半を制覇したかに「みえる」が、単に「反ル・ペン」だけの集合体で、内実はバラバラなのである。
「単独」で過半数を制した政党がないことで、だれが首相になるのか?すら分からなくなった。
今後のフランスは、より一層、「多数派」のヨレヨレが目立ち、ル・ペンの鋭い攻撃は休むところがないだろう。
それで、東京だが、さっそく小池氏リコールが話題にのぼり出している。
しかし、小池氏への公職選挙法違反問題は、すでに検察が「受理」したので、今後の捜査がどうなるのか?がある。
容疑は、半世紀にわたる学歴詐称問題と、公務員の地位利用の二点だ。
「デジタル・タトゥー(公開された証拠)」がある後者の方がより深刻で、検察が逮捕・起訴まで追い込む可能性は高いと、検察OBの弁護士が指摘しているし、告発したのも検察OBの弁護士である。
「辞職」の前に、「選挙無効・失職」の可能性があるということだ。
なお、次点の候補、三位の候補にも公職選挙法違反の疑いとして何れにもデジタル・タトゥーがあるから、都知事選のゆくえはこれからが「本番」なのである。
また、小池氏に翻弄され続けている、「都庁」では、すっかりお通夜状態だという噂もあって、今後、内部告発のラッシュがあるかもしれない。
このなかで、兵庫県知事のパワハラを告発した県庁幹部が、100条委員会での証言前日に自死したという不可思議が都庁職員を萎縮させているだろう。
わが国の闇は深い。
これを、「夜明け前」だというひともいるけれど、わたしには「夕闇」におもえてならない。
そんなわけで、ロンドンでの労働党勝利も、投票行動の分析が進んで、なんと労働党は得票数を前回よりも減らしての「大勝利」だったことが判明した。
パリでも、得票数ではル・ペンの極右が第一党になるのである。
一方で、アメリカでは、討論会で露呈した「老い」が、空前の8000万票を得たはずの「バイデンおろし」に拍車がかかっている。
どこもかしこも、大勝したはずが、そうではない。
これがいまの世界潮流なのである。